これぐらい
病院から帰ると、さっき話していた写真を撮ることになった。やはりママちゃんも床ずれのことが、かなり気がかりなのだろう。体の向きは仰向けと横向きの3方向。そして横向きでは、それぞれ脚の位置が2パターン。全部で5つのパターンについて、調べながら撮影をした。目的は今一番血流の悪い部分に、いかに圧迫を与えないか。下半身を丸出しにして、色々なパターンで傷の状態を確認する。これまでは、傷や周辺に重みがかかりにくくベッドで圧迫されにくい姿勢を意識してきたが、これからは傷口の圧迫具合や変形具合も考えてみる。想像ではなく、実際の傷の状態をで確認しながら考えようとするのは、仕事で身に付いた癖だな・・・と思った。 まずは仰向け。これまでは傷がベッドへ接地しないように、少し脚を開いてお尻の下に三角クッションを入れて浮かしていた。これなら傷が宙に浮いた状態になる。しかしこれでは、浮いてベッドとの圧迫はなくても、太ももの重みが傷を圧迫しているような感じ。脚の開き具合やクッションの入れ方を調整することで、ベッドや太ももで圧迫されにくくなった。次に横を向いた状態。まずは左向きの、寝る時の姿勢。軽く左を向いて、下になる脚が前で上になる脚は後ろ。傷はベッドから離れていて、脚の間に挟むクッションを調整することで太ももの重みも避けられそう。次にパソコンを操作したりする時の、しっかりと横を向いた姿勢。さっきとは違い脚の位置が上下逆になる。お尻を天井へ向けるような状態だから、ベッドでの圧迫は無い。脚は膝を前へ出すことで、どちらかと言えば傷口を広げるような感じになる。最も傷に対して圧迫を与えない姿勢のようだ。そして右向きで、まずは寝る時の姿勢から。軽く右を向いて、下になる脚が前で上になる脚は後ろ。傷はベッドから離れているが、お尻の重みがかかっているのではないかと思う。そこへ上になっている脚の重みが、更にかかっているような感じ。クッションを使って脚の位置を調整しているとはいえ、傷口は肉の重みがかかりやすいだろう。寝る前は上手く調整できていても、痙性で状態が変化する可能性は十分ある。そう考えると、圧迫に対してリスクの高い姿勢だと分かった。最後に体の向きは同じだが、脚の位置がさっきと逆の場合。横に向いてパソコンをしたりする時の姿勢。これもお尻を天井の方へ向けるような状態だから、さっきとは違って圧迫が少なさそう。傷のある場所が下側の脚になるけど、思ったより悪い姿勢ではなさそうだ。これらを比較してみると、最も傷の圧迫が少ないのは仰向け。これまで夜寝ている時は左右どちらかを向いていたけど、右向きはやめて代わりに仰向きになろう。深夜の体位変換で左を向く。寝る時はこのパターンだな。パソコン等をする時は左右どちらでも良いだろう。とは言っても左向きの方が作業が得意で、偶然にも圧迫が少なさそうな方向なので助かった。 床ずれに対して体位変換は絶対必要だが、できてる場所によって向いていい方向が決まっている。病院ではパターン化されたその順番を説明してくれるが、今回のように傷の状態を見ながら決める事は無い。一日千秋の思いで完治を待ち望んでいる反面、できてしまえばいつ治るかわからないとも言われるほどの厄介な怪我。これぐらいのことで凄く治りが良くなるわけでもないだろう。だけど小さなことの積み重ねが、一日でも早く治すために重要なのも間違いないだろう。そう考えれば、これぐらい突き詰めたことをするべきなのかもしれない。それに・・・あと残るのは一か八かの方法ぐらいしか思いつかないしなぁ。まぁ害は無いし、ひと月ぐらい様子を見てみよう。