お世話
今日は大阪で開催された、全国頸髄損傷者連絡会全国総会のシンポジウムに参加してきた。会員でなくても参加ができる。とてもありがたい。シンポジウムへはこれまで行ったことがないし、どんなものなのか日ごろから興味を持っていた。テーマは2つ。人工呼吸器使用者からのメッセージさまざまな頸髄損傷者からの発信自分は人工呼吸器を使っていないけれど、友人の中には何人かいる。そして、久しぶりに思い出した。自分が事故後に搬送された病院で、人工呼吸器をつけるかつけないかギリギリの選択だったらしい。もし医師が人工呼吸器を選択していれば、今とは全く違った人生を送っていたのは間違いない。こうやってポンポンとブログを書く事もできなかった可能性は十分にある。命の恩人であるだけでなく、人生の恩人でもある。そういったこともあって、気になっている。それに自分よりも損傷が重度で、自分の理解を超えた日常を生きる人たち。色々な話を聞かせてもらえるなんて、こんな貴重な経験は意外とできないものだ。そして様々な頸髄損傷者からの発信とは、どんなメッセージが出てくるのだろうか。頸髄損傷者は1つ損傷する番号が違うだけで、麻痺に大きな差がある。できることだけでなく、生活のスタイルも大きく変わってくる。リアルな声を聞くことでしか得られない何かがあるはず。そんなことを思いながら会場のホテルへ向かう。ホテルにはこの総会に協力している、若いボランティアの子たちがたくさんいた。そして案内や運営に協力していた。すごいなぁ。どうやったらこんなに多くのボランティアの若い子たちが集まるのだろうか?やはり大阪は都会。何かが違うのだろうか?ホテルの会場前に行くと、たくさんの頸髄損傷の方がいた。これほど多くの車椅子の人たちと一緒に居るのは久しぶりで、変な緊張感がある。でも胸や腰の損傷の人が居ないから、近い存在に感じる。みんな首の損傷者だから、脊髄損傷者の中でも連帯感があるのか?そう思ってしまう空気がある。それに優しい雰囲気がある。何だろうか?初めての場で会員でもないのに。なので知らない人ばかりの中に居ても、あまり変な気遣いをしなくてよかった。シンポジウムがまもなく始まるので会場入り。会場の床には、テープで格子状に仕切りがしてある。その1つの枠の中に椅子が1つ。1つの仕切りの中に車椅子1台と介助者が座れるようにしてあった。このアイディアすごく良い。健常者だけなら、椅子をずらりと綺麗に並べればいい。だけどそうはいかない。車椅子と介助者。そして車椅子のサイズ。何も目印がなければ、ごちゃごちゃした感じで座ることになる。これもボランティアの若い子が引いてくれていた。ありがたいね。1つ目のテーマが終わり休憩時間。周りを見渡していたら、今回のシンポジウムを紹介してくれた人を発見。初めてお会いする方。初めての時は、緊張するね。でも話し始めると面白い人で、次々聞きたいことが出てくる。仲良く楽しく喋っていたら、あっという間に休憩時間が終わってしまった。2つ目のテーマが始まった。今日はもう1人会わなくてはならない人がいる。友人に紹介された兵庫県の方。金髪だからすぐにわかりますよと言われていたけれど、どこを見渡しても居ない。そのうち2つのテーマも終了が近づき、質疑応答の時間になった。結局どこにいるのかわからなかったなぁ。と思っていたら、トイレに行っていた友達が、廊下に金髪の人がいることを教えてくれた。間違いないだろう。他には金髪の人がいないから。チャンスは今。廊下に出ると、金髪の人が誰かと話している。どうしようか…。邪魔するのは悪いし。そう思ったが、シンポジウムが終われば人が動き出す。全国総会だから、きっと色々な人と話をしたりするだろう。やはりチャンスは今。こうなったら2人とも一緒に友達になろう。スーッと近づく。こんにちは。名前は聞いているので、声をかけて自己紹介をする。向こうも自分のことを友人から紹介されていたので、会えたことをとても喜んでくれた。話をしていた人と一緒に3人で色々と話す。なんだろうね?頚損あるある、とでも言おうか。共通する話題が多いので、なぜかなじみやすい。そこに今到着したのかな?会員さんの夫婦が加わった。自分が住んでいる隣の県の方だけど、県境に家があるそうだ。場所を聞いていると、高速を使えば結構近いところ。ただそれだけだけど、頸髄損傷者で家が近いってことだけでなぜか親しみやすい。そんな気もするが、本当はその親しみやすさはそのご夫婦の気さくさと笑顔なのかもしれない。話は盛り上がり楽しく過ごしていたけれども、周りが騒がしくなってきた。どうやら、2つのテーマが終了したようだ。会場から人がどんどん出てくる。金髪の人は担当している仕事があり、行かなくてはならなくなった。残念。もっと話したかった。金髪の人とご夫婦はこの場を離れた。残った2人で少し話をしていたが、もう友達たちも出てくるので、再会を願って別れた。シンポジウム自体はゆっくりした流れ。それはそれで自然だと思う。なぜなら頸髄損傷者になると、呼吸に必要な筋肉も麻痺するから、損傷部位が高くなるほど話すのがゆっくりになる。それなのに、あっという間に半日が終わった。すごく早く終わった気がする。もっと色々と、いろいろな人と話をしたかったなぁ。自分の住んでいる県には、この団体は無い。しかしどの地域に住んでいても、好きな地域の団体に所属できるそうだ。だからきっと、近隣の県の会に入会しているんだろう。いいなぁ。入会しようかなぁ。そう思うけど、今は色々な事をやっていて結構いっぱいいっぱいに近いから、無理はしないほうがいいしなぁ。自分1人で何でも出来るならいいけれど。そうじゃないから…。でもイベントがあったら遠慮なく参加してね、と言ってもらえた。会員でなくても大丈夫みたい。また何かあったらお世話になろう。