発見
体温は36.9度。排便はなし。 今日の訓練はIさんが来てくれました。ありがとうございます。今日は最初から脚の感覚がしっかりしていて良い感じ。特に左脚。脚全体に一体感が強くある。最近感覚の低下があまりないので嬉しい。今日は歩行器の立位を軽くやった。後半は血圧が少し下がりやすかったけれど、全体を通して下半身の安定感を強く感じる。神経伝達訓練脚の伸展屈曲で力の入る感覚をよく感じているし、歩行器で立った時はそこまで感じていないが、状態としては効果が出ているのかもしれない。今日の歩行器では下半身が安定していたけれど、いつもと少し違う感じに気付いた。いつもは立とうとしている。立とうとして、感覚が安定しているとか状態が安定してるとかといった効果を感じる。今日は不思議な感覚で、立とうとしているのではなく、立っている感じだった。何かを意識していなくても、何と言えばいいのかよくわからないが安定している。安心感がある。自然な感じに少し近づいたのかもしれない。特に左脚と左側の腰周りで、そう感じた。歩行器で立つ時には、肘を突いて上半身を支えることが色々な場面である。低くした歩行器を上げつつ体を起こす時も。肘を突いて踏ん張ることで、歩行器と共に起き上がっていくことができる。その時に左肘が歩行器からずり落ちる事が多々ある。自分では脇を締めて落ちないように頑張っているつもりなのだけど、上手くできなかったり、気付けば落ちていたりする。なぜ左右で違うのか?脇を締める力は左の方が強い。だからそれだけを考えると、脇が開いて左肘が落ちるのは納得できない。これまでは締める力や絞める事に意識を向けていた。だけど今日は1つ閃いた。力はある。それが正しいとすれば、その力を正しく使えていないってこと。脇を締める動作。それは、見た目で腕が体の側面に付けばできている。単純にそう考えがちなのではないだろうか?負荷がなければ、重力に逆らわなければ勝手にできる。そう言ってもいいような、ややもすれば軽視される動作。脇を締めるとは、身体の側面に腕を寄せるのではなく、脇に力を入れて締め付けるということでは無いのだろうか?脇を締める時に意識する部分。それは脇はもちろんのこと、肘を寄せることに強く意識を向けてもできるし、手を腰に付けようとすることに強く意識を向けてもできる。そこに落とし穴がある。手や肘に意識を持っていくと、脇を締める力が弱くなる。脇を最も意識していないから。意識をしていないという事は、そこに送られる命令の割合も小さくなる。送られる命令の割合が小さくなると、意識して入れられる力が減る。結果としては、望む動作ができれば良いのが人間だから。健常者ならすぐに理解できるだろう。気をつけの動きをしたい時に、まず脇を締めるように力を入れて、肘を寄せなくてはならないし、手のひらは体の方に向けて、腕をまっすぐにしてぴったりと付けるように…誰がそんなことを考えるだろうか?それら全てをバランス良く一連の動作のまとまりとして瞬時に動くことができる。もはや意識するという、意識さえしていないのではないだろうか。しかしそれが自分にはできない。麻痺で思うように動かない。麻痺で望むほど命令は届いていない。イメージするだけでその動作は、バランスよく勝手に動かない。なのでその時その時の動作に応じて、命令と力のバランスを脳でコントロールする必要がある。もちろんこれはその動作に必要な関節全てを、上手くバランスよくまとめてコントロールできないから。たとえアンバランスでも望む動作が可能な関節さえ動けば、その動作を繰り返し意識して行うことで、やがて脳が学習して少ない命令でその動作をバランス良く完璧にこなすようになる。その時が来るまでが試練。たとえどこかの関節が伸展屈曲できたからといって、じゃあ何かの動作ができるのかと言えば、そう簡単じゃないのが脊髄損傷。その次のステップとして、複数の関節の同時動作コントロールがある。それを繰り返し行い学習することで、1つのキーワードで瞬時にコントロールできる動作へと昇格する。簡単なことでは無い。0を1にすること、1を無限の可能性にすること。だけどそこに、この体だからこそわかる、人間の無限の可能性を感じる。肘を落ちなくできる日は近い。寝て横向きで右肘の曲げ伸ばしは、昨日よりも少し伸び具合が良いかなと感じたけれど、大きく見た目が変わったわけではない。色々と感覚に意識を向けて動いていて、新たに気付くことがあった。肩の後ろ側から肘の間の力を使うように意識しているが、いつも一番意識を向けているのがその中間の部分。もちろんそこにははっきりしっかりと力が入る感覚はある。これだけの感覚があるのに動きが悪いから力が足りないのだろうと思ってやってきていた。しかし肘の曲げ伸ばしに関わる筋肉は1つではない。そして結構長い。意識を集中している部分はその内の、ほんのわずかな部分なのではないだろうか?肘の近くと肩の近くにもそれぞれ意識を集中させて、動きや力の入る感覚を掴み取ろうとする。肘の近くは良くわかるし、力を入れられているようにも感じる。しかし肩の近くになると、感覚がポコっと抜けているような気がする部分があるのに気づいた。ここが上手く働いていないのか?そのせいで肩から肘の動作の連携が上手くできないのか?そんな疑問が出てきた。これまでは特に気になっていなかったが、肩から腕の力や感覚が回復してきた中で、その部分が取り残されているのかもしれない。なのでそこの部分に意識を集中して動かそうとしてみた。だけどあまり上手くできている感じがしない…そりゃそうだ。感覚が鈍い部分は、力がしっかり入らない。基本的に、感覚が無い部分の筋肉を意識してしっかりとコントロールができない。それはこれまでの経験から考えられる理論に当てはまっている。そうなると、この訓練方法ではしっかりと短期で効果を出すことが難しい。そうなると以前やっていたあの訓練か…ひとまずそこは早急に対応する課題として考える必要がありそうだ。続いて左腕。早速右腕の時と同じように感覚を探ってみる。面白い。こっちはどちらかと言えば、右腕とは逆で肩から真ん中あたりまでが強く、そこから肘に向かうほど感覚が弱くなる。なので当然腕の付け根辺りに入る力の感覚はかなりしっかりしている。そうか。右腕は左腕よりも上手く強く伸ばせるけれど、なんとなく不安定な感じがしていた。それに比べて左腕は付け根あたりの安定感がすごい。強い。しっかりと根を張った木のようだ。だけど腕を伸ばす動作の感覚はしゃきっとしていなくて、力が弱い。なんだか正反対の双子のようだ。この両方の感覚が1つにまとまると、かなり動きが回復するように思える。だけど合体するわけないし。とはいえ、今日はいいことに気付けた。互いの長所と短所をどのようにして伸ばしたり解決したりするか助け合えば良い。これは大きな発見だ。