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今日の訓練はIさんTさんが来てくれました。ありがとうございます。いよいよ今日、Iさんの訓練介助が最後。だから思うよな、良い終わり方をしたいと。それには左足の調子が大きく関わるだろう。翻りまだ解決はしていない。まずはいつものように進めて、脚の伸ばしと曲げで感覚をチェック。うーん…左お尻の横に高い緊張があるな。悪い影響がなければいいけど…。良い動きができて、気持ちよく終われますように…なんて心の中で願うが、願って叶うなら努力なんてしなくていい。今日もベストを尽くすだけだ。今日は歩行器のセッティングで、滑り止めを敷くことにした。歩行器の後輪下に。前輪は滑り止めを巻きつけて取れないように固定してある。後輪は移動するためにフリーの状態だが、何か動作をする時にはしっかりとフレームを踏んでもらって、後輪近くを押さえつけている。それでも動きが激しいと、少しずつ歩行器が動いて体との距離が遠くなり、色々な動作がしにくくなる。なので一度試してみようかって、前回相談していた。立ち上がる前の段階で滑り止めを敷いておく。いつも通り進める。そして最初の脇を開いた前屈(歩行器壁立脇を開いて腕の曲げ伸ばし前屈)をやってみる。前に倒れた時に歩行器はずれやすいが、あまり動いた感じは無い。これいいのかも?まだまだ確信はないが、そのまま進めていく。しかしセットの終わりになると動きづらくなってきた。疲れたから?いやいや、まだ疲れるには早い。だとすれば…この動きづらさは…歩行器の位置!で、いつものように歩行器の位置を直してもらうと、あらあらいい感じ♪調子良く動ける。やはりズレていたか。滑り止めを敷いていても動くか。意味ないのかな…といきなり凹みモード。自分の中では、まあまあ効果が出せると思っていたのに、さほどでもなくてガッカリ。でも!まだ試し始めたところ。動く方向は前後だけでなくて左右や回転もある。どれかでプラスの効果があればやる価値はあると思っていいだろう。そんなことも考えながら、みんなと滑り止め効果について話し合う。その中で1番困ったことが、滑り止めによって歩行器が動く音が聞こえないことだった。いつもなら歩行器がズレた時には、タイヤと床が擦れる音がする。その音を聞くと、左右で歩行器を支えてくれている介助の2人は踏み方や踏む強さを調整したりしてくれる。だけど音がしないから、どうなっているのか把握できないことが問題になった。そのことはたちまち改善できないから、まずは次の回転をやってみる。これでまた違う印象が出てくるかもしれない。だけど滑り止めのくせに、ちょい滑りなその実力…それでもIさんに良いところを見せつけてやるぜ!と意気込んでやってみたが、なんか変な感じ。いつもほど左横腹に力が入らなくて動きにくい。姿勢は大丈夫に見えているし、感覚的にも問題が無いと感じている。なぜだ…滑り止めのせいではない…不調なのか?悔しいが現実は認めるしかない。ジタバタしていても時間が無駄に進むだけだから、次の項目へ進める。その、左回転…コレもなんだかイマイチーあぁ…、悔しい…そんな感じで不発。歩行器のズレもあった。やはり滑り止め…なくてもいいのか…?でも今日はまだ秘策がある。長らくやっていなかった側屈。今のところ左足が落ち着いていて、翻りそうにない。だから全部の項目をやり終えてから、最後にやってみよう♪そう企んでいた。だけど急にきた。また翻りだした。なのでまだどうにか続けられる今のうちに側屈を!ってことでちょっとだけやってみた。翻りは悪さをしなくて、でも回数が少なかったので滑り止め効果はあまりわからず。だけど見たことしかないTさんには体験してもらえたから、そこには大きなメリットがあったと思う。そんな調子で早々に今日の歩行器立位は終了。残念な終わり方になっちゃった。ベッドに戻ってからはTさんに引継ぎ練習をしてもらいたかった項目をやって、いつもより少し早めに終了。今日で最後だから、みんなでティータイム♪これは良い時間を過ごせた。Iさんとの思い出を振り返る。最初来始めてくれた頃に比べると、今ではとても頼りがいがある人に成長している。さりげない気遣いや、全体の流れの中での立ち振る舞い。あれこれ頼まなくても色々なことに気づいて、決まった流れは自然とやってくれるから、ほんといつも助かった。それに色々な感覚や基準が、ちょうどいい感じではまってくる。何かを頼むのって、言葉だけだとかなり難しいんだよね。自分の心の中では5ミリ位かな1センチ位かなって時に、よく使いがちなのが、ちょっと○○に動かしてって言葉。でもこのちょっとってのが曲者で、その感覚は人それぞれ。5ミリの人がいれば、5センチの人もいる。明確な数字等の基準で伝えなくてはならないこれが頼む時にとても重要なこと。体が動かなくて、話すことで全てをやらなくてはならなかった苦しい日々に身に付けた術。別に定規を使って測って動かしたりする必要は無い。ちょっと…なんて曖昧な表現をしているんだから、1ミリ3ミリイメージとずれていても問題は無い。ただミリとセンチはかなり違いが出る。だから明確な数字等の基準で伝える必要があるそれだけでなく、明確に伝えられると、それを受け取った人は無意識のうちにおおよそそれぐらいに合わせてしまう。これが人間の不思議なところ。その人の持つ5ミリの感覚のところに合わせに行く。それに長い人生生きてきて身に染み付いているから、5ミリが5センチになることはない。だからおおよそ狙い通りのところに動かしてくれる。だけどそうじゃなくて良いタイプの人がいる。その【ちょっと】って感覚が同じような人。そんな人は、ちょっとだけ動かしてと伝えたら、十中八九当たりを引いてくる。納得できる範囲に収めてくれる。Iさんはそこがドンピシャだった。そうなると良いリズムができるから、色々なことが共に楽しめる…そんな日々を思い出す…今日もついさっきまでそうだった…しかし時が止まることはなく、もちろん自分たちも立ち止まっていてはいけない。握手をして一緒に写真を撮って別れの時。まぁ二度と会えなくなるわけでもないし、訓練介助に来てもらえなくなるだけだから、チャンスがあれば食事に行ったりもできる。大丈夫、ちゃんと繋がっているから。また明日から共に頑張ろう!体温は36.5度排便は3つ半