動かせる
今日の訓練はNさんMさんが来てくれました。ありがとうございます。
歩行器立位は普通に調子が良くてどんどん進んでいく。
そんな中、今日は1つだけ気になったから意識してやってみた。
それは低い右回転(歩行器壁立右回転歩行器を低くして)でのこと。
いつものようにお腹周りの力を意識して、動きに合わせて順番に曲げて上半身を回転させている。
何がきっかけだったんだろうか?
きっかけを思い出すことはできないが、前に傾いた状態の時に、腹筋上部を伸ばすような力の入れ方をしてみた。
前に傾くから、お腹を伸ばすのって変。
そう思うけれど、部分的にしか伸ばしていないから、腹筋の下の方は意識されていない。
それに、この程度の力では伸ばそうとして傾けないわけではない。
なので動きのイメージとしては、前に傾いて猫背になっているのではなくて、胸を反らしながら前に傾いているような状態。
そんな感覚だった。
しかも動きやすい。
試しにこれまでと同じようなイメージで動いてみたら、あ…違う…って。
なんて言うかなぁ。
これまでのイメージでは、上半身が前に傾いた時にお腹が歩行器の縁に乗っかって引きずる感じ。
でも今日のイメージでは、引きずるのではなくて、体重をかけずに擦りながら動く感じ。
なんか不思議。
見た目は変わらないんだけどね。
さて、最近力を入れている左手首の動き。
最初は往復(寝て右向きで左手首の背屈掌屈往復台車を使って)から。
セッティングが終わり試しに動いている時、これまでとはわずかに違う感覚があった。
これまでにない強さで、肘から手首の間の外側全体に力が入り、大きなまとまりを感じる。
そしてこれまでよりも、【手首を動かそうとする力の入れ方だけで、動いている感覚】。
これまでここまで大きなまとまりを感じた事はなかった。
肘から手首の間の外側全体に力が入るけど、もう少し強弱があってまばらな感じだった。
そして、【手首を動かそうとする力の入れ方だけで動いている感覚】。
手首を動かすんだから、それで普通なんじゃない?
と思うだろう。
しかしそれは、麻痺がなかったり麻痺があっても軽くてそもそも動かせている場合。
自分の場合は麻痺によって、100%重力にならって垂れ下がり、動かそうとしても力の入る感覚は無い状態からスタート。
この、【手首を動かそうとする力の入れ方だけで動いている感覚】は、失われた感覚。
今こそはっきりと思い出す。
ダンベルを握り手首を反らして鍛えていた時の感覚。
あぁ…ようやくここまで来たのか…
とにかく色々な方法で動かしてきた。
他力であったり、腕を振り回す勢いを使ったり。
ただ1つ、繰り返し動かし続ければ必ず動かせるようになると信じて。
信じるか…
これまでいろいろな部分の動きを回復させてきたが、ここまで100%ゼロスタートの部位はなかった。
疑わないように自分自身に暗示をかけて、盲目にさせていたのかもしれないな…
さて本番。
もちろん回数はいつも通り、20回を8セット。
重りは3.6キロ。
カウントに合わせて力を入れる。
まだまだ完璧じゃないから、わずかに肘を伸ばす力も入って手首以外の力が台車にかかっているだろう。
だけどそれは意図的じゃない。
それでもこれまでの動かし方を力の入れ方をイメージして、さっきの動かし方をイメージして、余計な力を使わずに、
動かせる!
と自分に言い聞かせて力を入れる。
すると、やはり手首を使って台車を動かせた。
とにかく限りなく手首だけ動かすように意識を集中。
肘から手首の間の外側に、めちゃくちゃ力が入っていると感じる。
痛い。
筋肉が限界を叫ぶが容赦しない。
この程度で壊れるもんか。
動いているのに限界だと感じて止めるのは、体ではなくて心の限界だから。
意識を集中して、そこにだけ力を集めて、ただ手首を往復させる。
それだけのことなのに、1セット終われば荒い呼吸になる。
そのセットの名残をあえて残したまま、次のセットへ進み、それを繰り返して全セットやり切った。
さすがに最後まで変わらないペースでできるとは思わなかったから、驚いたり嬉しかったり。
少し前から左の手首から肩にかけて集中して訓練しているから、隔週で左右交互にやるよりも上手く効果が出せたのかもしれない。
麻痺を回復させるためには、必要以上の間を取らずに、とにかく連続して継続して繰り返し動かすことが、特に効果的な方法の1つだと改めて感じた。
まだまだやることいっぱいだぞ!
体温は36.4度
排便は2つ