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カテゴリ:本・映画
1935年生まれ、日テレ人気番組ディレクター佐藤孝吉さんの回想録…なので、一視聴者として裏話を読む面白さはもちろんあるのですが、仕事にかけるひとりの男の人生の物語としても秀逸です。
ちなみに「ビートルズ来日」「長嶋茂雄引退セレモニー」「アメリカ横断ウルトラクイズ」「カルガモさんのお通りだ」「はじめてのおつかい」などを手がけた方です。 どの番組にも真摯な姿勢と情熱が溢れていてまた見てみたくなりますが、私がぐっときたのは、エジプトでピラミッドの縮小版を作ったという特番「ピラミッド再現計画」。 若き吉村作治先生とスタッフたちが三大ピラミッド近くに縮小版ピラミッドを作るのですが、巨大な石を何人もの男達が運んでみると、もうそれだけで楽しい!通る村の人々が応援し、手伝ってしてくれる! 奴隷がムチ打たれてピラミッドを作ったのは間違いだと言うのは、現在では当たり前の説ですが、実際に汗した実感で、あの巨大物をつくることは人間の本能の喜びで、皆きっと誇りを持って作っていたのだろう、と。 そりゃあ、あんな偉大なものを作ることに、知り合いが参加してたとしたら、友達の友達のそのまた友達レベルでも自慢でしょう。「私の友達、ピラミッド作ってるのよ」なんて!スゴイ! 撮影後できあがったピラミッドをすぐに取り壊すよう役人に命じられ、ムッとするも 「千年後の考古学者が困るから。」と言われるエピソードもエジプトならではのスケールです。 また、失意の日々アフリカへ行き、山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」の主人公のモデルになった日航の恩地さんと出会う件もドラマチック。 読後、いい仕事したいなあ!と思わされる一冊です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.08.21 06:20:02
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