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2020.01.10
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カテゴリ:中国

監視カメラについては、プライバシーの問題、「監視社会」の恐怖が、強調されてきた。民主社会では、個人の尊厳、プライバシーの保護が、大切にされるべきだ・・・と理解している。

 

しかし、現実社会では、何か(事件)が起こると、警察は、まず、事件現場周辺の監視カメラの映像を有力な証拠として、確保しようとする。そのことによって、「えん罪」も、減少する可能性が高いと言えるかもしれない。

 

実際、監視カメラが、「決め手」になって、犯人が逮捕される事例が、増えていて、その効果には、誰も(異議)を唱えなくなってきているのも現実だ。

 

しかし、全体主義体制の中で、独裁者が、この効果の証明されたAI機器を、独占的に所有し、国民を支配するために活用する・・・小説「1984年」のディストピアが、現実のものになれば・・・どうだろう・・・・・

 

皆さんは、どう思われるか?      (はんぺん)

―――――――――――――――――――――――――――

交通違反もスリも激減。中国監視カメラの「効用」

        2019-12-27   週刊東洋経済

 2020111日号> 交通事故や交通違反、さらには窃盗やスリなどの犯罪が中国で激減している。全土に張り巡らされた監視カメラ網、顔認識システムによる本人特定などのハイテク機器導入によるところが大きい。中国は現実に「安全でマナーのよい国」に向かおうとしている。

 

 先頃、中国のSNSに投稿された短い動画が話題を呼んだ。南京市で足の悪い老人が交差点を渡ろうとして、途中で歩行者用信号が赤に変わってしまった。しかし、停止していた3台の車は走り出そうとせず、老人が渡り終えるのを見届けて、やっと動き出した──。

同市の警察はこの3人の運転者を探し出し、大々的に表彰した。

 

 私自身の実感でも、中国の、とくに都市部の運転マナーは最近、急速に向上している。すばらしいことだが、そこにはワケがある

 

南京市は201810月から市内各所の交差点に歩行者保護を徹底するための監視カメラを設置、歩行者の横断を遮ったり、危険を感じさせたりする運転を感知し、自動的に撮影して違反通知と罰金の納付命令を下す仕組みを稼働させている。

 

これは市民に広く周知されており、歩行者がいたら車は止まらざるをえない。同様の仕組みは上海など他都市にも次々と導入されている。

 

 厳しい監視は歩行者に対しても同じだ。赤信号を無視して横断する歩行者を感知すると、同様に撮影して顔認識で身元を割り出し、ショートメールで本人に告知する。

 

歩行者の罰金は20元(1=15円)程度と軽いものだが、一定期間内に納付しないと、近所のバス停などに設置されたモニターに顔写真と違反状況が表示され、「さらし者」にされてしまう。

 

このシステムの導入以来、南京市内の「雨花南路国税局」前の横断歩道では、違反の検知件数が導入当初の1日平均81件から9件に、「八一医院」前は65件から18件に、「石獅子路地鉄口」前は55件から4件に、それぞれ激減した。

 

■全土にカメラ2億台超

 

 交通違反だけでなく、侵入盗やスリなどの犯罪も大きく減少している。

現在、中国全土には2億台を超える監視カメラが設置されているとされる。個人や私企業などのプライベートな空間を除き、日常生活のほぼすべての領域がカバーされていると考えていい。

 

 効果が最も著しいのが公共交通機関の車内のスリだ。中国の地下鉄やバスなどの各車両には多数の監視カメラが設置されており、スリ被害の申告があれば、すぐに警察が不審な動きを調べ、顔認識システムなどを総動員して不審者の足どりを追う。

 

上海市政府の発表によると、19110月の市内のスリ被害の発生(通報)数は、前年同期に比べて62.6%も減少した。一方、容疑者の検挙率は同31.5%ポイント向上したという。

 

同市の地下鉄など公共交通機関は1日延べ1100万人を運ぶが、1910月下旬からは連続10日間、スリ被害通報ゼロの新記録を樹立したと同市警察は得意げに発表している。

 

 住宅などへの侵入盗も同じく19110月の発生件数が前年同期比58.8%の大幅減。侵入盗の検挙率は66.5%に達する。統計手法は必ずしも同じではないが、日本国内の窃盗犯の検挙率31.2%(平成30年警察白書)と比較しても高い水準になっている。

 

こうした手法にはさまざまな意見があるだろう。しかし中国のメディアは「“中国式安全感”は世界一」と誇らしげに語る。日本でも一歩踏み込んだ議論が必要だ。

 .

田中 信彦 :ジャーナリスト






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最終更新日  2022.07.06 14:07:20
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