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2020.06.23
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カテゴリ:映画

映画紹介「彼らは、生きていた」 戦争を考える

            2020-6-12    (はんぺん)


先日(6/11)、ムービックス八尾で、親の介護の合間、時間を作って、映画「彼らは、生きていた」を観てきた・・・・・

予告編   http://kareraha.com/


第一次大戦当時、撮影された記録フイルムを着色も加えての再編集のドキュメンタリー映画だが・・・予想していたとはいえ、とても見ごたえのある映画だった。本当は、戦争を美化しがちな若者たちに、ぜひ見てほしいのだが・・・コロナ禍のためもあって、あの広いスペースに、観客は10名ぐらいだったのではないだろうか?しかも、中高年ばかりで・・・  

 

戦争の実相を知らずに(というか、知らされずに)多くの若者たちが、(カッコイイ・・・)と扇動・洗脳されて、ドイツでも、英国でも、フランスでも、戦争に志願していっった。・・・クリスマスまでに、戦争は終わるだろう・・・と、何の根拠もなく、噂しあって・・・

 

実際は、1914年から1918年まで、地獄の塹壕戦は続いたのだ。塹壕戦の凄惨さは、これでもか・・・というぐらい映像で知ることになる。 同じことが、世界中で、繰り返された。日本では、国民総動員体制が敷かれ、赤紙を拒否することは(非国民)として、許されなかった・・・。

 

注意したいのは・・・この映画を観て(戦争反対)を叫ぶのは簡単だが、ことは、そう単純ではない。2次大戦でのソ連赤軍による(祖国防衛戦争)の内実は、実に悲惨なもの(=非人道的、殺戮的)であった・・・ということは、今や、よく知られている。(正義の戦争)であろうと(正義で無い戦争)であろうと、戦争そのものは、常に非人道的で、悲惨、凄惨に尽きるのは間違いない。

 

にも拘わらず、戦争では、(いろんな大義)をつけられて、正当化され、総力戦に組み込まれてしまう・・・。そういう認識を踏まえた上で、(奴隷の平和)を拒否する(人間的?)な権利を守るために、(非人間的な)戦争止むなし・・・というサッチャーの考え方がある。

 

(参考)未曽有の国難を決断力と強い意志によって乗り越えたのが「鉄の女」と称されたマーガレット・サッチャーである。

https://plaza.rakuten.co.jp/hannpenn/diary/20171126/

 

サチャー首相は・・・「確かに戦争は悪です。しかし、その戦争によってもっと巨大な悪をストップせねばならぬこともあります。もし連合国がヒットラーをストップしなかったら今頃世界はどうなっていましたか」

 

「平和は貴いものです。しかし、自由はもっと貴いのです。独裁の中での平和よりも混乱の中での自由の方がはるかに人間的であると私は思います。

 

その自由のシステムが存亡の危機にあるとき、自由を愛し、自由の恩恵に浴している人間は立ち上がらねばなりません」

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

(非人間的な)戦争を否定するため(=無くすため)に、(非人間的な)戦争を対置するという自己矛盾ともいえる論理を どう考えるか? それを積極的に肯定する論理が必要と考える。

 

それにしても、よくに言われるように、第1次大戦で、戦争の総力戦化は、格段に進められた。戦車、毒ガス、飛行機などが、投入されて、戦争の景色は一変する。

 

開戦当初は、それまでの戦争の延長で、(馬)が重要な役割(騎兵)を期待され、また運搬手段として、動員された。

また、銃剣突撃一本やり・・・の、白兵戦が主流だと思われていたが、戦争の長期化で、驚くべき変化を強いられた。

 

そもそも、それらは、あの日露戦争(19041905)の景色でもあったと思う。(日本陸軍は、203高地戦での銃剣突撃で、莫大な戦死者をだしながらも、勝利に酔いしれて、戦術的に学ぶことは無かった) 

 

この第1次世界大戦で、英国では、なんと100万人が、亡くなったという。

 

あらためて、戦争に至るシステム、戦争に動員される国民、知らされなかった(隠された!)戦争の実相を、この映画で、確認してほしい・・・

(しんどい)映画ですが・・・見る価値は、絶対ある・・・・ (はんぺん)

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最終更新日  2020.07.10 12:37:00
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