カテゴリ:国際政治
関与政策・・・・長年のアメリカの、いや欧米の大失策だった。香港における(一国二制度)問題でも、全体主義に対する認識の甘さが、露呈されたのは、つい最近の事だが、この関与政策は、ニクソン大統領の米中対話、米中国交樹立の後の長きにわたり、全体主義の成長に(貢献)してきたのだ。 先日の引用を、ここでも再び繰り返すことになる。 「確かに戦争は悪です。しかし、その戦争によってもっと巨大な悪をストップせねばならぬこともあります。もし連合国がヒットラーをストップしなかったら今頃世界はどうなっていましたか」(サッチャー元英国首相) ヒットラーは、ファシズム(全体主義)のリーダーだったが、スターリンも、毛沢東も、共産主義(全体主義)のリーダーであり、罪も無い多くの民衆が、逮捕・拷問のあと、収容所などで大量処刑されている。 習近平は、毛沢東に憧れ、これまで(毛沢東を超える独裁者)を目指してきたが、今や14億の中国のリーダー(皇帝)として君臨するに至り、「自由・民主主義・人権」を脅かしている・・・まさに、現代のヒットラーだと思うわけだ。 しばしば、自分の死んだ後の日本、世界のことを考える。世界は、この暴虐をほしいままにする(全体主義)を制御しうるのだろうか? と。 今回のコロナ禍での、各国対応を見れば、(悲しい現実)を想像するしかない! 非常時に、独裁政治のもと、国民の自由・民主主義・人権を果敢なく(=容赦なくと読め)制限できる中国の真似は、民主主義国では、できないだろう・・・と。 注目したいのは、世に(リベラル派)と呼ばれる多くのグループが、この「関与政策」の信奉者であるということだ。日本では、「平和憲法守れ」「自衛隊反対」「沖縄基地撤去」を叫ぶ人々のことだ。(自分も昔は、同じ過ちの中にいた。) 彼らは、(相手=中国や北朝鮮を刺激するな)(とにかく話し合いで解決を!)と繰り返すばかりで、何の策も無かった・・・ということだ。 そして、侵略的な全体主義者たちが、最も喜ぶ(日本の非武装)を声高に主張する。これで、日本の、ひいては世界の人々の(命と暮らし=平和)を守れるのか???? もちろん、まともな(話し合い)など、できるハズもない。国際間の(話し合い)というのは、当事国間の力関係を背景にしてのみ設定されるものであり、(善意の話し合い)などは、空想的平和主義者たちの絵空事にすぎないからだ。 机上の平和妄想に浸りきり、現実を見ない・・・見ようとはしない彼らの犯罪性は、あまりにも悪質だ。都合の悪い事柄には、見て見ないふりをする(ずるがしこさ)が、彼らの本領なのだろうと、つくづく思うのだが・・・違うだろうか? コロナ禍を境にして、世界は変わる、もう以前の世界には、戻れないだろう・・・と想像してきた。考えることすら、恐ろしい時代の、(終わりの始まり)だ。 皆さんは、どう思われるか? (はんぺん) ―――――――――――――――――――――――――――― なぜ米国は対中政策を大転換したか。 指針書いた当人語る 2021年4月28日 朝日新聞デジタル ナディア・シャドロウ元米国家安全保障問題担当大統領次席補佐官(戦略担当)に聞く(聞き手・園田耕司)
バイデン米政権は、中国を「唯一の競争相手」と位置づけ、強硬姿勢をとる。そもそも、中国を「競争国」と規定したのは、トランプ政権の外交安全保障の指針「国家安全保障戦略」(NSS)だった。その主要執筆者、ナディア・シャドロウ元国家安全保障問題担当大統領次席補佐官(戦略担当)が朝日新聞記者のオンライン取材に応じ、なぜ米国は中国への関与政策から競争政策へと転換を図る必要があったのかを語った。 ――トランプ政権は2017年12月にNSSを策定し、中国を「競争国」と規定した。一方、バイデン政権のNSS(暫定版)でも、中国を「唯一の競争相手」と規定し、対中強硬姿勢を継承した。 「バイデン政権にトランプ政権の対中政策の継続性を見るのは興味深いことです。バイデン政権のNSSでも中国を『戦略的競争相手』と言及するなど、多くの共通点があります」 「一方、バイデン政権のNSSでは(トランプ政権の掲げた)強い軍隊を重視する『力による平和』が取り除かれたり、国際機関との協力を重視したりするなどの違いもあります」 中国は「競争国」 ――17年のNSS執筆当時、なぜ中国を「競争国」と規定する必要があると考えたのか。 「この問題はそれよりもずっと以前から指摘されてきました。ブッシュ政権(子)当時の05年にはゼーリック国務副長官(のちに世界銀行総裁)が『責任あるステークホルダー(利害関係者)』という演説を行い、中国の不公平な貿易慣習や米企業への貿易障壁などの問題について懸念を表明したのです」 「オバマ政権でもこの懸念は続き、オバマ大統領は12年の一般教書演説で同様の懸念を表明しています。同政権内の『対中タカ派』と呼ばれるボブ・ワーク国防副長官やアシュトン・カーター国防長官も強い懸念を表明しました。オバマ政権の最後には、中国が安全保障関連の米企業に投資を開始し、重要な知的財産にアクセスしようとしているという報告書も書かれています」 「オバマ政権内で高まっていたこうした中国への懸念をめぐり、直接的に対処しようと決めたのがトランプ大統領です。ご存じの通り、トランプ氏のスタイルは直接的です。彼はシステムを大刷新したり、破壊したりすることを懸念していませんでした。トランプ氏はこれまでと異なる手法をとらなければいけないというリスクを喜んで引き受けました。そうしなければ、米国の不利な立場を転換することは不可能になっていたと思います」 関与政策は「失敗」 ――NSS(17年版)では、「(米国は)競争国に対し関与政策をとり、国際機関やグローバルな通商体制へと組み入れれば、彼らは善良な国家となり、信頼できる友好国になるという想定のもとで政策が取られてきた」と記し、「ほとんどの部分で、この前提は誤っていたことが判明した」と結論づけている。歴代米政権の中国への関与政策は失敗だったか? 「残念ながら、関与政策はそのほとんどの部分で失敗しました。関与政策では、米中両国が共通の利益と目的をもって協力し合えば、米国の政治・経済システムと中国の政治・経済システムは、一つに収斂(しゅうれん)すると考えられてきました」 「しかし、中国は米国とは全く異なる野心をもち、二つのシステムは収斂しませんでした。米中両国は異なる政治哲学、経済哲学、世界観をもっていたのです。ゆえに、NSS(17年版)では、もし我々が関与政策は機能するというそぶりを続ければ、我々は米国の利益をもはや守ることはできなくなると考えたのです」 ものづくり力も維持を ――あなたは新型コロナ感染が拡大して米国内でマスクや防護服不足が指摘されると、米ソ冷戦時代を例に挙げ、米国は中国には頼らず、自国内で必需品を生産できる態勢を整えるべきだと提唱しました。 「米国はこれまで自分たちの製造能力を他国に輸出することで、それが他国に技術革新を与えるということを深く考えてきませんでした。しかし、新型コロナ問題が起きた結果、いくつかの分野の供給網(サプライチェーン)は(国家によって)きちんとコントロールするべきだと議論され始めたのです。米国は、経済・国家安全保障を確実なものにするために必要な製造能力を維持していく必要があると思います」 「その一つの分野が半導体でしょう。米国経済のすべてが半導体に依存しています。コーヒーマシンからジェット機まで、米軍全体も米軍兵士たちも半導体に依存しています。このため、米国が半導体の重要部分を製造する能力を保持することは極めて重要なのです。半導体をめぐっては日韓両国、台湾との間で協議もあるでしょう。一度製造能力を失えば、再びその能力を取り戻すのはとても難しいことなのです」 ――米中対立の近未来をどう予測するか? 「中国との競争政策は危険を伴うものですが、米国としては現在の経済的に不利な立場を変え、同盟国・友好国と一緒に自由で開かれた社会を維持する能力を持ち続けるという以外の選択をすることはできません。中国は攻撃的な路線を取っていますが、それは中国自身が国際法を順守して解決しなければいけない問題です。米国が問題なのではありません」(聞き手・園田耕司) ◇ 〈関与政策と競争政策〉 歴代米政権は「関与政策」をとり、米国主導の国際経済体制に中国が参加することを歓迎。中国の経済の自由化が進めば、政治の民主化も進み、いずれ欧米諸国のように自由や人権などの価値を尊重する民主主義国家へと生まれ変わると期待した。一方、トランプ政権は中国を既存の国際秩序を転覆させることを狙う「修正主義勢力」と位置づけ、米国のもつ政治・経済・軍事的な国力をすべて結集し、中国との競争に勝つ必要があると提唱し、「競争政策」をとった。バイデン政権もトランプ政権に引き続き、中国を「唯一の競争相手」と定義して、米中対立を「民主主義VS.専制主義」と位置づけ、同盟国と連携して中国に対抗している。 ――――――――――――――――――――――――――――――― ナディア・シャドロウ トランプ米政権の国家安全保障問題担当大統領次席補佐官(戦略担当)。中国を「競争国」と認定した外交安全保障の指針「国家安全保障戦略」(NSS)の主要執筆者。現在は米ハドソン研究所上級研究員。国家安全保障問題の戦略家であり、主な著書は「War and the Art of Governance(戦争と統治術)」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.05.06 01:01:42
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