カテゴリ:社会主義
「中小諸国が大国の横暴に従属せざるを得ないような国際秩序を黙認してはならない」(東野篤子氏) 中国や北朝鮮は見ているぞ!!! 2023-3-6 はんぺん プーチンの軍事力による現状変更(戦争)の試みを、中国や北朝鮮の独裁者たちは、じっと、かたずを飲んで見ているに違いない。
プーチンの全体主義が仮に勝利するようなことがあれば、これらの全体主義国家は、今後、国際ルール(国連憲章やジュネーブ協定など)を無視して、力による現状変更を強行することになるだろう・・・・
特に、中国:習近平は、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどの主権と領土の一体性などを考慮することなく、露骨な覇権主義の下、南シナ海の海洋進出(軍事基地化)を進めてきた。
そして、その延長上で、台湾進攻、尖閣侵攻、沖縄や日本奪取の策動を加速させるに違いない・・・・ 能天気な護憲派は、いつまでも事態の本質をつかめないでいる・・・・
「だがそれが、21世紀に起きた軍事侵攻の帰結であってはならない。軍事侵攻で得をする国があれば、武力による現状変更のハードルは世界中で下がる。中小諸国が大国の横暴に従属せざるを得ないような国際秩序を黙認してはならない。」(本文:・東野篤子氏) ロシア軍による蛮行を見て、「『ロシア支配下の平和はありえない』と骨身に染み、徹底抗戦の姿勢が固まったのだろう。」(同)
・・・というのは、十分に納得できる・・・
ただ、「中国はロシアの構図と相似形だ。・・・・・力以外の対処方法と同時に、力を含めた選択肢を用意しながら前に進まないと危ない。」(本文:遠藤乾氏)には、激しく同意するが・・・・ 「出口はなければ困る。簡単ではないが、一つは2022年2月24日の前の状態に戻して停戦すること。」 「ひとまず『休戦』にいきつくためだ。その先は、徹底した国際的な監視のもとで住民投票を行う。」(本文:遠藤乾氏) ・・・・には、呆れてしまった!!!
まさに想像力の欠いた評論家の戯言(たわ言)に思えるからだ。昨年の2/24以前の状態とは、どういう事だろうか? プーチンのクリミア侵略(占領)を認めることになり、ウクライナ国民にとっては(停戦)ではなく(敗戦)そのものになることが、この能天気な評論家には理解できないらしい・・・・ これって、プーチンに寄り添うリベラルたちの主張そのものではないか???
まして「徹底した国際的な監視のもとで住民投票」ってなんだよう・・・・いくら、オメデタイ人間でも、ロシアが、受け入れることができるとは思えない・・・・・
ロシアが実行してきた住民投票は、銃で武装したロシア兵付きの住民投票だったのを、忘れたのか? 初めに結論ありきの形式的住民投票で、住民の意思が反映されると思うのは、オメデタイ人間の証明になる・・・・
そもそも国連に、そんな実力が無いことが、今回の侵略戦争で証明されてしまったのではないか?? 何を国連に期待して「徹底した国際的な監視のもとで住民投票」などを持ち出したのだろう?? 評論家は、これだから、困る!!!!
皆さんは、どう思われるか? はんぺん ―――――――――――――――――――――――― 侵攻の行方、専門家はどう見るウクライナ危機、 東野篤子氏 2023年2月25日 朝日新聞 ロシアがウクライナに侵攻してから24日で1年になった。ロシアが攻撃をやめる気配はなく、ウクライナも徹底抗戦の構えを崩していない。いまの状況をどう分析し、今後の行方をどう見るのか。専門家の見方を「ウクライナ危機の深層」シリーズで紹介する。
ウクライナ、徹底抗戦は必至 筑波大・東野篤子教授(国際関係論)
今回の戦争で、ウクライナとロシアにとっての出口はまったく異なる。 ウクライナも戦闘を続けたいわけではないが、ロシア軍を領土から完全に追い出さない限り、いつかまた領土を奪われる恐れがあるから戦い続けている。
一方のロシアは、ウクライナ全土を支配する野望も捨てていないだろう。「併合」を宣言したウクライナ南部・東部の4州は、実際の支配下にない地域も含めて「法的にロシア領」との主張を覆さないだろう。
この二つの立場の間に折り合う点はない。ウクライナが力尽き、欧米諸国の支援が途絶えれば、自分たちの意思と関係なく外から出口を提示されるかもしれない。また、「降伏」という形で一部の占領を受け入れて終わるかもしれない。
だがそれが、21世紀に起きた軍事侵攻の帰結であってはならない。軍事侵攻で得をする国があれば、武力による現状変更のハードルは世界中で下がる。中小諸国が大国の横暴に従属せざるを得ないような国際秩序を黙認してはならない。
ウクライナも、昨年3月には停戦協議に臨んだ。だがその後、首都キーウ近郊ブチャなどでロシア軍の残虐な犯罪行為が明らかになったり、南東部マリウポリの人道回廊がなかなか機能せず多くの民間人が亡くなったりした。「ロシア支配下の平和はありえない」と骨身に染み、徹底抗戦の姿勢が固まったのだろう。
ウクライナに知人も多いが、みないつ死ぬか分からない恐怖を抱え、どこかで無理をしている。だが、ロシアに対する怒りが厭戦(えんせん)感情を上回り、「領土を譲って終わろう」と言う人はいない。世論調査でも徹底抗戦の支持率がとても高い。
同時に、こんなに強い人たちでもどこかで折れてしまわないかと心配する。ウクライナに有利な状況で終わる保証はない一方、これだけ犠牲を払わされたうえで不本意な終わり方をすれば、今の比ではない復讐(ふくしゅう)心が生まれてしまうだろう。
それが避けられないからこそ、ウクライナが完全に納得するまで戦う以外の道はないということを、改めて感じている。(聞き手・多鹿ちなみ)
「止血」への道、なんとしても 東大大学院・遠藤乾教授(国際政治)
この1世紀、戦争違法化や戦争犯罪の抑制など、様々な規範や制度が蓄積された中で、ロシアのプーチン大統領は力しか信じないシニシズム(冷笑主義)の世界にいる。
相手が力しか信じていないと、対処するにも力でやるしかないということになりがちで、こうした「力の信仰」は伝染する。ウクライナ侵攻後、多くの国で軍拡基調となった。フィンランドやスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)加盟に動いたのも同じ作用によるものだ。
日本でも露骨な力の行使を目の当たりにし、世論が変わった。隣国が現状変更への意思を持っており、その力を持ち、独裁が強まっている。この三つが重なると武力の行使はありうるという意味で、中国はロシアの構図と相似形だ。当面台湾侵攻ができるとは到底思えないが、力以外の対処方法と同時に、力を含めた選択肢を用意しながら前に進まないと危ない。そういう感覚が、日本でも広がっているのだろう。
この戦争の終結は、当面は難しい。ウクライナの失地回復への決意は固い。ロシアは併合した4州を憲法上割譲しえず、プーチン氏は敗北を受けいれない。妥協は至難だ。
ただ、出口はなければ困る。簡単ではないが、一つは2022年2月24日の前の状態に戻して停戦すること。(14年に一方的に併合された)クリミア半島や、ドンバスの一部には時間をかける。
決して14年以降の侵略を許すわけでもないし、諦めるわけでもない。ひとまず「休戦」にいきつくためだ。その先は、徹底した国際的な監視のもとで住民投票を行う。そういう出口も軽んじられるべき提案ではない。毎日数百人単位で互いの犠牲が積み上がっていることを考えると、どこかの段階で止血が必要だ。
政治は共存を探る「可能性のアート」。出口はないと言い切るのは政治的な営為の放棄で、愚かだ。困難でも想像力を働かせ、時間を味方につけたり、仲介を考えたりと、色んな手を模索するべきだ。(聞き手・真田嶺) ―――――――――――――――――――――――― 「ぶっ壊しに行くぞ」 突然始まった“戦争” アルコール依存、いじめも…離脱希望者は丸腰で「最前線」へ【元ロシア兵証言】 2023-3-4 (FNNパリ支局 森元愛) FNNプライムオンライン 彼は、ウクライナの首都・キーウ近郊の街などに侵攻していたロシア軍の元兵士。プーチン大統領が「英雄」と称え、名誉称号を贈った部隊に所属していた。
どんな殺気だった男が来るのだろうかと緊張していたが、声を掛けてきたのはごく普通の青年だった。笑顔が印象的なニキータさんだったが、いざインタビューを始めると、彼の口から発せられる言葉は、彼自身が経験してきた過酷な日々だった。
徴兵逃れられず侵攻8カ月前に入隊
ニキータさんは、2021年6月10日に契約軍人として入隊した。ロシアとウクライナの軍事的緊張が強まる、約半年前のことだった。
元ロシア兵・ニキータさん(27): 契約兵士だと、勉強も出来るし、兼業してアパートを借りることもできました。戦争が始まる前は、入隊は(貧困から脱出できる)社会階層のエレベーターだったんです。
――入隊した時には、ウクライナ侵攻のことは予想していましたか?
ニキータさん: 当時は戦争についての噂もヒントもありませんでした。
ロシアでは、徴兵制度がとられていて、18歳から27歳までの男性は1年間の兵役義務が課せられている。実際は学業などを理由に免れる人が多いそうだが、ニキータさんはそれが出来なかった。結局、26歳になり、徴兵よりも待遇のいい契約軍人を選んだという。
「ぶっ壊しに行くぞ」 突然始まった“本当の戦争”
当初は書類作成といった事務仕事や通信の任務についていたが、2022年2月24日、事態は一変した。
ニキータさん: 24日の朝5時に起こされて「さあ、ぶっ壊しに行くぞ、準備しろ」と言われました。僕は拒否したのですが、「殺す」と脅されたんです。襟をつかまれて、戦闘車に入れられました。
ベラルーシで訓練をしていたはずのニキータさんは、まさか「特別軍事作戦」が本当の戦争になるとは思ってもおらず、当初は命令に背こうとした。
報酬はロシアの平均月収の約7倍が約束されていたが、そんなことはどうでもよかったという。
――他の兵士で、ニキータさんのように拒否した人はいましたか?
ニキータさん: いいえ、いませんでした。僕は泣いていました。戦闘に参加したくないし、プーチン宮殿のために死にたくありませんでした。
ベラルーシとウクライナの国境を越える車中は、とにかく静かだったそうだ。
ニキータさん: 車は全て荷物で埋まっていて、僕はその隙間にいました。車の中で唯一聞こえていたのは、車が動いている音だけでした。緊張していました。ウクライナ兵士は自分の国を守るからヒーローだけど、ロシア軍はジェノサイド(集団虐殺)を犯す側でした。唯一自分を救ったのは、「生き残りたい」という気持ちでした。
ニキータさんが所属していたのは歩兵部隊で、見た限りでは100~200人の兵士がいたという。
――部隊に与えられた任務は何ですか?キーウを攻め込むことですか?
ニキータさん: 銃を持って攻撃する、一番近くまで行く部隊です。でも、部隊の役割は、正直知りません。それに興味もありませんでした。「早く逃げたい、その場に残りたくない」としか思っていませんでした。
僕自身は、最初に(侵攻を)拒否したことで裏切り者として扱われていました。罰として後方支援の(料理などの)仕事に回され、重要な会話の時には、みんな僕から遠ざかっていました。情報を漏らすことを恐れていたのでしょう。
上層部の作戦のままに前線へ
部隊は、ベラルーシからウクライナへと国境を越え、南へと侵攻した。 ニキータさんはキーウから約50キロ西に離れたマカリウ周辺の村で、1カ月ほど警戒にあたっていた。
ニキータさん: 人が住んでいない家で寝泊まりしていました。この村では、塹壕(ざんごう)にいたのですが、近くに砲撃がありました。体が震えるほど衝撃が強かったです。砲撃は横に外れましたが、とても怖かったです。
結局ロシア軍は、ウクライナ軍や市民の激しい抵抗に遭い、首都攻略を目指した作戦は軌道修正を迫られた。3月末、ニキータさんの部隊はベラルーシに一時撤退した。
ニキータさん: この時はすでに、戦争から逃げる方法を探していました。いったんネットに接続できたので、携帯でロシアの知人に「絶対こっちに来ないで」と送りました。
ニキータさんは、ケガを理由に離脱を願ったが、それは許されなかった。4月に入り、ロシア軍は主戦場をウクライナ東部と南部に移し、占領地域を広げていく作戦に切り替えた。ニキータさんの部隊も、東部ハルキウ州の都市イジューム近辺に再配置された。
ニキータさんは、ウクライナで撮影した動画を見せてくれた。そこには、軍用車両でイジューム周辺を走っている様子が残されていた。
後ろには、ロシア軍のマーク「V」と書かれた軍用車両が続く。車両の荷台には、銃を持った兵士や、同じくスマートフォンで撮影している兵士も映っていた。 道路脇には、市民とみられる人たちが歩いている様子がみてとれる。
他国の領土を、ただトラックに乗せられ、目的地へと運ばれている兵士たちは、一体何を考えていたのだろうか。
兵士の多くがアルコール依存症…士気が高い兵士は「黒い袋」で帰国
侵攻当初から士気が低かったニキータさんは、部隊では“ストレスのはけ口”として扱われていたそうだ。同僚兵士のいじめの対象となり、銃を片手に「撃つぞ」と言われることが日常だったという。
ニキータさん: 落ち込んで、精神的に壊れていました。ストレスで過食になってしまうと、僕のせいで食糧が減っていると指摘され、「歯を抜いてやる」とも言われました。手榴弾を投げてやりたかったですが、僕にその勇気はありませんでした。 降伏しようと考えましたが、どうすればいいのか分かりませんでした。(最近は)ウクライナの一般住宅に入って「私をかくまって下さい」と言って(降伏する)兵士がいるようです。でも、その当時、僕はそういう方法を知らなかったのです。
――過酷な状況でしたが、何を支えに過ごしていましたか?
ニキータさん: 唯一の支えは4歳の娘でした。もう一度、彼女に会いたかったです。
――他の兵士はどのような精神状態だったのでしょうか?
ニキータさん: 全体的には、アルコール依存症状態の兵士が多かったです。頭が狂って、酒ばかりを飲んでいました。(ある時)精神的な理由で、戦うことが出来ないという兵士がいました。 すると、司令官が「家に帰らせてやれ」と言って車に乗せたのです。でも、それは嘘で、本当は最前線に送られていました。銃も弾薬もなしで。司令官は、自国民(ロシア兵)を死なせていました。
部隊では、2~3人に1人は常に泥酔状態だったという。“軍の駒”になるしかないという状況で、兵士は酒に逃げるしかなかったのだろうか。いずれにせよ、泥酔状態で銃を構えることなど決して許されてはならない。
一方で、士気の高い兵士は「戦死」していた。
ニキータさん: 最初から戦闘したいという兵士は、ロシアに黒い袋で(遺体として)戻って行きました。 ――――――――――――――――――――――――――― “ブチャの虐殺者”民間人殺害の裏側は…パスポート燃やし亡命「この恥は何世紀も続く」【元ロシア兵証言】 2023年3月4日 ロシア軍の元兵士、ニキータ・チブリンさん(27)は、プーチン大統領が「英雄」と称え、名誉称号を贈った部隊に所属していた。ニキータさんによると、部隊を率いていた司令官は、離脱を望む兵士を丸腰で最前線に送り出していた。
「ブチャの虐殺者」オムルベコフ大佐 軍の関与は…
ニキータさんの話に出てきた司令官は、オムルベコフ大佐、別名「ブチャの虐殺者」だ。彼が率いる部隊の行く先々では、撤退後に多くの民間人の遺体が見つかっている。 「ブチャの虐殺者」オムルベコフ大佐 離脱兵士を丸腰で前線に送り出していたという
ウクライナ国家警察などによると、ブチャをはじめ、キーウ地域でロシア軍に殺害された民間人は1369人にものぼる。
EU(ヨーロッパ連合)はオムルベコフ大佐に制裁を科しているが、ロシア国内では全く逆の扱いだ。プーチン大統領はオムルベコフ大佐の部隊を「英雄」と称え、2022年4月に名誉称号を贈っている。
ブチャでは多くの民間人の遺体が見つかったにも関わらず、ロシアは軍の関与を否定している。現場では何が起きていたのか、ニキータさんに聞いた。
――民間人殺害は、ロシア軍が行ったことでしょうか?
元ロシア兵・ニキータさん(27): 僕は後方にいたので、自分の目では見ていません。ただ、殴る行為は一度見たことがあります。イジュームの森で、ウクライナ兵2人が捕まえられました。1人はすぐに降伏したのですが、もう1人は「ウクライナに栄光あれ」と叫んだので、木に縛られて殴られていました。僕はその場から離されたのですが、殴られる音は聞こえていました。後でその場所に戻った時には、もう誰もいませんでした。
このウクライナ兵が殺害されたのかどうかは、分からない。ただ、イジュームでは、ロシア軍の撤退後、集団墓地から436人の遺体(うち軍人は21人)が見つかっている。首にロープをかけられ、手足が折れるなど、遺体には拷問を受けたとみられる跡も確認されている。
イジュームの集団墓地の遺体には拷問とみられる跡
――この“戦争”の特徴は、一般市民がスマホひとつで情報を拡散できることです。スマホを持った市民と遭遇した場合の行動について、どのような命令がありましたか?
ニキータさん: 聞いた情報ですが、スマホを持った人たちがいた場合、まずそれを取り上げて、上官のもとに連れて行くという命令がありました。彼らは、テロリストとして捕虜になっていました。
――銃で撃たれ殺害された市民もいますが、連行の命令に背いて殺害した兵士がいるかもしれないということでしょうか?
ニキータさん: 僕は知りませんが、撃っていた人もいたんじゃないかな。軍人には教育を受けていないワイルドな人たちがたくさんいるので。僕が思うには、スパイであることを疑って殺していたのか、アルコール依存症の状態で殺していたのかもしれません。
ニキータさん「スパイを疑って殺したのかも」
ニキータさんの証言からは、民間人殺害に軍の関与がどこまであったのかは分からなかった。ただ、部隊の位置情報を拡散されることを恐れて殺害に走った兵士はいるかもしれないとのことだった。
レイプ、略奪に手を染める兵士も
オムルベコフ大佐が率いる部隊で指摘されているのは、民間人殺害だけではない。ニキータさんは、同僚兵士が貴金属などの略奪やレイプに手を染めていたと明かす。
ニキータさん: ロシアのメディアは「ロシア兵はそういうことは絶対しません」と言っていますが、僕はその場にいてこの目で見ました。フェンスを乗り越えて、ウクライナ人男性の家に入る2人の兵士がいました。 彼らは酔っ払っている状態で、男性に「タバコをくれ、ウォッカをくれ」と頼み始めました。男性の履いている靴を見て「これをくれ」とまで言っていました。外国の領土でこんな行動をしているとは、僕にとっては衝撃的でした。
「自分の正義とは反する」と感じたニキータさんは、銃を手に2人をその場から追い払ったという。ただ、全てを止められるわけではない。
ニキータさん: ロシア兵士の多くが略奪していました。宝石や車を奪って、ベラルーシで売っている兵士もいました。キーウ近郊から撤退する時に、盗んだ車で出発していたのです。
ニキータさん「戦争犯罪はこの目で見た」
――他に、ロシア兵が犯した戦争犯罪はありますか?
ニキータさん: あるとき、4人の兵士が走って逃げているところを見ました。その次の日、彼らが母親と娘をレイプしたと知りました。娘は18歳だったそうです。上官は彼らを罰さず、殴って解雇しただけだったのです。(略奪やレイプをした兵士は)自分が権力を持っていると感じていたのではないでしょうか。兵器を持っているから、何でも出来ると思ったのでしょう。
スペインに亡命…家族は「裏切り者、ファシスト」と非難
ニキータさんは、自分が侵略する立場であることに耐えられず、2022年6月16日、戦線を離れるトラックに飛び乗り、逃走した。
4歳の娘との再会を望んだが、それは叶わなかったという。“戦争”を批判する立場にあったためだ。
ニキータさん: 今のロシアでは、スターリン時代のように密告が相次いでいて、戦争を批判したり、「特別軍事作戦」を“戦争”と呼んだりすると投獄されることもあります。投獄されたら刑務所から戦争に送られるかもしれない。悪循環です。
戦地にまた投入されるかもしれないという恐怖感が常につきまとっていたニキータさん。生きるために残された選択肢はただひとつ、「亡命」だった。
ロシアのパスポートを燃やし祖国を捨てた(ニキータさん撮影)
2022年11月、6カ国を経由してスペインにたどり着き、ロシアのパスポートに自ら火をつけた。家族には「裏切り者、ファシスト」と非難されたという。
軍隊手帳には手書きで「ウクライナに栄光あれ」 亡命から3カ月が経ち、ニキータさんはようやく緊張がほぐれてきた。笑顔で見せてくれた軍隊手帳には、「ウクライナに栄光あれ、プーチンの馬鹿野郎」と手書きの文字で書かれていた。
ニキータさん: 僕は戦争に参加したとは思っていません。ある意味、ロシア軍の人質になっていたのです。罪を償うには、いくら時間があっても足りません。この恥は何世紀も続きます。ほとんどのロシア人は黙り続けていますが、それこそが今起きているテロを支援することだと思います。
今後は、戦地で見聞きしたことを積極的に発信し、国際刑事裁判所で証言することも考えているそうだ。
「ロシアはファシスト!テロ国家!」とシュプレヒコール (ニキータさん撮影) 2023年2月24日、ニキータさんは、ウクライナ支援を訴えるデモに参加した。彼は、この“戦争”が終わるのは、ウクライナ軍が勝つ時だと信じている。 (FNNパリ支局 森元愛) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.03.06 23:19:03
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