はんぱ者の生活

俺の仕事は車の部品を中近東に輸出する仕事をする会社のアルバイトである。
なにせ住所不定無職なので社員になれないのである。
最初は会社じゃなかったけど、アルバイトを始めて一年たたないうちに有限会社にするとボスが言い出して、俺が走りまわって立ち上げたのである。
だから今はかっこ良い言い方をすれば外資系の会社である。
といっても、社長と事務員と俺の三人しかいない。
ボスは毎日あちこちで車の部品を買いまわっている。
みんなも見たことあるかもしれないが汚い四トントラックに車のエンジンをたくさん積んだり無造作にドアなどを積んでいるのがそうである。
最近は地方の車オークション会場に出向いて車やトラックを買ってくる。
で、俺の仕事は買ってきた部品の仕分けや、余分なものを取り除いたり、トラックを輸出用のコンテナに収まるようにサイズを測って切ったりしている。
写真撮りや書類製作は事務員さんと協力しながらやっている。
土曜休みは無い。
八時から六時までが仕事の時間。ほとんど六時に終われる事は無いけど。
仕事場の周りは似たような仕事をしている人たちがたくさん居る。
ほとんどがアフガニスタン人。
同時テロの時はさすがに肩身が狭かったらしい。
皆「ビンラディンはアフガニスタン人じゃない」と言い張る。
そうそう輸出先はUAE（アラブ首長国連合）のドバイである。
なんか凄く良い街らしいので一度行って見たいが、パスポートが取れない俺には無理な話だ。
早く日本人に戻りたい。