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はのこ

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2006.07.19
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カテゴリ:山歩き
二手に分かれた私たちは(私と娘)は頂上を目指します。
昨日は平日だったため、人の出もそれほど多くなかったけれど土曜日とあって、急に登山客が増えたようでした。山小屋のオープンが7月8月なので、この時期は休みの日ともなると、大渋滞が起こるようです。
明け方外を眺めたときもヘッドライトをつけた登山客の灯りが蛇行しながらこちらへと続いていました。御来光を目的に暗いうちから登る人たちで長い行列ができるというから、富士山とは不思議なところですね。

私たちは8合目を10時に出発し、快晴の中、前を歩く人の足を追いかけるように歩きました。
9合目、9合目5尺、そして頂上へと・・・その道のりはどんどん登りがきつくなっていくようでした。

でも合目ごとに20分休憩をとっては歩き出しました。
娘は体力があるのか、自分のペースで先を行きます。私もとにかく自分のペース。足元を一歩一歩確認しながら足を前に出すだけ。そこに集中しているので、ふと顔をあげたときに目標物にどれだけ近くなったかが分かります。
富士山に登って感じたのは、障害物がないため目標物までの距離を確認できること。どれだけ登ってきたかが確認できること。
そういうのがはっきりしていると、けっこう励みになったりするものです。

それにみんなが一様に苦しそうに頂上を目指しているので、なにか同志のような不思議な一体感があって、ひたすら頂上に向かっていた感じでした。

そしてついに、ついに頂上に到着。着いたね~~と娘と喜びあいましたが、私はいつも山の頂上に着いたときにほっとするものの、感動!!とかはないのですね。そこまでの行程のほうが好きなのかもしれません。
このときも、ほっとしてとりあえず、目に入った郵便局に向かい、昨日山小屋で書いた葉書をポストに出しました。これも目的の一つだったので、一安心。

娘はとにかく^^念願の焼き印を押してもらいたかったらしく、口元をほころばせながら頂上奥宮をくぐります。
今までは山小屋のお兄さんが椅子に腰掛け、火鉢で焼いた判をぎゅっと杖におしてくれていましたが、こちらでは神職?のかたが高いところで正座をし、仰々しく横たえた杖に朱印をかなづちでトン!と叩いて押してくれます。(焼き印・・・200円、朱印・・・300円也)

登頂の証の朱印も押され、ずらりと並んだ焼き印を眺めながら娘も満足げな様子でした。



この先、お鉢周りという火口巡りをしたり、3776m日本最高地点となる剣が峰に上がるコースもありましたが、私たちはもうこれで充分満足。

お腹が空いたので、食堂でおしるこを一杯注文し(カップおしるこ600円也)2人で分け合いながら、山小屋でもらったお弁当を食べてひとごこちつきました。

ちなみに・・・富士山の頂上では500mlのジュース類が500円、カップヌードルが800円、と上に上がるにつれて値段も上がります。
そこまで運び上げることを考えたら仕方がないのかもしれませんが。(ただ、荷運び用のブルトーザー専用の道がほかにあって、荷運びしているのを何度か見かけました。)

そして今度は登ってきた道を降りていきます。
帰りは登りと比べると楽だし、酸素がどんどん濃くなるので体的には楽なはずなんだけど、
私にとっては帰りのほうがきつく感じました。

行きは快晴の中、定められた時間もなく雄大な大地をとにかく前に進めば良かった。
このとき、体力的には充実していたし、夫も「クライマーズハイなのか、なんだか気持ちよくなってきた。」と言っていたけど、私が感じていた感覚もそれに近かったかもしれません。
その時に集中していて、感覚的に高揚している感じでした。

帰りはひたすら・・・というのには変わりはなかったけど、下で待っている人がいて、暗くなる前に着きたいと時間設定を設けてしまったので、酸欠状態から覚醒していく意識の中でわずかに焦りがあったのでしょうね。

そして体力的には徐々に疲れが出てきていて、足の痛みも感じ始めていました。
濃い霧が出始め、霧のため日中の明るさが薄らいでしまったので、ほんの少し追い立てられるような感じがしていたのかもしれません。

・・・9合目に着いたときに公衆電話から夫の携帯に電話を入れたら、(私の携帯は電池切れ・・・高地では電池の消耗が早いようです)一時間前につき、息子は下山するにつれ元気をとりもどし、最後は跳ねてたというのを聞いて安心しました。
電話口に出た息子の声は「元気溌剌!!」といつもの調子に戻っていました(^o^)
温泉に行って来てね~と声をかけ、電話を切りました。

帰りは特別、娘との体力の差を感じました。自分のペースを守って歩く娘はとにかく速い。
私は足裏や膝に負担がこないように、ストックを使ってゆっくりペースで歩くので、娘はときどき岩に腰掛けて私が来るのを待っている。
私は休まない方が疲れないので、「お待たせ~~~」と言いながら、娘の横を歩いていく。
下は砂状になっているほうが滑るように歩けるので楽で、ごつごつ段差のある場所は、けっこう気を使いました。

元祖七合目を過ぎると、高山植物群が目立つようになります。ごつごつが続く溶岩台地のあちこちに群生した緑は霧の中で、やけにその存在が目に入ります。
霧の中で生々しいほど緑で、生気を放っていて、ひっそりとしながらもあの存在感はなんなんでしょう。
私はあの光景を忘れることはないかもしれません。





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Last updated  2006.07.20 00:36:58
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