たちこめる霧の中をもくもくと下山・・・が新7合目あたりから霧が晴れてきたため、
視界が広々と明るくなり、心情的にも明るくゆとりさえでてきました。
視界の先には6合目の山小屋が見えるし、そこまでの道のりはなだらかで、そんなに遠くはなく牧歌的にさえ見えたからです。そしてその先はもう、5合目の駐車場です。
明るいうちに着けそうな見通しができると、気分的にもゆとりがでてきます。
右膝だけだった軽い痛みは左膝にもでてきていたけれど、目の前にあるのは下界まで続く景色。
山肌にはずっと高山植物の緑が点々と続いていて、時刻のせいかその色合いが少し柔らかいものになっていました。そしてその広~~い山肌を白い霧が時々ふぁ~~~っと登ってきます。
下に見える山小屋あたりから緑はしだいに濃くなっていって、下界は緑が絨毯のように広がっているし、そう、大パノラマなのです。
けれど、やはり疲れは出てきて、足の痛みもあり6合目の小屋までの距離は、最初の見通しよりもうんと長く感じられました。割と近くに見えたはずなのに歩いても歩いてもなかなかつかない。
途中から私とほとんど伴奏しているような若い4人組がいて、彼らは砂走りをしたり、軽快に跳ねるように降りていったり・・・とてもそんなふうに軽快には歩けない私は、ただひたすらゆっくりと降りていたのですが、彼らが意外と頻繁に休憩をとっていたので追いついたり、またぬかされたりしながら大体一緒に歩いていました。
そんな彼らも、最後のほうには走ることもなく疲れきった様子。
私がようやく6合目に到着し、座って待っていた娘に「はぁ~~、お疲れだったねぇ。」と言うと
その先にぐったり座っている彼らが目に入りました。
お互い、自然にお疲れさまぁという声が出て、なんだか共に笑っちゃうような感じだったのですよねぇ。ほんと、よく頑張ったよね、と。ふっと連帯感を感じたりして。
実際、あとから行程表で見ると、新七合目からこの6合目までの距離が一番長かったのです。
そしてあとは5合目までいくだけ。終わりが見えてきました。
ここからはどんどん霧が出てきて、急に薄暗くなってきたので、足が痛いのも気にせずに急ぎ足になります。・・・と、あっけなく駐車場が見えてきました。
「ああ、これで終わるんだ。」樹木がまわりに急に増え、その緑がまたまたどうしてそんなに美しいの?というほど、瑞々しく鮮明に見えました。
霧の中でその緑を思わず触って、松の葉の柔らかさを感じて富士登山を終えました。
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あってよかっ物(なくてはならない、と思った物)
・ ストック (足への負担をかなり軽減してくれます)
・ 登山靴 (底が厚く、足への負担を相当軽減してくれたはず。終えて、つま先あたりがけっこうぼろぼろになってました・・・・サンダルばきや、ヒモのないシューズを履いていた人たちがいて、大丈夫だったんだろうか、と心配になります)
・ 軍手
・ 帽子 (紫外線が相当強いので。 風にとばされないようなもの)
・ 防寒着 (夜、また上のほうに行くにつれ寒くなる)
・ 飲み物・食べ物 (水分・エネルギー補給に)
・ レインスーツ (天候が変わりやすいので。防寒着にもなります)
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富士山のトイレ事情・・・ 現在富士山のトイレはすべてバイオトイレになっているそうです。 おがくずと微生物の力で分解するトイレで、まったく匂いはありません。(一回、200円ほどかかる)2004年の集計では36トンのし尿を処理したそうです。