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2005年12月01日
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カテゴリ:日々雑感
 先日、川島隆太(すみません、忘失しました)さんだったでしょうか・・・その番組を見て、の感想です。

 認知症と呼ばれる一種の老人のボケ障害を長い間研究してこられた中で、奇跡のような出来事があったそうです。
 寝たきりで顔の表情もなかった方が、くぐもった声ながら会話に近いことができるようになり、ミミズののたくったような字ながらも息子さんに年賀状を書いた、というのです。

 103歳のあるおばあさんは、無表情で車椅子の生活に甘んじる日々・・・自分からは何もしようとしなかった人だったのにも関わらず、今では笑顔が出せるだけでなく、万一のためのサポートつきながら自分の足で歩くまでに回復したそうです。

 その秘密は、川島さん曰く「脳のラジオ体操」としての「単純計算と音読」でした。

 小学生の学力向上に効果ありとされてきている100マス計算は、わたしが小学校臨時教員をしていた25年前にすでにあったものですが、最新の脳科学は前頭前野と呼ばれる領域に対する「単純計算(や音読)」の活性化効果を証明して見せたんです。

 前頭前野・・・川島さんは、人を人たらしめているところ、「心の在り処」であるといいます。
 その人をつくっている所が生気を失えば、その人はいないも同然・・・でも、おそらくは進化や成長の過程でつくられる神経ネットワークは、好き好んでやっているはずのテレビゲームよりも単純計算のときのほうが働かされてしまう、ワケなんですね。

 表情の出てきたおばあさんが立ち上がってみんなの賞賛を浴びているときの笑顔をみて、重症心身障害者施設「訪問の家 朋」の女の子の微笑みと同じだ・・・と感じました。

 人が、人と人との間、豊かなコミュニケーションの環の中にあって初めて「微笑み」をたたえることができる・・・その微笑を何日もつことができるか、その微笑を何人にまで増やすことができるか・・・人の幸せは、案外そんな単純そうに見えることの中にあるように思えるのです。





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最終更新日  2005年12月01日 09時57分18秒
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