ミス・サイゴン 9月7日(日)
<ミス・サイゴン 9月7日(日)13:30開演 @帝劇>帝劇はいい。やっぱり好きだ!日曜日はお店が閉まっていて寂しいけれど、独特の時代を感じさせるような匂いがある。いろいろな魂たちが棲んでいるような、そんな空気さえ感じるときがある。帝劇には『レミゼ』『ミス・サイゴン』『エリザベート』のようなでっかい装置や巨大な柱、そして大勢の人間達が血や涙を流し、愛と憎しみと悲しみの魂たちがひしめきあうような作品が似合う。そうそう、来年の『ダンス・オブ・ヴァンパイア』も勿論帝劇向きの作品。でもこの日の公演は団体バスのご一行様がどっさりで空気はあまり神秘的でも緊迫感もなくいささか庶民的。「ミス・サイゴン?聞いたことあるからいっぺん見とくか?」みたいな人が多かったのかもしれない。通路側にもオジサンたちがずらり。だからカテコで役者さんを何度も呼び出す空気は薄くあっさり気味でした。この日初見のキャストは藤岡クリスのみでしたが、これがまた凄くよかった!!マリウスも骨太気味でいい意味の固さと声の安定感と伸びが魅力でしたが、髪型は短くカットされ、ガタイはさらに鍛え上げたのか男らしく、しかもちょっと前は気になってたサ行の癖もなくなり、男らしく骨太の岸ジョンとのバランスがとってもよし!!2人並ぶとほんとのGIみたいでしたわ~。1幕だけでいっきに原田クリスに追いつき追い抜いてしまったかも?あとは今回最初にどっかーんといきなり惚れた(?)大人っぽい照井クリスをまた観て、結果を出さねば!(←別に誰も聞いてませんね・・)今思うと藤岡クリス&岸ジョンが「GI青年隊」とするならば、原田クリス&サカケンジョンは「GI少年隊」だったかも。でも恐ろしく高音が伸びる「おたけび少年隊♪」で、”かっこ可愛いい”感じでしたもの。藤岡クリスは最初こんなぶっきらぼうでキムとラブラブになれるのか?と心配になるほどやさぐれた感じで、キム含め女に興味まったくなし、男子度100%な空気でしたが、キムにしつこくからむGIを殴るシーンから断然存在感を増し、か弱いベトナム少女を守る戦士というオーラがびんびんと。ガタイもよく目力も強いため舞台ではかなりの英雄にみえます。ソニンキムも前よりも声がよく前に飛んでいて調子よかったみたい。どんと男らしく自分を守ってくれるクリスに心から魅かれてついていくわ、の気持ちまんまんに見えました。ほんとにこのクリスなら一生自分を強く守ってくれそう、という感じなのです。キムに連れて行かれて服を脱ぐあたりはなんだか嫌々仕方なく、という感じでしたが、朝身の上話を聞くうちに同情が愛情に変わる様子がよく伝わってきました。気持ちの表現が強くてわかりやすいクリス。これはみていて気持ちがいい。キムの下着が見えないようにさりげなく直してあげるところも優しくて好き。最後まで超完璧にかっこよくてドラマチックな表現をする藤岡クリスでしたが、ひとつだけいきなりツボってしまったシーンが。1幕ウェディングで、キムと女性たちに招かれてどうしていいかわからず靴を脱ぐ、ひざまずく、などのあたり、思ったより藤岡くんの演技やマイムが細かくて「おお!」と感心していましたが(藤岡さんは演技より歌派と思ってた)、キムが婚礼に歌う歌♪と言った直後のリアクションがまさに「ええ~っ!?どっひゃー!!」みたいに大きくてコミカル過ぎで、(そんなにびっくりせんでもわかるって!)とおなかをよじってヒクヒク・・をしばらく抑えるのが大変でした。他の3人はもっと普通でしたもの。友人が取ってくれたいいお席だったのできらきら(ぎらぎら?)のかっこいい橋本エンジニアに釘付け。エンジニアはバルジャンと違ってソロシーンも真ん中にどーんと立って歌わず、常にあっちふらふら、こっちぶらぶらと動きが烈しい。そして止まってくれるのは思い切り上手(かみて)か下手(しもて)。なので、上手前方席は美味しい場面がいっぱい。思い切り橋本さんをガンミしておりました(笑)。彼は隙がありそうで動きに無駄がまったくなくてダンスも含めて動きがとても滑らかで綺麗で自然で粋なんですね(←褒めすぎ?)祐一郎さんをみるときの濃密なうっとり感とはまた違うけれど、「さとしさんカッコイイ!」と言いたくなるシーンが多い。かっこいいけれど決して冷たくなくてユーモアと情愛、ペーソスがある。で、あの軽いウェービーなヘアが好きで真似したいけど、あれって背が高くて顔が小さくて面長系だから似合うのよね((>_