貴婦人の訪問♪東京千秋楽 (8月31日)そして、嬉しいお知らせ♪
前楽の興奮から冷めやらぬまま、31日を迎え、「貴婦人の訪問」クリエ千秋楽を観てまいりました。前楽の森のシーンがとてもしっとりと心があふれて心臓が張り裂けそうな切なさを感じさせてくれたため、今日はどうなるの?と思っておりましたが、本日は、どちらかというと、なにかを吹っ切ったような潔さというか、クリアな感じで、清々しさを感じさせるようなラストでした。クレア様はどんどん感情表現が大きくなり、「よく考えてから・・!!ここまでは、すごい迫力で、そのあとの「・・お返事を・・」ニヤッとした感じで静かに。この落差がまた増してました。ほんとにどなたかの評論にもあったけど、歌舞伎調になってて面白いですね。もうこうなると、祐一郎さんもどこか吹っ切れた感じというか、クレアにいじめられるのをむしろ愉しんじゃっているような、「冗談だろーーーっ?」を始め、黒豹探しのライトを当てられて逃げ回るにしても、もう運動会みたいに、思いっきりはじけて走ってまして、むしろ小気味よい感じ。初めての下手壁付近の席だったので、センターのように視線がぶつかって心臓がとまりそうになることはないので、思いっきりオペラを使っていろいろ観察しました。鼻の線、横顔がこれほど彫刻的で美しい人はいないですね。そして肌が綺麗。オペラでみると、滝汗ではないけど、鼻の下、目の下、などに結構汗をかいているのがわかり、こちらが想像するよりずっと重労働な役なんだな、と改めて思いました。ゲルハルトのところで、椅子に座ったときが唯一一休みできる感じで、茶色のタオルをとりだして顔を拭くことができますが、昨日はいつも以上に念入りに額、目のあたり、顎、ほっぺた・・なんどもポンポンと拭ってましたね。そのタオルをまたスラックスのポケットにしまうときに、ちょっとのけぞる風に体をよじるというか、延ばすというか、あの独特な動きがかわいくてね、たまりません(笑)可愛いといえば、全部可愛いのです。祐一郎さんの登場シーンは、だいたい奥から自然に出てくることが多いですが、今回のアルフレッドも、席によっては登場が見づらかったりします。でも、昨日はよく見えました。祐一郎さんが登場する前って、ちょっと音楽の調子が変わります。それで、あ、そろそろ出てくるなってわかるようになってますね。あれは、ご本人にも合図になっているような気もします。そして、祐一郎さんが前に進んでくる前には、他の人たちがささっと自然に道をつくってあげて、場所を空ける動きをするのがよく見えました。あーんなしがないアルフレッドですが、やっぱりこういう風に「殿様の登場!」みたいに準備されているのをみると、ファンとしては胸がいっぱいになります。(もう一日中胸がいっぱいでしたが・・)前にでてきて、訪問するクレアとの握手の練習をするアルフレッドもチャーミングで、みていて頬が緩んでしまう。黒豹狩りのあたりまでは、まだ本気で恐怖を感じてはいないから、クレアに「死ぬこと」と宣言されたあとも、どこか軽い感じが残っていて、いくら怖いよーと逃げ回ったり、泣きそうにしていても、それが独特なコミカルさを産む、という狙いがあると思うので、やっぱりこの役って、もう祐一郎さん以外に考えられないですね。それをクリエに入ってからとくにくっきりと自覚して面白くおバカなほど明るく1幕を演じていると感じます。2幕の恐怖から怒りや諦念、愛の再認識、罪の意識、多くのヘビーなものを背負っていくアルフレッドなので、エンターテイメントとして面白くなるよう、深みがでるよう、くっきりと浮き彫りにすべきところをクリアにしてきた、だからこそ、クリエにはいって、生まれ変わったようによくなった、と周りの評価も上がっているのでしょう。そして、涼風さんは勿論、祐一郎さんもどんどんアルフレッドの魂が入ってきて、このカンパニーでこの役を演じるのが幸せで仕方がない、という気持ちがあふれてその前向きなエネルギーが客席にも伝わるんだな、と思う。千秋楽の祐一郎さんからは、その気持ちが手に取るように伝わってきたため、森のシーンでもいつものような涙はでず、むしろ「アルフレッドという役ができてほんとによかったね、おめでとう!祐一郎さん!」という気持ちから、じんわり涙がでました。話は前後しますが、クレアが登場したときに上手に立つアルフレッドがよく見える席だったので、けっこうあのシーンマチルダと音に載らない会話をたくさんしているのに気付きました。マチルデの服の埃を払うなど、余裕のある紳士(?)だったのも、ここまで、という関係性が重要ですよね。「死」の宣言されてから、商店のシーンでのアルは、もう3歳児のように、大きい体をちっちゃくして屈んだり、しゃべり方も「みーんな僕を殺させたいんだ!」「でーも!」とか、子どもがママに甘えるときの口調がどんどんかわゆくなってきて、ああ母性本能がくすぐられてたまりません!そして、マチルデのソロの間ずっと、口をへの字(というか、彼の場合、顎をふくらませるから、若干クッキングパパ化してますが・・)にして、顔をちょっと斜めにしたりして、目を細めたり、泣きそうになったり、もうどの表情も見逃せない。椅子に座っているときの内股気味な足と、見上げるあの顔。これは舞台写真として出てましたが、もう大好きです。そのあと立ったときのすこし猫背風な姿も。そして、しゃがむようにしてママにむしゃぶりついて離れない子供みたいに、大きな体でマチルダにくっつく祐アル。あんな劇的に美しい横顔をもつ、しかも58歳の男性なのに、あの姿!!このギャップに萌えずにいられましょうか!(笑)貴女を守り抜くわ、死ぬまでふたりだから、と歌われて、ここは変わってしまうマチルデを思うと泣ける歌詞なのですが、この台詞で、祐一郎さんは、ほんとうに声がでてしまうんじゃ?というくらい顔が歪んでいて、ああ、最後の平吉さんの長台詞で、あやさんが「あなたについていくわ」と言ってくれたときのあのシーンを思い出したり・・(注:決して祐さんが引出が少ないといってるわけではありません)みんながいつもの品より高級なものを買いはじめたときのアルフレッドもいちいち可愛くてね。「6本?」とか、「本物??」とか、「おおい!こんなご時世だ、無駄つかいはよくないぞ」とか、「借金だぞ!」とか、そんな合の手みたいな短い台詞なのに、どうしてこんなに心がキュンとするのかしら?声そのものの周波数がやっぱりハートを動かすのね。みんなにはさまれて、右に左にと、ダンス?みたいに動くときのあの感じも、もう可愛すぎてたまらなーい!何度見ても飽きないですねえ・・。この作品の祐一郎さんは。「このけだものーー!」とか言いながらとっても楽しそうな祐さん。最後にみんなに挟まれてじゃん!と首をかしげる祐一郎さんも罪な可愛さですよねえ。なのに、クレアに森でライフルをつきつけるときは、すごい息の音が聞こえますよね、あれって劇的だわ!!これが同じ人?いまそういうシーンをいろいろと思い出しただけで体温があがってきました(笑)と書いてるうちに字数が足りなくなるので、いきなり特別カテコの様子に移ります(笑)もう思い出しても興奮で、心拍があがりそうな、歓びのカテコで、きっと一生忘れないでしょう。公式から動画もでるかと思うので、全部はレポできませんが、さらっと流れを。ジャン♪(オケの音)山口「ありがとうございます!ありがとうございます!(優しい声でしたねえ)今日は楽日ということで、何人かの方にご挨拶をいただきます。それでは~(優しい声でとけそう)まず、中山昇さん!中山さん支えてくださったカンパニーはあたたかく、そして急に大声で、「お客様は神様で――す!」(牧師風に)それでは、ゲルハルト役の今拓哉さん!どうぞ!今さんゲルハルト声で「えー、ゲルハルトはまだまだ働きますよ!!元気そのものです!!」では、クラウス役の石川禅さんです!石川さん教職者としてはあるまじき話をします(禅さんらしい)休憩時間に山田さんに人口きいたら4000人。20億ユーロっていくら?2700億円ひとりあたり、6800万くらい?4人家族だったら・・3億?私たちがどれだけ悩むかわかるでしょう??(大拍手)そんな社会的なメッセージ性高くいい作品、まだまだ旅も続くのでよろしく!ぼく紹介するんですよね?えっと・・・(今井さんの顔を見て・・(笑)ながらくちごもる)マティアスという名前をたぶん度忘れした禅さん!「ぼくの名前覚えてる?」って禅さんに問う今井さん。今井さん主演男優を出演者全員でいじめぬくっていう作品、すごくやるとき悩んだんだけど、カンパニーが明るくて楽しくて優しくて、介護老人みたいに・・(会場爆笑)居心地がよくって・・・。春野すみれさんよろしく!(マチルデという名前は度忘れ?)春野さんしみじみとクリエに立つのは初めてで、幸せでした。感謝の気持ちでいっぱいです。まだ博多名古屋とつづくので、まだまだいろいろ吸収して・・発酵していきたいです(大笑い)それでは・・わたしたちに20億も寄付をしてくださったクレア役の涼風真世さん!お願いします!涼風「昔妖精、いま妖怪、涼風真世でございます」いろいろな作品に出演させていただきましたが、これほど大変でこれほど最高な作品はなかったと思う。オファーをくださったプロデューサの方、よく私にこの役をくださったと、感謝でいっぱい。支えてくださったみなさま、お客様ほんとに感謝で・・。そして、なにより、包容力とはこういうものなんだ!!と教えてくださった優しくあったたかいオーラのなかで、おもいっきりクレアを演じることができたのは、アルフレッド・山口祐一郎さんのおかげです!!祐一郎さん恐縮して深々とお辞儀。祐一郎さんは「ありがとうございます!」のあと、いきなり「えーと・・クレア財団のほうから来年度もこの作品を上演するための経費を出してもいいかな、と・・・」(え?)会場から拍手と歓声・・だけど、ちょっと??なムード。「・・ぜひ、そういうご決断をなさった理事長にもう一度あたたかい拍手を!」え?やっぱり冗談?なのかな?ってますます??な感じに。ここでやっと「ということで、来年、また秋に、上演することになりました」やっと「キャー!!ほんとなのねえ!!」と。ほんとに大きな大歓声と拍手のうず!拍手やまないなか、ほんとにうれしそうな祐一郎さん、「ほんとに・・ほんとに・・・・36度、37度という暑い中、みなさん、日干しになりそうになりながら、あたたかく支えてくださったみなさまに感謝!来年もみなさんとお会いできる日を楽しみにしています。本日はまことにありがとうございました」(静かな綺麗な声でしんみりと)オケの人もカテコに出てきて、祐さんは涼風さんを置いてささっと後ろをとって逃げた?なんどもカテコがあったので、回数は覚えてません!山田さんも上がり、クレアは山田さんに連れていかれ、妻は禅さんにとられてしまい、一人残されて、えーん(泣)な祐さんが可愛すぎでした!!最後は上手・下手へと移動してくれたので、下手端でとっても嬉しかったなあ。いっぱい手を振ってくれたので、たくさん振り返しましたよ。そして、ほんとの最後感極まった声で「ありがとうございましたぁーーーーーー!!」(応援団長風)祐さんの声が次に聴けるのは11月かあ・・・寂しくて死にそうです(笑)あ、そういえば、最後の審判で、祐さん以外の全員が身に着けているもの、そう!黒の革手袋ですね。あれ、ほんとに邪悪な黒の人になったことを示しホラーですよね。黒手袋が最後は全部挙手される。で、昨日気づいたのが、カテコでは、マチルデとクラウスそして、ふたりのボディガードだけ黒手袋を脱いでる!!なんだか少し救われた気がしましたよ!(笑)