ダンスオブヴァンパイア 名古屋大楽 1月17日(日)
名古屋の大楽を観てまいりました。初めての愛知県芸術劇場の大ホールは、写真でみたとおり、5階まである複層ホール。ひとつの建物にこの大ホール以外にも、小ホールとかコンサートホールとか、美術館とか、いろいろの施設が入っている巨大なビル。入り口は二階にあって、そこから各階に移動できるように、エスカレータがたくさん設置されてます。わたしは、2階の最後列近くでしたので、すぐ入れましたが、ついでに上の階も見学してみたら、バルコニー席がたくさんあり、それぞれ専用の扉があって、貴族の人用?みたいに豪華にみえました。(ただし、下からみて気が付いたのですが、舞台に近いほうから1~2つ目のバルコニー席(3-5F)は、見切れがでるためか、使用されていない様子でした)2階後ろといっても、2階席はほぼ1階席の延長のようにゆるやかにつながるように作られており、壁のしきりはあるけれど、後方にゆくにつれゆるやかな傾斜があり、前の人の頭などが気にあることはなく、とても見やすかったです。伯爵さまが登場する姿もちゃんと見えました。月が陰るときにはもう姿がありました。1階席のすぐうしろは壁になっているためまっすぐ通れないこともあり、下手の扉から入って、90度ターンして通路から舞台に向かい、オケピがとても奥行きがあるため、そこに架けられた細い通路(橋)をさらに静かにわたるようにして舞台に入るため、長いローブがひっかかったりしないか、すこしドキドキしました。最前列といっても、おそらくあまり近い感じはしないので、その点はちょっと残念な部分があるのかもしれません。でも音響もよいし、天井が高い作りで豪華なので、大楽を演じる場としては、ふさわしかったといえるかもしれません。こういうオペラ用のホールで演じるということは、キャストの方にとっても大きい記念になったのでは、と思えます。1幕は宿屋でスポンジがサラのお部屋のほうまでコロコロと転がってしまうハプニングもありましたが、サラ(神田さん)が自分でひろいあげて、難なくクリアし(笑)、平方くんと神田さんがお辞儀しあったりのアドリブもあって、客席からもあたたかい笑いが湧き、千秋楽らしい愉しい時間になりました。そこには見えない壁があるから一歩進んではいけない、と平方くんが一瞬考えたのも伝わってきましたね。伯爵さまは大劇場で橋をわたり終えたステージでもちろんとても落ち着いて歌いだされ、そして目線の向け方などは、大劇場仕様の歌い方をしていました。「神は死んだ」で向きをかえて客席のほうをくるりと向くときはわりと上層のほうに目を向けて、広い劇場、遠い席の人のハートまでを満たす演技をしていたように感じました。音響については梅芸ほどはエコーが大きくなく、自然な響きでありながら、ちゃんと広く響くように造られており、厳かな雰囲気のこの作品を広く届けられたのでは、と思います。が、一部コーラス部分など、もっとダイナミックに響いてもいいかな、と思った部分もありました。伯爵さま的には、ためいきのでるような美しさ、(メイクはやはり顔の表面中心にひし形に白い感じで、ダークな部分との境目がくっきりみえてましたが・・・)^o^()そして、この人間界からかけ離れた世界を表現するのにふさわしい、誘いのモードをたっぷり含む素晴らしい声を朗々と響かせてくださり、墓場では、感極まったようになった伯爵さまの気持ちに寄り添って、涙がでてしまい、でも、大楽らしく立派に歌いあげ、劇場を拍手の渦にした、伯爵さまがセンターに立ち拍手を浴びる感無量の姿に、またじーんとし、(拍手が大きく長くつづき、鐘の音にかぶさっていました)そのあとの舞踏会での、振り切れた魅力、キラキラとビームを放つような伯爵さまに、まだ10年は行けると思う!と思ったり(笑)。ガブリのあとの片足も華麗に高く上がってらっしゃいました。神だ死んだ、1幕ラストなどで、こんなに広い空間をたった一人で立っているのに、このオーラと存在感はなんだろう?魔法にかけられたようにそこにくぎ付けにならずにいられない。涙がでてくるんですね。美しすぎて、祐一郎さんの存在そのものがありがたくて。でもやっぱりこれで今回の伯爵さまは見納めなんだな、お城も今日で終わりなんだな、という気持ちもぐぐっと込み上がってきたりして、2006年から応援してきた思い、そのころあった大変だったいろいろことなども蘇り、いろんな感情を一日で味わいました。カテコのご挨拶は平方くん、神田さん、禅さん、そして祐一郎さんと続き、フィナーレに続ける流れもあって、祐一郎さんのご挨拶はまとめるようなさっぱりしたものでしたが、大きな仕事をなし終えたあとの、達成感のような清々しさを感じ、満足でした。もうひとりのサラさん(舞羽さん)等も舞台上に。客席に最後のダンス指導をするヘルヘル(3-5階のみんなは今日は頭が文金高島田だって思って踊ってね、とユーモアたっぷりに)にも大きな手と笑顔を送る伯爵様でした。ゆっくりと帰りの新幹線をとっていたので、祐友さんと駅の近くの夜景の綺麗なレストランで早目の軽い夕食をとり、名残惜しい名古屋を去り、戻ってきました。大楽ということで、見知った顔がすごくたくさんの愛知県劇術劇場。祐一郎さん、ほんとに愛されてます。祐一郎さんも、それを感じてくださったことと思います。観ている側でも、これだけ虚脱感があるのですから、演じる側は、どんなでしょう。想像もつきません。素敵な劇城に通えたこと。ほんとにありがたく思います。クコールも蛍の光が流れる中最後のお掃除、そして「クコール劇場大千秋楽」のプラカードに劇場割れんばかりの拍手。クコールの目にも涙(?)(よく確認はできませんが)そして裏返すと、「つづ・け・たい(続けたい)!」とのメッセージが書かれてました。ほんとに、ほんとに、祐一郎さんのクロロック伯爵を、また絶対に見たいです。あの美しく儚く、夢の世界にいざなってくれる伯爵さまがこれで終わりではもったいないです。東宝さま、よろしくお願いいたします!!