スリルとサスペンスの日々@レベッカ~そして祝杯♪
気が付けば1月も3分の2が過ぎ、レベッカ@シアタークリエも中日過ぎました。随分日記を書いていませんでしたが、まあなかなかスリルとサスペンスにも満ち、ダンヴァースではないけれど、この先どうなるんでしょう・・・と案じることのあった10日間でした。仕事が忙しかったこともありますが、この10日間に数回観たのですが、祐一郎マキシム様の喉が本調子でなかった時期が含まれていたため、なんとなく筆が乗りませんでした。いつの公演のどの部分がどのようだったか・・を詳しく各時間はないので、ほかの皆様の感想をぜひ参照していただきたいのですが、結局風邪であったのか、それ以外の原因か詳しくは分かりませんが、20日(昼)のおけぴ観劇会貸切公演では、8割方復活され、ほっと安心できました(*^_^*)20日おけぴ観劇会(貸切)では、カテコでは祐一郎さんのご挨拶が聴けました。かわいいおけぴのみかん色のミニ幟を「家宝にしているものがあります」と、いたずらっこみたいに胸元から出して、「我が家の玄関にも1つ置いてます。自分も辛いときにこれで癒されてる、みんなもぜひげんきの素おけぴで、またこうして素敵な時間を・・・もう1月も下旬だけど初めてのかたもいらっしゃるかも、と、魅惑の(?)ウィスパーヴォイスで「明けましておめでとうございます」・・と、結構長めに話してくださり、ああ、気分がいいんだな、と嬉しくなり、にこにこの可愛い祐一郎さんのご挨拶を、わりと前方そして真ん中あたりのお席でばっちり聴けて、もう嬉しかった時間です!声もだいぶよくなっていて、ほんとにほっとしました(*^_^*)20日は張って延ばす部分など、まだ時々声帯が合わせづらいように感じた部分もありましたが、「たいしたことではないっ!」程度には回復されており、翌21日ソワレ(通路より後方ですが、センター席の真ん中あたりなので音の響きもよくとても見やすかった)には、さらに良くなり、そういう気になる声の部分もほぼなくなり、祐一郎さんらしさがほぼ全開でした(*^_^*)21日はほんとに素晴らしいきめこまやかでありつつも情熱的な公演を聴くことができ、(こういうときってキャスト全員が熱く集中力とくに素晴らしい!と感じます。休演日まえということもあるのでしょうか)ご一緒できた祐友さんと、祐一郎さんの調子が戻ったことで幕間・終演後に歓びあいました。ああ、これでみんなも自分も祐一郎さんも一安心かな、って。なんというか、心配もしましたが、祐一郎さんがいかにこの役に対して愛情と集中力をもって、全身で取り組んでいるかが、じわじわっと伝わってくる日々でした。たとえ、思うように声が全開に張れないようなときでも、最大限の工夫をし、声をコントロールし、あらゆる技法を駆使し、御客様に満足していただけるようにと心を配っていらっしゃることもじんじんと伝わってきまして、それを感じるたびに、なんだかじわっと来ている日々でした。クリエの初旬(6日)に、まるでストッパー、リミッタを外してくださったかのような、どうなっちゃうかわからないような、スリルのある告白を魅せてくださり、(ほんとうに、途中で歌えなくなっちゃう?とドキドキするほど泣いてましたので)そういう姿をみせてもらっていたこともありますが、翌週、今度は、すっかりそれまでのマキシムを脱ぎ捨ててリセットしたかのようにすっきりとどこか調和がとれ、ストッパーをしっかりとかけて安定感を出しながらも、決して飽きさせない臨場感はしっかりと保ち、まるでラジオドラマにしてもよいような、美しく歯切れのよい声を終始聴かせてくださり・・・そういう「告白」の演じ方もまた新鮮で素晴らしいな、祐一郎さんって、ほんとにどこまで凄いんだろう・・・!と目から鱗の気持ちになり、感動の日々でもありました。一言でいうならとてもflexibleな人だなと思いました。そして変わらぬパッションの有るお方!渋くて苦み走った彫刻を思わせる横顔、そして華がある。その抑えた効果もあり、この作品の演劇性がぐっとアップしたように感じます。役者さんは毎日毎日、けっして同じことの繰り返しでないことに、命がけで挑戦しているんだ、ということがほんとに、表情1つ、身体の動き1つ、目の動きからも伝わってきます。作品、音楽、他のキャストの皆さん、もうどんどん引き締まって素晴らしい作品に毎日生まれ変わっている・・・なんと素晴らしいことでしょう!!私が行った日にカメラが入っていたこともありましたが、DVD製作ではない様子でしたが、こんな素晴らしいマンダレーの世界をいま残さずして、いつ残すのでしょう!!ためいきがでるような素敵な作品と、これだけ命がけで取り組んでくださっているどこを切り取っても素敵な祐一郎マキシム・・。一瞬たりともゆるんだり眠くなったり退屈になる時間などありません。アンサンブルさんたちのコーラスも実に歯切れよく素晴らしいですね。全体的に初演よりずいぶんよくなったな、と随所で感じます。いちばんよくなったのが祐一郎さんだと思う。演技の細やかさ、表情の細やかさ、歌い方の細やかさ。そして美しさ、衣装。どれをとってもそこにいるのはマンダレイのお屋敷のご主人マキシム・ド・ウィンター様。演技も実に自然で深くなり、ますます素晴らしいです。そういえば、20日には、レベッカの病気の電話を受けたあと、レベッカの余命が6か月に延命されていましたが(^_^;)、翌日には、また6週間に縮んでました(*^_^*)(20日、周りに友人たちは、結構気付かなかったという人もいました。わたしはえええ??と声を出しそうになりましが・・)21日は、とにかく声が豊かに伸び伸びと出ていて、最初の、幸せの風景での「君をみてるそれだけで~♪」から、なんて優しく甘い響きなんだろうととろけました。それまで途切れそうになったりした部分も、なめらかにでていて、ほんとにすばらしかった。21日は、神よ何故、もきびきびと歯切れよく、ドラマチックに劇的に・・シブいけれど華やかで・・過去など乗り越え・・て~!!の響きが腹から出る本来のいいお声にやっと戻っていて、やった!!ブラボーって叫びたくなりましたよ。祐一郎さんの「おお、もう大丈夫だ、ばっちりいけるぞ!」という心の声が聴こえてくるような、最後の一音でした。(でも、これからもっと伸びやかになっていく予感もします)2幕告白の大事なシーンも、涙や鼻水でどろどろになるような告白ではない、どこかすっきりしたでも劇的さはさらに増すような、どうしてこういうことができるんだろう!!なんて素晴らしい!とうなってしまうバランス感のある歌唱と台詞のいいかたで、このくらいなにかをきりっと保ちながらこの告白を作るのが一番いいのかも、と思えてきます。レベッカの台詞をまるで夢を思い出すかのように語る、その声も優しければ優しいほど、とっても悲しい。祐一郎さんてやはり凄いです。そのあとまた劇的に叫ぶ、そしてわかってた、わかってた、彼女の勝ちと~~~、では、絶望のなかにも、エネルギーに満ちており、勝ち~~で、結構なロングトーンをかまし、と~~もいいお声で結構伸ばし、歌い切ったあとも、ぶん!!と胸を張り、両手を拡げ、もうすべてを打ち明けてしまって、磔でもなんでも、どんと引き受けると決意をかためたジーザスクライストのようで、超かっこよかった!!!終盤、燃えるマンダレイのお屋敷で最後に「消えてしまえ~~♪」と歌い上げる箇所も、日によって「ま~~えっ」と「ま」を伸ばしたり、「ま~~えぇ~~」と両方延ばしたりとその日の喉に最適な歌い方をみつけて試されていましたが、20、21日は、本来のえ~~をしっかり伸ばす歌い方で、21日のほうがさらに地声を張り勢いのある歌い方でした。この日(1月21日ソワレ)は、今年初めての満月しかも、スーパームーン(月が大きくみえる)とのこと、で、同時に皆既月食も起こる「スーパー・ブラッド・ウルフムーン」だったとのことで最強のパワーが振りそそぐ日だったみたい。もしかしたらお月様もパワーをくださって応援してくれたのかな、なんて思います。調子が戻ってみれば、山口さんは、いままで30年以上過酷なスケジュールの舞台もこなし、代役などぜったいに頼れないような状況で、インフルエンザも流行る冬も幾度も乗り越えてきた彼なので、大丈夫にきまっている!と思いながらも、つい心配性な自分は、明日休演のお知らせなど出たらどうしよう!!・・祐一郎さんの代わりは絶対いないのに・・・などとちらっと心配したりも実はしました。そしてたくさん祈りました。そしてやっぱり祐一郎さんは凄かった、信じてよかった!と昨日は泣きそうなほど嬉しくて祝杯をあげました。今日の休演日でゆっくりお休みになられているといいな、と心から思います。そしてまた素晴らしい作品に深まっていくことを期待しています。一昨日と昨日、イッヒはどちらも大塚さんでした。やはりこういうときは母性を感じられる大塚さんが一番いいですね。告白のあとのマキシムの背中と頭をやさしくなでる大塚さんの手が優しくて、そこでほろっとなりました。ダンヴァースは涼風さんはより宝塚風に大胆華やかに、そして保坂さんは、演劇性が高いなかにも、また初旬からすこし変わり、歌い方にもめりはりがでてきたように思えます。涼風さんは崇拝するレベッカと狂気を孕むような一体化をしていたからこそ、亡きあともその毒をどこかに孕み、命を放棄したレベッカとともに自分も滅び(影も自分と一体化)、保坂さんの場合は、レベッカがいたからこそ自分の存在価値があり、レベッカ無では自分は虚ろ、空ろであり、自分は単なるレベッカの影であった、と認識があったような気がしました。なので、保坂さんのダンヴァースは、実は魂としては既に死んでいて、レベッカの生への執着心を信じることでかろうじて「抜け殻」のように生きていた、という感じでしょうか。保坂さんには艶めかしさはあまり感じず、忠実さを強く感じますので、最後の火事で身を投じるところは、涼風さんのように狂気の笑いをあげずに、別の乾いた笑いかたのほうがふさわしいように感じました。心理観察的には、イッヒよりダンヴァースが断然面白そうです。あといろいろ感想もありましたが、また別の機会に・・・(*^_^*)。とにかく嬉しくて嬉しくて・・♪東宝様ぜひ、再演してそしてDVDも出してくださいませ。