ひとしきり激しい雨脚のあと
虹が出てる!すごーい!との歓声に
仕事の手を休めて皆で外に出ました。
夕焼けの空にきれいなアーチを描く
主虹と副虹の二重橋
携帯電話を手にしていたものの
とうてい入り切るはずのない大きさに
ただ空を見上げていました。
5、6年ほど前 新幹線の中から
完璧な弧を描いた虹を見たことがあります。
遠く山裾の集落をひとつ抱きかかえて。
携帯が示した住所は関ヶ原。
朝8時半発の大阪行き
車内の人たちは眠っているか
ノートパソコンを見つめて忙しそう。
ひとりのん気に虹を見つけて
それを声に出すのは周囲に気がひけて
せめてお隣と思えど
隣の人は名古屋で降りて空席で。
一人 吉野弘さんの「虹の足」という詩を思い出しながら
虹と見知らぬ小さな町を見つめていました。