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2007.07.17
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カテゴリ:カテゴリ未分類

先日スーパーに行ったら、杖をついた片麻痺の、おじいさんとは言うにはまだ若い男性が天ぷら売り場の前に立っていた。 そこは自分で取ってトレーに入れないといけないのだ。

わたしの父も後遺症で片麻痺なので、同じような人を見かけると、つい気になって目がいってしまう。

その人は片手で備え付けのビニール袋を取ったのだが、そこで動きが止まった。 どう考えても片手じゃ天ぷらを入れるのは無理なのだ。

差し出がましいかと思ったが、「 お手伝いしましょうか?」 とたずねると、黙ってサバの天ぷらを指さした。 一つ取ってトレーにのせると、もう一つと指を立てる。 で、もう一つをのせて 「 まだ何か入れますか?」 とたずねると、今度はゲソ天を指差す。 それをのせるとまたもう一つと指を立てる。 この人はきっと失語症もあるのだ。 そうこうしていたらお店の人が来て後を引き継いでくれた。

その後動ける手で、カゴと杖を持ってレジに向かった。 なんだか危なっかしい。

できたら家までついていきたい衝動にかられる。 父の姿がだぶるのだ。

この仕事をする前にも、やはり片麻痺の人がスーパーで困っている所に出くわした。 

それはレジの側だった。 買った二つの袋を、片手で杖の前と後ろにかけて、天秤のように杖を肩にかつごうとしている。 でもそれもやはり片手では無理なのだ。 このおじいさん見るからに偏屈そうな感じで、誰の助けもいらないと拒絶しているような雰囲気。 恐る恐る 「 肩にかつぐのですか?」 と聞くと、ウンとうなずくので、肩にのせてあげた。 ずれ落ちないように体に沿うようにして。 おじいさん黙って帰って行った。

レジは空いていたのに、お店の人は誰も声すらかけなかった。 側で四苦八苦しているのにだ。

こういう場面に出くわすと、父も外では苦労しているんだろうなと胸が痛む。 一緒に外に出かけたときに、他人に少し親切にされると卑屈なまでに頭を下げる。 それもまた見ていてつらい。 片麻痺で不自由な人に手助けするのは別に偉いことでもなんでもないのだ。 電車で妊婦やお年寄りに席をゆずるのと同じことなのだ。 拒絶されたらそれはそれで良い。 それが恥ずかしいと見て見ぬふりをするほうが恥ずかしいと思う。 そして助けてもらったら感謝はしても、卑屈になることはないと思う。

世の中お互い様だと思う。 私が誰かの手助けをしているときに、また父も誰かに助けてもらっているかもしれないのだ。 






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Last updated  2007.07.17 23:12:55
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