今日も一日、施設さまのために

「人間性のレベルが高すぎて無理です」に続く
フられた言葉、第二弾。


「自分がやってあげたいことと、あなたの求めていることが違う」



私にとっては衝撃でした。
あまりにも価値観が違いすぎたのだなあと、今では思いますが。


とても熱い思いを持っていて、
自分の理想に向けて進もうというモチベーションの高い方だったので
私としても非常に好感度は高かったものの大前提に大きな不安要素があり…
しかし大変熱烈な押しに、あわわわとなってしまい、
最終的に私が譲れない３つの確認事項を提示し、
OKだとのことだったのでお話をお受けしたはずだったのですが、




「自分がやってあげたいことと、あなたの求めていることが違う」



この一言で、振られました。



べつに別れることに対してはいいのですが、
なんか、この一言がどうしても私の中では釈然としなくて
ずっと引っかかっていたのですが、
（だって、なんか、私が一方的に悪いみたいなんだもん）

今日、ふと、「あ、そうか」と思いました。




これは、「プロダクト・アウト」と「マーケット・イン」のちがいだ。




「プロダクト･アウト」とは、
企業が自社の販売・生産計画に基づいて、
市場へ製品やサービスを投入すること。

「マーケット･イン」とは、
まず消費者のニーズを十分にくみ上げて、
それを商品というカタチにして市場に出すという
「はじめに顧客ありき」の考え方。





ムツカシイですね。





たとえば、宿泊プランの作り方でいうと、
単純に、ワインがつくプランという結論に行きつくとしても



●プロダクトアウト
「クリスマスだから、カップルには食事のときにワインをつけたらいいんじゃない？
　せっかくだから、レストランスタッフも、サンタクロースの格好をして
　サーブすると、もっとクリスマスらしさが増すかなあ？」
　　　　　　↓
【クリスマス・カップルプラン☆ワインハーフボトル付】


●マーケットイン
「クリスマスのカップルだと、やっぱり男性は彼女にいいところを見せたいよね。
　じゃあそのためには、どんなサービス・特典が喜ばれるだろう？
　夕食のイタリアンはメインがあれだから、あれを食べるならこのワインが絶妙なんだよね。
　このコースにはこのワインが合うっていうのをきっちり説明して、
　このプランを選んだ彼は、
　彼女にディナーをより一層おいしく食べてほしいって願いがあるわけで
　とてもあなたのことを愛してるんですね、と
　サーブの際にひとこと、彼の株を上げるようなサービスをしてあげたいね」
　　　　　　↓
【クリスマス・カップルプラン☆ワインハーフボトル付】


では全然ちがうわけですよ。








私が昔、熊本市内の担当をしていた時、
某ビジネスホテルさんと一緒に考えて
「モスバーガーの朝食」つきプランを出したんですよ。


これは、「モスバーガーをつける」ということではなく、
ホテルのレストランが、7:30からしかオープンしない。

でも、出発がもっと早いお客様はいる。
その人たちの中にだって、きっと、出発時に朝食が食べたいという人がいるはず。


そういうことで、駅構内の、朝早くから営業している
「モスバーガーの朝食」プランが生まれたんですね。



これがなかなか好評でした！

でも、周辺のホテルは「モスバーガーだから人気」と思っていました。





プロダクトアウトとマーケットイン、なんとなく、伝わりましたでしょうか？











ちょっとちがったら申し訳ないけど…
ある、ホテルさんとのお話。


クリスマスの従業員食堂での話。

クリスマスだからってことで、
その日の従業員食堂のメニューは「チキン」でした。
きっと、食堂のおばちゃんはおばちゃんたちなりに
「クリスマスを楽しんでもらおう」と考えたんだと思うんです。

でも、そこの支配人は
「うちに帰ったら、家族でクリスマスをするから、
　夜もチキンなんですよ…」





相手のために、自分にできることを考えるのは
とっても尊いことだと思うんです。

でも、もう一歩、進んで、
「相手の立場に立って」自分にできることを考える。

それが、本当は、相手のために考えて行動しているのだと思うんです。



















お客さんに喜んでもらおうとこんなプラン作ったよ！。
たしかに、一所懸命考えて、作ったプランだと思うんです。
その心は、否定するつもり、ないんです。
でも、そこに、相手の立場に立つという１ステップがないために
お客さんを置いていくかなしい結果になるプランって、あります。

一所懸命がゆえに、かなしい。








「自分がやってあげたいことと、あなたの求めていることが違う」



この言葉も、そうだったんだなって。
彼はきっと、彼なりに、私のことが好きだったんでしょう。
でも、私のことが好きだったけれど、
私の立場に立って物事を考えるほどには
気持ちの熟し方がまだ至っていなかったのでしょう。


本当に相手のことが好きであれば、
自分がやってあげたいことではなく
相手が何を望んでいるかに、思いを馳せるようになるはずなのですよ。

誰かのために一所懸命なにかをしてあげる自分が好き、だったんだろうなあ。

もしくは、相手が誤った方向に進んでいるなら
自分が正しいと思っている方向を「わかるまで」伝え続けようと思うはずなのですよ。







純粋だから、こそ、悲しいなあ。という、失恋の話。





そして私は、「カスタマーイン」な女でありたい。

「カスタマー・イン」は、
マーケット･インの思想をさらに押し進め、
顧客1人ひとりが望む商品やサービス内容に応じて、
これに沿ったものを提供していくという考え方。


人の価値観は十人十色。
こうすればみんなが喜ぶ、なんてマニュアルはない。

やっぱり、大切な人とはしっかり話をしながら、
相手のために心と体を使える自分になりたいものです。









ああ、やっぱり、商売も恋愛も一緒だ。
そして、私、相変わらず、人生切り売り。



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