ふたば堂

義父が亡くなって１年が経った。
もうあれから１年経つのかぁ。

１１月に病気が分かってから３ヶ月の闘病生活の間に何度か会いに行った。
病院にいても治らないことは分かっていたので、私たちが会いに行くと
外泊して家に戻って来てくれた。

とても辛らつで口が悪くて、人を馬鹿にしたようなことを言うけど
本当は優しくて涙もろい人でもあった。

お正月には車椅子で初詣に行った。
義母や義姉が車椅子を押すと恐くて私が押すと
「やっぱり看護師さんはうまいなぁ。あいつらの押し方は恐ぁてかなわんで。」
と真剣な顔で言う。
お義母さんも義姉も「私らのことは悪口しか言わん！」とぶーぶー言っていた。（笑）
その頃私は障害者の施設で働いていたから、一応プロだったので当たり前なのだけど、
（看護師じゃないよ。）とても喜んでくれた。

血のめぐりが悪くて手や足が冷たいというので
電動のベッドを少し起こしてたらいにお湯を張って手や足を洗ってあげると
気持ち良さそうだった。

酒飲みでぐうたらで、飲み友達にはもってこいだけど
嫁としてはあまり役に立てなかった私としては、あの数日お義父さんに喜んでもらっただけでもヘルパーの資格をとって、福祉の仕事に就いていてよかったと本気で思う。



亡くなる前、どうしても文旦が食べたいと言ったのでネットで注文して
送ったけど、去年は不作の年だったらしくて店頭にはほとんど無く、
ネットでも収穫できしだい送ります、というような感じだった。
それでもなんとか間に合って少し口にすることが出来たらしい。

今日は忙しくて何も準備できなかったけど、
週末はお義父さんの好きだったものでも作って
夫と思い出話でもしようかな。












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