手作りごはんだけで犬猫の病気を治せますか?

2010.03.27

最近多いご質問です。
手作りごはんだけで　犬猫ちゃんの病気を治せるでしょうか、と。

私の考え方

　「治る場合もあるし、そうでない場合もあると思います」

例えば、胃腸系、肝臓系などの病気は
手作りごはんで治る場合もあるかもしれません。

心臓系・腎臓系は
発症予防は可能だと思いますが、
一度発症してしまったら「治る」という言い方は
正しくないかもしれませんね。

これらは進行性・軟治性の病と言われ、
一度発症してしまった場合は
残念ながらコントロールしかできないとされているからです。

ただ、その状態を改善したり、
進行のスピードを抑えることは可能だと思います。

実際、愛犬キャバリア華実は
先天性僧帽弁閉鎖不全症予備軍ですが、
今のところ、まったく発症の兆候はありません。

華実の場合、
トッピングごはんに限りなく近い超手抜き手作りごはんと
サプリメントの摂取によって、健康な状態を保っています。

もしかしたら心臓に関しては、
生まれつきのチカラよりも
今の方が「強く」なってくれているのかもしれません。

多分、カラダの全体力があがっているのだと思います。

そもそも病気を治す、というのは西洋医学のとらえ方。
臓器、そして病気だけをみた場合のお話です。

ホリスティックケアは「生命全体」を癒す、と考えます。

心臓が悪い子の場合、
心臓だけを見て手作りごはんを作るのではなく、
心臓と関係する腎臓だったり、
腎臓と関係する腸だったり、肝臓だったり。

そのトータルパワーで、その生命体を癒し、
その結果心臓への負担を軽くしていこうというような
考え方をします。

そこには、ココロのケアだったり、
環境への対処だったり。

さまざまなケア方法が関係してきます。

そしてそのすべてのかけ算で
その子が癒されているかどうか、というような見方をしていきます。

食べ物だけで病気が治る。
そう言いきれるほど　病気は単純なものではないと思います。

手作りごはんはもちろんいいものです。
ママさんの愛情パワーも注入されますし、
最強の治療法と言ってもいいかもしれませんね。

けれど、その食材はどうでしょう。

昔の食材よりも　パワーはグンと下がっています。
生肉といっても、その場で
生肉にしているわけではありませんから
酵素もかなり減っていますね。

生肉には酵素がいっぱい、というのは
比較の問題です。
加工食品よりはいっぱい。

その生肉を消化するためにも
酵素が使われます。

また、たんぱく質は消化・吸収する段階で
たくさんの毒素を生みだします。

その毒素を解毒するのにも、酵素は必要です。

私は酵素の存在は
生命にとって、もっとも大切なもののひとつと考えていますから、
酵素補給は、食べ物だけでなく、
さらに積極的にすべきだろうと思っています。

また、病気の素は体にたまった毒素、カラダのゴミですから、
その排出のために、
食材以外のチカラを借りて積極的にゴミ出しをする必要も出てきます。

そのゴミ出しにも酵素が必要になります。

そういう考え方をするのなら、
手作りごはんと必要なサプリメント(良質なもの)を活用して
コントロールできる病気もある、
体質を改善できる場合もある、
くらいの感覚がふさわしいのではないでしょうか。

そして、何より病気を治すのは犬猫ちゃんのカラダのチカラですから、
手作りごはんにしさえすれば
病気は治る、とするのはむずかしいかもしれません。

最近の生活習慣病、
犬猫ちゃんもヒトも

「食原病」と言われるものがほとんどです。
毎日の食べ物、食習慣が病気を作ってしまっている、と。

体を冷やし過ぎたり
血流を悪くしたり
血液ドロドロを作ったり
さらに　体内にゴミを蓄積してしまったり。

それらのほとんどが食べ物によるのでは、というのが
「食原病」の意味です。

だから食事を改善すれば病気は治る。
と考えるのがごくごく自然な流れ。

病気をごはんで治そうとする治療法を「食事療法」と
言います。

少し視点を変えて「栄養療法」という言い方もしたりします。

栄養療法という言い方をした場合は、
その個体に必要と思われる栄養素を積極的に補給する
という意味から、良質なサプリメント摂取をする場合もあります。

けれど、それはごはんだけで絶対他の薬効作用のあるものに
頼らないという意味ではありません。

可能な限り適切な薬物療法、現代療法をとりいれ、
もしそれらに不安があるのなら、
その他の代替療法・民間療法など
トータルでのホリスティックなケア方法をとりいれ、

さらに食事や生活環境の改善をすることで、

より、治療効果が高まり、
それによってその個体の癒しのチカラも高まる。

そう考えていく方が自然なような氣がします。

治療を目的とするのなら、
私は手作りごはんに良質なサプリメントの摂取も
必要な場合が出てくると考えています。

さらに、私の場合は
できるだけ化学薬剤だけに頼らず、それに変わるプラスαを考えます。

そして、症状がある程度軽減したと思える段階で、
そのプラスαを調整していきます。

食事療法は、決して補助的な療法ではないと思います。
根本的な治療をめざすのなら食事療法は
必ず、と言っていいほど必要なものだと思います。

が。

明らかに症状の出ている段階で
「手作りごはんだけで病気は治る」とは言いきれないと思います。

すべてはケースバイケース。
手作りごはんにして2週間で、その病気が治ってしまう場合も
中にはあるかもしれません。

3年かかっても治らない場合もあるかもしれません。

何をすれば、この病気は絶対治る。

それは、この世には存在しない考え方なのではないでしょうか、
たとえ、完璧な手作りごはんを毎日あげても。

生命というのは、ある、限られた方程式だけで成り立つものではありません。
もっともっと神秘的なもの。

命に対して、真摯に誠実に、そして謙虚に。

いつでも、そうなれる自分でいられたらいいな～～、と思います。

愛猫・ラグドール海は重篤な肥大型心筋症という心臓病を
手作りごはんメインで　ほぼ克服できました。
現在心臓病特有の症状はありません。
現代薬にもお世話にはなりませんでした。

が。

食材による手作りごはんだけで　
今の状態にたどりつけたわけではありません。
その時に海が必要だとしたものは
すベてとり入れた。

その結果が今、だとうけとめています。
たまたまだったのかもしれませんけれど。

病気を治すのは、その犬猫ちゃんの「健康になろう」とするチカラです。
私たちは犬猫ちゃんのその時々の想いに耳を傾け、
そしてごはんを中心に
犬猫ちゃんの手助けになる「何か」をさぐりだす。

その「何か」が犬猫ちゃんの望むものなら
病気は治る、あるいはほぼ克服できる可能性が高くなる。

すると結果的に癒しのエネルギーが膨らみ、

そのコもまたパパさん・ママさんも幸せになれる。

すべては、犬猫ちゃんとの心の対話によって
決まるもの。

ではないでしょうか。

手作りごはんにすれば病気は治る　!　と
あまりにも完璧なごはんをめざしてチカラを入れすぎると、
ストレスごはんになっちゃうこともあるので
氣をつけてくださいね。

ごはんだけに意識を集中させ過ぎるのは、
病気にだけ意識を集中させるのと似ているかもしれません。

すべてはトータルでのバランス、ですね、
ま、実際にはそれがとってもむずかしいのですけれど（*^_^*）

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Last updated 2010.03.27 18:11:59

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