● なんてこったい!という一日が過ぎ
♪ 秋晴れや人工物の中を行く不平不満の三万歩弱‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 昨日、図書館で不要となった資料(本)のリサイクルフェアがあり、8時半から配る整理券を貰うためにいそいそと出掛けた。8時25分ごろ着いた時にはすでに長蛇の列。最後尾の看板を持った職員に聞くと128番目。3回に分けての入場となっていて80人定員で、持ち時間が45分間との事。 私は2回目になるので、9時45分まで待たされると分かり、整理券を貰う事なくすごすごと引き上げて来た。 というのも名古屋までウォーキングを予定していたので、スタートまでの時間が無いからだ。ピピは朝寝に入る時刻 家に戻って着替え、9時半にいざ出陣。風もなく穏やかな絶好のコンディション。4キロぐらいまでは調子が良かったのが、急に足の指が痛くなってきた。先日、ランニングシューズを新調したばかりで、下ろしたての靴を履いていた。靴下がちょっと厚すぎたようだ。 右足は何ともないのに、左の薬指の辺りがどうにも痛い。ひもを緩めたりしてもなかなか解消しない。頭に来た。こんな事で、こんな所でギブアップはしたくはない。 靴を履き直したりしながら騙しだまし歩く。しばらく歩いて電車で5つ目の駅まで来て、また痛くなってきた。目の前に駅がある。まだ6キロほど、どうしようか迷ったが、「ええい、行けえー」と強引に続行を決める。 足は少しその状態に慣れたのか、感覚が鈍っただけなのか分からないが、なんとか歩けそうだ。 そこから2つ目の駅の近く行き過ぎてから、近くに画廊があるのを思い出した。待てよ、そこに寄って少し足を休めるのも良いんじゃないかと思い直し、立ち寄ることに。 小林裕児さんのテンペラ画の個展をやっていた。あとで知ったがこの人、東京芸大卒で安井賞を受賞してる立派な画家らしい。2016年大阪でのギャラリートークの様子 女性オーナーの姿が無いので聞いてみると、身体を壊して休んでると言う。頑張り屋の人なのでだいぶ無理をしたのかも知れない。幸いにも今は退院して自宅療養中と聞いて、一安心。 代役で接客応対している女性とコーヒーをご馳走になりながら、あれこれ30分ほど話をして言い休憩になった。再び歩き出したが、麻痺していた足の痛さがぶり返し休憩の前よりも痛い。すでに11時を回っていた。意地でも止めるわけにはいかない。 天白川を越えて名古屋市に入る。歩いてこの橋を渡るなんてことはもう二度とないだろう。昼が回ったのでコンビニで買ったおにぎりを食べる適当な場所を探しながら歩くと、お誂え向きに公園があった。 歩数計を見てガッカリ。まだこれっぽちしか歩いていない。11キロぐらいか。想定で目的地まで22キロぐらいと踏んでいるので、やっと半分というところ。 途中、コンビニでトイレを借りたついでに40数年振りに買った「森永ミルクキャラメル」を舐めながら歩く。 写真になるような風景もなく、カメラなんか持ってきた意味がない。中途半端な都市というのは何とも味気ない。わが田園都市的田舎街の方が、歩いていてもよっぽど楽しいと思う。 内田橋を越えて、以前働いた事のある熱田郵便局の前を通る。時計を見ると午後1時半。「順立て」という区分ごとに区分けする作業をしている時間帯で、配達に出るのはもう少し後だ。誰か知っている「ゆうメイト」に遭うことはなさそうだ。 次の金山駅辺りで休憩したい。靴を脱いで思い切り足を解放させてやりたい。そう思いながら駅に着いても、どこにもベンチなど設置してない。なんと不親切なことか。ゆっくり寛げるものがあると、不良の族が占拠して大騒ぎしたりするのを恐れてのご都合主義的、排他的な政策だ。クソッタレ! 足の指をかばって歩くものだから、別のところ(膝の後)が痛くなってきている。 駅の構内へ入ったら、もう歩くのが嫌になってしまった。それだけ足が悲鳴を上げていたという事。突っ立っているわけにもいかず、かといって床にへたり込む気にもなれない。 とうとうギブアップ。地下鉄乗り場に向かうエスカレーターの上に。ここまで18キロほど。体力的にはまだまだ大丈夫だというのに、残り3キロちょっとが歩けないなんて、全部靴のせいだ。 目的地の県美術館に着いて、ロビーのソファーにへたり込んだ。 靴も脱いで足を投げ出す。靴下を見ると血が付いている。左の薬指の爪かあるいは中指の横からなのか分からないが、出血していたらしい。どうりで痛い訳だ。 こんなにしんどい思いをして歩いて来たというのに、歩数はたったの26,933歩。