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2018.12.07
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カテゴリ:話題・情報

♪ 蜘蛛、蚕そして蓑虫蟲たちの生み出してきしいのちの宝


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 新聞によると、ミノムシの糸を産業利用する技術を開発されたらしい。
 興和(名古屋市)と国立研究開発法人の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)が5日発表。
 丈夫さは自然繊維の中で「最強」とされてきたクモの糸をしのぐといい、将来は、防弾チョッキや車のボディーなどへの応用が期待できるとか。

  

 ミノムシの糸とは、ガの幼虫が巣作りなどのために吐くたんぱく質の糸で、太さは人間の髪の毛より細い0・01ミリほど。研究を重ねた結果、ミノムシの糸の切れにくさカイコの糸の5倍オニグモの糸の2倍あることが分かった。(クモの糸の強度は、同じ太さの鋼鉄の5倍、伸縮率はナイロンの2倍ある)

 高温にも耐え、分解しはじめる温度は340度と天然繊維の中ではかなり高く、強度のある繊維強化プラスチック(FRP)をつくることもできるらしい。軽いため航空機の機体やゴルフクラブなどにも使える可能性があるというからすごい。

 1匹のミノムシの幼虫から1回に数百メートルもの長い糸を採取することができ、ミノムシを殺さずに効率的に糸を採取する方法も見つけたという。

 興和は現在、日本の在来種のミノムシ2種を数万匹規模で飼育し、素材メーカーと協力して糸の量産化をめざしている。将来的には、大量生産でカイコと同規模の生産コストに抑えたいという。
 事業化する具体的な時期は未定だが「この糸にはさまざまな可能性がある。応用を利かせたい」と興和の三輪芳弘社長。


 自然界の生物をヒントに「バイオミメテックス」の世界が広がっていますが、今回のミノムシの糸をそのまま使うというのはそれとは違ってもっと直接的だ。
 蚕からシルクを作り上げたのと同じ技術なわけで、蚕のように如何に効率よくミノムシを繁殖させ糸を抽出するか。成否はそこに係ってくるわけですね。蚕よりも手間がかかりそうだということは想像できますが、ハイテクの時代だけに画期的な技術が開発されたのでしょう。

 昔、ミノムシの蓑をたくさん使って作ったバッグと財布などがありました。ミノムシの纏っている袋状のものは、引きちぎって裂こうとしても絶対に破れることがない程丈夫なもの。もっと早くその特性を利用した新素材が出て来ても良さそうに思っていましたが、ようやく日の目を見ることになったんですね。

 
 蚕は、卵から孵化したばかりの蚕は体長3mmほどの幼虫が、約25日間の間に脱皮を4回繰り返し、1万倍の重さに成長。桑の葉を食べなくなり身体が透き通るように変化した蚕を、繭をつくるために仕切られた「回転蔟(まぶし)」に振り分ける 。そこで糸を吐いて繭をつくり、繭の中で脱皮して蛹になり、成虫になる前に繭として出荷される。
 養蚕が盛んだった昭和。菓子パン1個、切手1枚が15円だった頃に、蚕1頭が10円だったとか。

 製糸工場では、農家から運び込まれた繭をすぐに蒸気の熱で繭を乾燥させ、成虫の蛾になる前に殺してしまう。糸を引いた後の蛹は鯉のエサになり、加工する際に余ったクズは釣りエサになる。

 糸同士を接着しているセリシンは水に溶けやすい性質をもつため煮て接着を緩めておき、糸口を探し出しいくつかの繭の糸口を何本かよりながらまとめていき(繰糸)、目的の太さ・長さの1本の糸にしていく。手繰が機械化されて効率がアップした。

 繰糸で巻き取られた生糸は130%ほど無理に引き伸ばされて乾燥しているため、そのままの状態にしておくと、弾力性に乏しく切れやすい糸になってしまう。生糸を本来の状態に戻し、強さ、光沢、柔軟性、風合いなどを整える「揚返し」作業をする。(糸を湿らせ、セリシンの接着力を弱めてほぐれやすくし、低張力で大枠に巻き取る。)
 その後、水分量を安定させるために温度20~30度、湿度70~80%に調整された湿気室で一晩寝かせ、安定した状態に整える。

 これだけの工程を経てようやくシルクの糸が出来上がるわけだ。

 ここで使われている技術をさらにハイテク化して応用するか、あるいは全く新しい発想で行われるのか、或いはその両方か。
 ミノムシの幼虫を殺さずに糸を取り出す技術を開発した、というところが如何にも今風だ。遺伝子操作で何年も生きる幼虫や、より大きな個体を作り出し、大量生産のための効率のいい方法が、AIの導入などもあって開発可能になるのだろう。人間の出る幕は少なさそうだ。




 アメリカのKBL(Kraig Biocraft Laboratories)社は、蚕の染色体に、クモの特定の遺伝子を導入することによって「モンスターシルク」を作り上げたとか。生産量倍増にも成功している。
 遺伝子組み換えを施された蚕が、クモの糸とほぼ同じ性質を持った絹糸を産出するというのだ。糸の柔軟性、強度、靱性は、DNAの塩基配列(シークエンス)を操作することで変えられるらしい。






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最終更新日  2018.12.07 09:22:23
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