3584483 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

歌 と こころ と 心 の さんぽ

歌 と こころ と 心 の さんぽ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2020.07.11
XML
カテゴリ:身辺のこと

♪ 雨の午後とどきし本のなつかしき時間のなかをさかのぼりゆく


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ランキングに参加してみました
歌 と こころと 心 の さんぽ - にほんブログ村
 京都の古い友人から、出版展示会のDMを添えて本が送られてきた。

 
拡大します

 山科に住む「つづれ織り」作家・吉田一之と「児童文学作家」の吉田道子夫婦。温和で柔順な夫妻は小さな家につつましくも確かな人生を送っておられる。庭に植えた1本の桜。大きくなってゆく間に、様々な出会いと思い出を作り出してきた。
 毎年その満開の花をめでるために、友人知人が交代でやって来ては二階の窓からそれを眺め、飲んで食べておしゃべりをしてゆくという。近所のシンボルツリー的存在でもあるらしい。今では家をおおい隠すほどになって、小さな庭の地面下にはその巨大な根が家を守るがごとくに広がっている。

 その桜と暮らしぶりを観てきた古い友人─「APIED(アピエ)」という文芸誌の編集・発行をしている女性─が本にしたいと、ずっと心に温めていたらしい。昨年11月、三年間の取材を経て素敵な本が完成したのだ。編集の女性には私もずいぶん前に一度、三千院の近くにある「Apied cafe」でお会いしたことがある。友人はその文芸誌APIEDに寄稿もしていて、いただいて読んだことがある。なんだかとても懐かしい。

桜にの木が一本

 吉田一之氏は、つづれ織りの技法を駆使してクールなちょっとシュールな抽象的な絵を織り出す「手織りつづれ」の作家。5年ほど前に大動脈解離を起こし、20時間に及ぶ大手術を経験している。かなり危険な状態だったらしい。1943年生まれなので72歳の時か、今の私と同じころということになる。さぞリハビリも大変だっただろうと思う。その長時間の手術の後遺症が少しあるものの元気を取り戻し作品制作も始めていて、近くグループ展も控えているらしい。

 前日に電話で話をしたばかりで、その直後に本を送ってくれたようだ。桜と生活の様子が、写真と奥さんのエッセーとで構成されている。泊めて頂いたこともあるのでとても懐かしい。本がたくさん並んでいて、思想や哲学の欠片が壁や古びた絨毯に滲み込んでいる様な、知的で独特な雰囲気のあるその家。
 お二人の静かでおおらかな日々が目に浮かんでくる。本質を見失わない、あるべき生活の姿がそこにある。さすがに道子さんはプロだ、その文章は押しつけがましさや誇張のないかつ過不足のないもの。その飾らない人柄と知性がにじみ出ていて一気に読んでしまった。

つづれ織り 吉田一之
左 「ジャズ」      右 「空白の五カ月」

 京都の河原町での個展を控えて作品制作中に倒れ、その時に織っていた作品が未完成になっていたらしい。退院後、その未完成品を闘病期間の五カ月をタイトルに「空白の五カ月」として出品。彼らしさがこんな所にも現れている。
 従容さの中に剽軽なところもあって、諧謔も得意とする。こちらにも多少そういう部分があって、別れ際にバスの中から投げキッスをすれば、パッと受けて地面にたたきつけられたりする。岩手訛りの彼はいつも飄々としているが心使いの細やかな人で、一緒にいると心がほんわかとしてくる。
 入院中の事は何も覚えていないらしく、不安で心細い思いをしていた奥さんは、ただ呆れるしかなかったらしい。

 三カ月だけだが、私も京都に住んでいたことがあり、とても愛着がある街だ。ジャズが好きなので幾つかあったジャズ喫茶にもよく行った。
 彼とはずいぶんご無沙汰していて、入院・手術のことも後から聞いた。淡交を旨としている私は密な交流は苦手だが、何年振りかに電話をしたりして相手を驚かすことがある。
 「ジャズ」という作品を織っていてたなんてまったく知らなかった。彼の声を聞き、本を読んでまた懐かしさがこみあげてきた。
お帰りの際にポチっと ブログランキング・にほんブログ村へ クリックお願いします
にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2020.07.11 17:00:25
コメント(0) | コメントを書く


PR

プロフィール

sunkyu

sunkyu

カレンダー

バックナンバー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)

「アーカイブ」
◎ Ⅰ  短歌
◎ Ⅱ 知っていて損はない話 健康と生活編
◎ Ⅲ 興味深いこと
◎ Ⅳ 興味深いこと パート2
◎ Ⅴ 自然界 地球 異常気象など

フリーページ

コメント新着

sunkyu@ Re[1]:★☆ 日本語の韻音とイメージ(10/16) やすじ2004さんへ 最高の季節ですね。お…

© Rakuten Group, Inc.
X