♪ 図々しいくせに繊細 厚かましいのに小心な一匹オオカミ
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なんかこういう話好きだなぁ。子に対する親の心配りや見守っている目線の暖かさなど、慈しみというかしっとりとした温かみが感じられてジンとくる。
拡大します 相手の娘とこの子の心をくみ取りながらも差し出がましい事は言わず、やさしく見守っている姿勢がいいね。
自分は、いわゆるサンドイッチ現象で、親の愛に飢えているだけの子どもだったので、とりわけこういう話には弱いかも知れない。
戦後の混乱期から大変な思いをして5人を育てて来た両親。4番目の捻くれ坊主には手を焼くことはあって、充分に愛情を注ぐ余裕などなかったのだろう。親を有難い存在だと思った事が無く、いつも何かに飢えていた。弟に当たり散らしたりもし、親から見てもどうしようもない子どもだったに違いない。一人っ子が羨ましかった。
そんなことが根底にあって、何ものに対してもレジスタンス、反抗的な態度を取っては世間を斜に構えた生き方しか出来ない歪んだ人生だった。“三つ子の魂百まで” もし、もっと違う家庭環境に育ったら全く違う人生だったろうと恨みに思う事も多かった。
他人と同じというのが気にくわず、群れることが嫌いで集団行動が出来ない、あぶれもののアウトサイダーは付和雷同などもってのほか。私利私欲のために己を殺して生きていくなんて、最大の屈辱と言って憚らない。
しかし、誰もが何かしらの問題を抱えて生きているはずで、甘っちょろい事を言っているんじゃないという声も聞こえてきたりする。何だかんだで70年が過ぎ、ちっとも成長できないまま死んでいくのかも知れない。
こんなくそ爺を無垢な孫が好いてくれる。それは、邪な所のない澄んだ目で見つめられて、恥ずかしい自分をベールに包み隠しているからだろう。子ども扱をせず、ちゃんとした人格を持った人間として接しようと心掛けているのも、孫にとっては心地いいのかも知れない。
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