♪ 危機感の日々に薄らいでゆくさ中コロナ死者数万人を超す
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夜中の4時半に起こされたって、爺さまが欠伸を連発している。今日中に返さなくちゃいけない本を読みながら、「あいつが悪い、アランのせいだ! ちっとも本が先に進まんわぃ」ってボヤいている。
以前は2階から出入りさせてもらっていた夜の生活。東側の空き部屋の窓をネコが通れるほどに開けたままにしてくれていた。その前は、西側の寝室の窓のところで、「いれて」って、小さな声で鳴いて開けてもらっていたことがあったんだ。
隣家が更地になって塀が無くなってからは2階に上がれなくなっちまった。それで爺さまがキッチンの掃き出し窓に、猫用のスウィング式小窓を作ってくれたの。だから今は、夜もそこから自由に出入りできるんだ。
それなのに、アランはどういうわけか2階に上がって、爺婆さまの寝ている窓の下へ行って開けてもらおうとする。それもだ、何故かあいつは声を出さないの。どうしてか知らないけど、鳴いて訴えることをしないんだ。戸をカリカリやって、その音で目を覚ました爺さまが開けてやってる。婆さまは、耳が悪いのでその微かなアランのシグナルに全く反応しない。それでいっつも爺さまが起きる羽目になる。その時間がいつも4時過ぎと決まっているからねぇ、爺さまには嫌な時間帯だろうと思うよ。
アランはどうやって屋根に上がっているのか、爺さまは不思議でしょうがない。婆さまが以前、アランがこっちの屋根から斜向かいの隣家に飛び移ったのを見たことがあるらしい。僕にはできないけど、あいつならできそうだ。どうもそれしか考えられない。
いつも爺さまが作ったキャットピラーで鍛えていて脚力はあるし、高いところから飛び降りるのもへっちゃらだからねぇ。屋根を飛び移るぐらい朝飯前だろう。
それで爺さま、本当にそうなのか確かめに行った。下から眺めると「なるほど近いなぁ、アランならこの程度の距離は訳ないわ」。
上から見ればこんな感じか。あの向こうの塀をささッと上って屋根に乗り、こっちに飛び移って来るって寸法だな。謎は解けたぞ。だけど、これを防ぐ方法はなさそうだねぇ。
しかし、なんでわざわざそんなことをするのか、僕もアランの気持ちになって考えてみよう。とにかくやつは甘えん坊で寂しがり屋なので、いつも誰かのそばに居たがる。そういうやつだから、たまたま夜の外出から直ぐに爺婆さまのそばに行きたくなる日があるのかも知れないなぁ。誰もいない台所から入れることを無視して、2階に直行しようとするのかも知れないな。
寝不足が苦手な爺さまが、まあ、滅多にないことなので大目にみるけど、たまたま本を読まなくちゃならないなんて日にはご免こうむりたいって。恨めしそうに屋根を見上げていました。
「このブログは2020年8月22日より、飼い猫ピピの目線で書いています。タイトルの頭に ◇ が付いてますが一部例外があります。日によって文体が違ったりしますが、未熟さを面白がりつつやり過ごして頂けるとありがたいです。」
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