♪ 純白の丸き花びら散る時にああという声 雨の夕暮れ
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スウェーデンは、「就学前の保育園から民主主義を教え、日々、水をのむように民主主義に接する国」だそうだ。政治を身近なものにする施策がなされていて、多くの若者が社会への高い参画意識を持っているという。
スウェーデンの学校には「民主主義を教えるミッション(使命)」があり、教員はその役割を果たす義務があると明確に定められているという。模擬選挙や、地域の政治家を招いた討論会が実施され、選挙期間中は、近くの広場に「選挙小屋」が設置されて、候補者や党員が選挙キャンペーンを実施しているんだとか。学校は生徒にここへ足を運んでもらって、主義主張をインタビューする宿題を課すなどして、未成年であってもできるだけ実際の政治に触れることを積極的に指導しているという。
比較 年齢別投票率
しかし昨今では、この国でもソーシャルメディアの利用が加速しフェイクニュースが飛び交い、政治に関する報道や情報が錯綜しているという。
過激な主義主張を掲げる政党が躍進していて、そのような政党が模擬選挙の討論会のために来校した際に、生徒が来校を阻止するというような事件も実際に起きているという。
学校としては、
★そのような政党を学校に招かないという判断をしていいのか?
★その様な騒動が起きないようにするには、どうしたらよいのか?
★起きた場合にはどの様な対応をすれば良いのか?
★過激な「民主主義」ではない、熟議を基盤とした民主主義を教えるにはどうしたらよいのか?
そんな疑問を模索する状況に置かれているらしい。
そのため、政治や民主主義について知り、学校を越えた社会への若者の影響力を高めるように努めているんだとか。それで、生まれたのが「Prata Politik! 政治について話そう!」という冊子というわけだ。「スウェーデン若者市民社会庁」が主催者教育の指南書として作ったものだとか。
●どのような方法で教えればよいのか。どんな準備が必要で、評価やフォローをすればよいのか。
●どのようにすれば生徒に政治に関心を持ってもらえるか。授業でどうすれば発言がしやすくなるか。
●特定の政党に偏ることなく中立を保ちながら、どのようにして政治を教えれば良いのか。
●そもそも中立とはどのような学校教育や民主主義の理念に基づけば判断できることなのか。
●政治家を招いた討論会をするにあたって、どんな質問をしたらいいか。
●そもそも学校が教える「政治」や「民主主義」とは何か。 |
スウェーデンでは、「他人に無関心で、お節介をしない。でも、助けを求めると手を差し伸べてくれる」。それは「一人一人に“自分か自分”という軸があるからだ」と気付いたのだという。「まず自分がどうしたいのかを考える。」だからこそ、他の人もそうする権利があると考える。
これらの記述は「グレタだけじゃない?政治に参加するスウェーデンの若者」日本語版 翻訳プロジェクトの記事から引用しています。「 政治について話そう!」が無料でダウンロードできるようになっています。
そう、国連であの怒りのスピーチ「あなたたちの裏切りに気づき始めています」をしたグレタ・トゥーンベリは、スウェーデン人なんですね。彼女が世界の大人たちに訴えた行動の背景には、こういう教育が有っての事なんです。
政治に対する関心度
スウェーデン現政権において、22歳の国会議員が2名いて全国会議員の約10%が30歳以下だそうです。
スウェーデンは、大航海時代(ポルトガルやスペインが航路で世界中へ向かった)より遥かに遡った、9世紀から11世紀半ばまで「ヴァイキング」(北欧一帯に暮らす民族集団)が、船で世界各国へ向かい交易や侵略を行っていたという歴史があった。そういう民族的な特徴が根底にあって、新進気鋭の前向きな意識を持った人物が生まれやすいのかも知れない。
護送船団方式で発展させて来た日本との違いは、覇権の歴史の深さと個人の意見が尊重されるということでしょうか。日本は、極東という豊かな国に甘んじてきたものがある日、他所の世界を知ってその世界(世間)知らずを恥じてしまった。それ以来、国を挙げて短い期間に富国強兵、殖産興業を目指して突っ走ってきた。その時の組織的仕組みから、未だに抜けきれないでいる。
洞の中にキノコが生えているような政治がいつになったら変わるのか。まんまと政治家の思うつぼに嵌められて生活に喘いでいる若者が、政治を勉強する機会さえ与えられず縮こまっている。それを打破するために、少しでも政治への関心を高めるためにも、この本を活用して欲しいと思う。
それにしても1冊3,000円は高い。幻冬舎あたりが出版して、広く若者たちにも手の届きやすいものにしてほしいものだ。
立憲民主党代表・枝野幸男が、何らかの方法で広めたらいいと思う。そうすればもう少し彼の評価が上がるかも知れない。
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