♪ 引っ越し魔に憧れたりはせぬ吾は部屋を移ればこころ安けし
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あの「魔女の宅急便」の創作エピソードが面白いので取り上げてみました。「魔女って何なのかだろう?」という疑問から調べていって、「母親」に行きつく・・・
魔法は何でもかなえてくれるものじゃない。自分の願いを「発見」し、その願いを育てる「努力」を続ける。そこには苦しさもあるけど、「喜び」があって、そういうものから魔法は生まれると思った。「だから魔法は誰にでもある」
長年『魔女の宅急便』を書いてきて、あるとき「これがテーマだったんだな」と思った。
作家はこういう事をよく言いますね。「自分って、こんなことを思っていたんだ!」と、思いもよらないものが内側から出て来て驚くことがあるって。これこそ作家冥利に尽きる事じゃないでしょうか。彫刻家は「素材の中に眠っているものを彫り出していく作業だ」と言うし、音楽家は「降ってきた音を音符に書く作業をしているだけ」とか言う。
「無から有を生み出す」というのは、こういう事を意味しているのでしょう。天啓とか啓示とかにも似て、目に見えない何かがそうさせる。そういう境地とかゾーンに到達するには何が必要なのか、あるいは何が無い方が良いのか。スピリチュアルな世界に入ること事と関係があるのでしょうか。
「創造する」ことは「想像する」こととつながっていて、すべては「想像する」ことが出来るか否かに掛っている。思慮深くして森羅万象にこころを向けることこそ、「創造する」ことなのでしょう。
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二日前にPC机を隣の部屋に移して以来、すごく落ち着いた気分でいる。外の景色も変わったけれど、部屋そのものが落ち着いた雰囲気なのです。すぐ右の壁には大きな鏡があって、時どき自分の姿をみては、「俺っていつもこんな顔をしてるんだ」と再認識したりしている。
葛飾北斎やベートーベン、江戸川乱歩や志賀直哉、ゴッホもよく引っ越しをしたらしい。確かに気分は変るだろうけど、実際に引っ越しをするとなると結構めんどうだ。考えただけで気が萎えてしまう。「引っ越し貧乏」なんて言葉もある。
部屋を変えるだけでこんなに効果があるなら、たまにはした方が良いのかな。そういえば吾がカミさんは、部屋の模様替えが好きでいつも「どうしようかなぁ」と考えているなぁ。TVの位置が今まで何度変わったか。その度に配線のやり直しをする羽目になる。確かに気分は変るし、より良い方へと変えるわけだからそれなりの効果はあるわけだ。
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