♪ 人の世に紛れて生きるものたちよあまねく空の広さに生きよ
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まったく、猫好きの家に拾われて僕もアランの幸せ者だよなぁ。爺さまも僕の背中を撫でたりポンポンしながら、「お前は幸せだぞー、感謝しないとなぁ」なんて、よく言ってる。アランにも同じことを言ってるんじゃないのかな。
ときどき擦り寄ってその期待に応えてはいるよ。朝、爺さまがトイレに入って座っていれば必ず僕も入って行って、あちこちに顔をこすり付けて喉を鳴らすようにしてるし・・。
アランだって、そりゃあもう甘えっぱなしで、爺さまの後を付いて回ったりしている。擦り寄るなんて当たり前で、今でも夜中に外から帰ってくるとベッドの上に乘って寝てたりする。ゴマ擂ってるって訳じゃないんだろうけど、婆さまの方へも行ってる事がある。甘ったれだから誰でも良いんだよ、あいつ。
僕はもう立派な大人だから、アランとは違う。あいつがかわいいと思うこともあるけど礼儀を知らないからなあ、時どきうっとおしくなる時がある。周りの様子が変わってしまったけど他所へ行く気はないし、ここで死ぬまでノンビリ暮らしていければ別に文句はないね。
工事中はうるさいけど寝てるだけだし、音さえ我慢してれば夕方5時には静かになるからね。滅多に人が通らないこの路地が僕はそこそこ気に入ってるんだ。この舗装の上の砂で背中をくねくねしてると気持ちがいいんでね、叱られたりもするけど止められないの。
アランが来なければ爺さまのPCの部屋は極楽なんだけどアイツにとっても同じらしく、一緒になる時がある。そんな時はちょっとイラつくこともあるけど、爺さまが好きなんだから我慢する。
庭でトカゲを追いかけることは無くなったけど、家の中にいるとなると話は別だ。アランが逃がしたやつが気になってねぇ。若い時を思い出してちょっとだけ血が騒いだりする。
PCの部屋に入ってもアランのやつは決してジッとしてなんかいられない。外へ出たがって屋根の上から外を眺めてはご満悦だ。気が強いのか臆病なの分からないところがあるし、若いもんの行動がさっぱり読めない。でもまあ、他愛ないけど憎めないやつだね。
「このブログは2020年8月22日より、飼い猫ピピの目線で書いています。タイトルの頭に ◇ が付いてますが一部例外があります。日によって文体が違ったりしますが、未熟さを面白がりつつやり過ごして頂けるとありがたいです。」
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