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2021.07.02
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カテゴリ:音楽

♪ 遠くから近づいてくる音ありて気付けば遠く名残の尾灯

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 土岐英史(ときひでふみ)が6月26日、がんのため亡くなったというのをニュースで知って驚いた。まだ私よりも若い71歳。
 高校在学中の16歳でプロデビューし、鈴木勲のグループに参加したのち、1971年宮間利之とニューハードにリード・アルトとして入団。日野皓正クインテットなどに参加し、70年代のジャズシーンで活躍していた頃にその名を知ってはいたもののライブを観る機会はなかった。

 きのう何気なくYouTubeを点け、“そういえば土岐英史が亡くなったんだなぁ” と思い、「シャープス&フラッツ」の “原信夫も6月21日に亡くなったんだっけ” って、急に日本人のジャズを聴いてみたくなった。
 原さんは94歳で大往生だったけど、土岐英史( “えいじ” だと思っていた)さんはまだ若かったのに、どうしたんだろう。最近の彼の事をまったく知らないのを恥じた。

 それで検索で呼び出して最初に出てきたのが晩年の「アトリエコンサート」で、ピアニスト片倉真由子とのデュオによるライブ演奏。

土岐英史「After Dark」―Days of Delight Atelier Concert― vol.4
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2019年4月(クリックでYouTubeへ)

 これがすごく良いのです。こんなに上手い人だったんだ!って、山下達郎のサイドメンバーとして長年活躍していた人という印象をはるかに凌駕している。洋楽かぶれのまま年を取った狷介なジジイは浦島太郎になった様な気分だ。

 2019年7月に腸炎にかかって長期間入院したらしいので、その前の円熟の極致にあった演奏だったのかも知れない。11月にこの時と同じシチュエーションのアルバムがリリースされている。

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””””

 このピアニストの片倉真由子もすばらしい。日本人でここまでジャズを弾ける女性は(上原ひろみは別格として)居ないんじゃないかな。認識不足かも知れないけど・・。フレージングが多彩でイージーな部分がなく、最初から最後まで飽きさせない演奏はもうジェンダーの見本のような見事さだ。

土岐英史+片倉真由子『After Dark』から「枯葉」のレコーディング風景
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録音場所は南青山・岡本太郎記念館。岡本太郎のアトリエ



土岐英史 × 片倉真由子『My Foolish Heart』
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土岐英史「Picasso’s Holiday」 Full
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『Black Eyes』の発売を記念しての秘蔵映像
土岐英史:as/市原ひかり:tp,flh/片倉真由子:p/佐藤‘ハチ’恭彦:b/奥平真吾:ds


「 Missing What? 」よりAfter Dark
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土岐英史 (as,ss), 中島朱葉 (as), 片倉真由子 (p), 坂井紅介 (b), 奥平真吾 (ds)
 2016年のリリースで、アルバムデビューから40年目、6年ぶりのオリジナル・アルバム。

 片倉真由子は、1980年生まれの仙台市出身。ジャズ・ピアニスト、片倉加寿子を母に持つ。幼少よりクラシック・ピアノを学び、洗足学園短期大学入学と同時にジャズ・ピアノへ転向。 同大学を首席で卒業後、バークリー音楽大学、ジュリアード音楽院に入学。
 ケニーバロンに師事。留学中より、ハンク・ジョーンズ、ドナルド・ハリソン、 カール・アレン、ベン・ウォルフ、エディ・ヘンダーソン、ビクター・ゴーインズ等と共演する。2006年、Mary Lou Williams Women In Jazz Piano Competitionで優勝、Thelonious Monk International Jazz Piano Competitionのセミファイナリストに選出される。2008年に帰国し、現在は自己のトリオをはじめ、山口真文、伊藤君子、竹内直、土岐英史、寺久保エレナ、レイモンド・マクモーリン、ジーン・ジャクソントリオ、北川潔トリオのグループなどで活動。洗足学園音楽大学非常勤講師。


 トランペットの「市原ひかり」は、1982年生まれの中堅で、彼女の演奏もなかなか良い。中学入学と同時にトランペットを始め、その後進学した洗足学園音楽大学でジャズを学び、原朋直(tp)に師事。2004年に山野ビッグバンドコンテストで優秀ソリスト賞を受賞。翌年、アルバム『一番の幸せ』でメジャー・デビュー。ポップなセンスを持ち味とした、クロスオーヴァー的プレイが魅力とか。2010年3月、通算5枚目、“市原ひかりグループ”名義としては初のアルバム『Move On』をリリースしている。

 片倉真由子、市原ひかり鼎談「ジャズの魂」というのがあって、実力者二人の興味深い対談がたっぷり楽しめる。

””


 改めて円熟味のあるベテラン土岐英史も演奏を聴いてみると、これがなかなか良いことを今更ながらに感銘している。亡くなって再評価され、改めて注目されるというのはよくあるパターンではあるが・・この歳になって気付くというのはいくらなんでも遅すぎる。

 脱サラして以降、自分の事で精いっぱいでコンサートに行く余裕もなかった。毎日が必死の制作三昧で、いつしかジャズシーンからも遠ざかってしまっていたので、90年以降の日本ジャズの動静を全く知らないまま年月が過ぎてしまっていた。

 昨夜は、NHKで布施明の特集番組を観ていた。まだまだ現役で頑張っている。紆余曲折はあるにせよ、もがきながらも現役でいる事の凄さと素晴らしさを思う。彼も´47年12月生まれで私とほぼ同じ世代だ。沢田研二も´48年6月生まれで現役でファンを捕まえて離さない。団塊の世代はみんなしぶとく頑張っている。私も “もう少し頑張れるんじゃないのか” と思わせてくれる。

 才能がない者が、生き恥を晒しながら後進の道を塞いでいるのは良くないと思うし、「お前に何が出来る?」と言われると困るなぁ・・





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最終更新日  2021.07.03 16:44:43
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
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