♪ 立て続けに伊能忠敬パガニーニ自己超越レース見て立ち尽くす
すごい日本人がここにも。ジャーニーランをする日本人は世界的に見ても多い方だろうと思いますが、その中でもこの人は破格だね。田中陽希は先ごろグレートトラバースの日本三百名山一筆書きを終えたところで、彼もすごいがもっとすごい。
ここにある「日本山岳耐久」「米大陸横断」「ドイツ縦断」「欧州縦断」「フランス1周」のうち、「米大陸横断」を経験した人を知っていますが、その人はあまり多くを語らない人だったのでその過酷さなどはあまり分からないでいる。
246kmを走破するスパルタスロンでは、標高は海抜0メートルから1200メートルまで、舗装路、トレイル、山岳コースによって構成される過酷なもの。2019年は日本人が41人参加して19人が完走している。
1997年に始まったこの耐久走「シュリチンモイ自己超越3100マイルレース」は、1周約883メートルのコースを計5649周、1日に走る距離が最短でも平均約96キロに及ぶ過酷なレースらしい。3100マイルは、東京から直線で米アラスカ州やバングラデシュまで到達する距離だとか。
レースは9月5日開始され、朝6時からの18時間が競技時間で睡眠は1日約5時間。コースはニューヨーク・クイーンズにある高校などを周回する歩道で、平日は登下校中の生徒の中を走るというもの。「883メートルのコースを5649周」するという、変化のないコースを51日間(1か月半)ずっと走り続けるなんて、まさに修行のようなレースだね。
社会にうまく適合できないという意識は多かれ少なかれ、誰にでもあるんじゃないでしょうか。私にもその傾向はあって、若いころは随分苦しんできた。就職で面接を受けて、翌日から行くことになっていたのをすっぽかしてしまったこともある。自分の場合は適応障害というよりも対人恐怖症に近いものがあった。通っていた専門学校を中途退学してしまい、そういう自分を変えたくて、バイトで稼いだ5万円を持って体験旅行と称し、1年の放浪生活をしたりもした。自信は付いたものの根本的な部分はそう簡単には治らない。人間不信というものも抱えていて、人との関係もうまく結べない傾向があったが、さすがに今は無くなっているものの、組織の中にいることは苦手のままだ。
笑顔を見せる瀬ノ尾敬済さん=9月26日(ニューヨーク)
この横浜市の看護師瀬ノ尾敬済さん(38)はうまく社会に適応できないと自覚しつつも、走ることが得意だという天賦の才能があることで救われている。内面に抱えている負の意識がエネルギーになっている。そう、人は押しなべてそうやって生きている。人は、自分の欠点を自覚したときにベクトルの向きが変わって、逆に強くなれるのです。
私はブログを毎日書くことを始めたのが2005年3月23日、一日一首の短歌をアップし始めたのが翌06年の5月8日だった。それからずっと(やむを得ず抜けた月と日が少しある)書き・詠み続けてきたのも、ベクトルの向きが変わってのことだろうと思う。ずいぶん遅い変化ですが、生活環境の変化とか様々な要因で紆余曲折の果てに、ようやく辿り着いたというところでしょうか。
人生に順風満帆なんてありえない。あったと思ったのも束の間で、必ず何かが心身に覆いかぶさってくる。それを手で払い身をすくめて、なんとか波の静かな入り江に逃げ込んでやり過ごす。みんなおんなじ道を生きてるような気がします。
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