♪ 立看のつぎは幟をはためかせ売り急ぎめく残り三筆
へえー、こういう家になったんだ。2軒目とモデルハウス、足場とネットが取り払われた。
2軒ともなんか威圧感があって、ヤクザの事務所みたいな感じだなぁ。決して親しみを感じるようなものじゃない。お隣さんに、縁側から「こんにちは~、おすそ分けです」なんていうのは昭和までの話。こんな排他的な感じの家では声も掛けられない。
コロナ禍を経験して価値観が変わっていくだろうと思っている時に、こんな家に住むのは時代に逆行しているような気がしてしょうがないんだが。住めば都とは言うけれど、後々後悔しなければいいんだけどねぇ。
線路に挟まれた袋小路のような環境が嫌われているのか。余計な人達が入り込んでこないという意味では却って好都合だけど、開けた感じがないのも確か。いくら立地が良くてもそういう意味ではちょっとせせこましいのは否めない。
この注文住宅は柱や梁などにも集成材がふんだんに使われている。端材が分別されて捨てられていて、3寸5分ぐらいの柱の端材も捨ててあったのを見た。どこに使われたものなのか、表面に薄い無垢材が貼り付けてあった。構造体というよりも部屋の見えるところに使われたものだろう。
集成材は、原料となる丸太から、2~4cm程度の厚さに切り出される『ひき板』(ラミナという)や小角材を乾燥させ、厚さ、幅及び長さの方向に接着した木質材料で、強度が高いため、住宅の柱や梁・桁、土台に使われていて狂いが少ないのが特徴だ。
しかし、これがとても重い。厚さ30㎜ほどの端材板状のものを持ってみたら、すごく重いので驚いた。密度が高いのだから当然かもしれないが、かなり重いので頑丈なのだろう。
奥がモデルハウス
北玄関の家だ
モデルハウスには集成材は使われていないようで、家の作りが全く違うのがこのことでもよくわかる。30年もするとガタが来るんじゃないかと思うが、その分値段も安いのだろうから単純に比較はできない。
残り3筆の評判がどうもイマイチらしく、「現地見学会・スタンプラリー」なんかやっていたようだが、見学に来る人も少なかったようだ。思ったより不人気で少し焦っているように見える。
そんなに焦らなくてもいいと思うが、最初の造成からの工事状況を見ているので色々資金も掛かっているはわかる。3か所を同時に売り出しているので、資金繰りは大変なのかもしれない。
しかし、先にこんな威圧感のある大きな家を建てられては、モデルハウスのタイプと比較して安価な家は建てにくい。この加藤連合の提供する家がこのようなスタイルに限定されているとなると、なかなか決まらないのも分かるような気がする。
なんとも落ち着かない空間の多いこの風景は、住環境として必要な情緒的な要素が全くない。この状況がこのままず~と続いてもらっても困る。垣根や生垣などなく、木も花もない砂漠のような風景を毎日眺めて過ごすのは、残り少ない晩年に似つかわしくない。
「ぽつんと一軒家」には高齢になっても、元気で生き生きと暮らしている人がたくさん登場する。やるべきことがあってそれに充足されている暮らしは、本来の人間の生きるべき姿として押し付けなく見せてくれている。昨日の放送では、梨園の後継者がいないのを苦にしていた以前の放送の後、女子高校生から是非、後を継ぎたいという連絡があったとのこと。
一昔前なら考えられなかったことが、今起こっているしこれからも起こっていく。そんな新しく生まれ変わる社会を、こんな不毛地帯のようなところにいて見届けていくのはなんとも味気ない。
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