♪ 外来種長柄の蔓野鶏頭はしぶとく生きるロシアに似ている
「地球上で最悪の侵略的植物」とまで言われるナガエツルノゲイトウが少なくとも20府県で確認されていることが分かっている。繁殖力が強く、ため池や農地に一度侵入すると根絶は困難で、大繁殖して、水稲の大幅減収や農業水利施設の目詰まりを引き起こすため、警戒を呼び掛けている。
「ナガエツルノゲイトウ(ミズツルノゲイトウ)」は、南米原産の多年草で、国の特定外来生物に指定されている。最大の特徴は繁殖力の強さで、わずか2センチほどの断片からでも芽や根を出して増殖するという厄介な植物で、駆除が難しいとため農業関係者は警戒を強めている。
高さ0.5~1m以上に成長し、茎は太さ 4 mmほどで中空構造になっているため水に浮き、流れついたところで繁殖する。そして、主根を土中深くまで伸ばすため引き抜いて駆除しようとしても、わずかでも主根が残っていればそこから再生してくる。
発生農地で草刈り機やトラクターを使うと、散らばった植物片から爆発的に増える恐れがある。
陸水両生のとんでもない奴だ。一度侵入すれば根絶は極めて難しい。
国立環境研究所によると、1989年に兵庫県尼崎市で初めて発見されて以降、現在までに千葉、神奈川、静岡、滋賀、京都、大阪、兵庫、徳島、香川、福岡、佐賀、熊本、鹿児島、沖縄の14府県で分布を確認。さらに、日本農業新聞が7月上旬、各県に聞き取りなどを行ったところ、同研究所が把握する以外に茨城、三重、奈良、島根、山口、長崎の少なくとも6県で確認されていることが分かっている。
必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではない。
「全国で最もため池密度が高い地域」とされる兵庫県の淡路島。島中西部にある農業用ため池「本田池」(洲本市)でもナガエツルノゲイトウが深刻な被害をもたらしているらしい。初めて確認されたのは2020年10月。近隣のため池に比べて水草が異常に繁殖していることに違和感を感じ、県に問い合わせたところ発覚した。当時は池の3割を覆う程度だったが、1年でほぼ全面を埋め尽くすほどに増殖。水面はほとんど見えず、辺り一面に草むらが広がっているらしい。
遮光シートで覆って光合成を阻害し枯死させ、腐らせる方法を試験的に導入しているものの、ガスでシートが破れたりする。それを補修しながら根絶に向けての闘いの日々で、数年かそれ以上かかるだろうとのこと。
カタカナ表記することに決められているため分かりにくいが、蔓性の野鶏頭の仲間で、「長柄 蔓 野鶏頭 」と書くらしい。
ロシアのウクライナに対する侵略的横暴とか、中国の民族支配と覇権的横暴とかを見せられていて、「ナガエツルノゲイトウ」のニュースがそれに重なって見えてくる。
チンギスハンやオスマントルコの時代は別にして、世界が一つになろうという夢を抱きながら悶え苦しんでいる現代において、社会主義の生き残りをかけて侵略に必死の両国はナガエツルノゲイトウを羨ましく思っているんじゃないだろうか。
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