♪ 萌えいずる緑もあらぬ寝に帰るためだけの家巣箱のような
日曜日は作業がないので人の出入りやトラックも来ない。すごく暖かいし、地面に体を投げ出して右に左にってごろんごろん背中をすると気持ちいい。
最近は、アランが遊びたくて首根っこに噛みついてくることもなくなったので、少しは安心していられるけど、そばに来ると自然に体が反応してしまう。でも、こうして一緒に寝転んでるいられるのは、広くてサッと逃げられるところがいい。
「春はいいね~」「こんな広い庭があったら最高なんだけどな~」
「でも、当分は家が建たないみたいだから、うちんちの庭みたいなもんだね~」
「ずーっと、このまんまだといいよねぇ」
「コロナで物価が上がって、それにロシアの戦争が追い打ちで物価上昇させてる」「ほんで、購買力とやらがへなちょこなんだって」「営業担当の、昔のお姉さんが困り顔で言ってたよ」
「当分はこのままか、うれしいねぇ」
「もう、今更ここに家が建った姿なんて想像したくないわ」「体が隠れるぐらいに草が生い茂って、鳥が落とし種が芽生えて育っていってジャンルみたいになってほしいねぇ」
「同感、同感!」
「二階から眺めるのだって、木や雑草が茂ってる方が自然に見えるってもんだよ」「駐車場はコンクリートだし、庭に植物を植える発想もないらしいからねぇ」
「建物がモノクロで、道路が黒、砂利や土もとうぜん色気ってものが無い」「どういう神経してるんだろうねぇ、今の日本人って・・」
「どこをどう切り取ったってモノクロームの世界だよ」
「色と言えばビニールシートと幟、それにカラコンの青と赤がアクセントになってるぐらいだ」
「工事が終わればこの色はみーんな無くなって、辺り一面が不毛地帯のようになっちまう」「まるで月面か、火星にいるみたいじゃないの」
「まったくねぇ」
「爺様が比べてみたら全く一緒だって、僕らの言ってることに共感してたよ。さすがに猫は自然を見る目が鋭いねぇだって」
「入居まであと2週間しかないよねぇ、間に合うのかなぁ?」
「シンボルツリーを1本植えることになってるらしいけど、まったくその気配もないよ」
「今朝は、配管作業の人や左官屋さんが外まわりの仕上げに来てるみたい」
「きのうみたいに、外でノンミリと言うわけにもいかないなぁ」
「いつものように2階の爺様のそばで、ぐうたらしてようっと」
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タイトルに「◇」が付いているブログは、飼い猫「ピピ」の目線で綴っています。いつもはソフトな傾向にありますが、時に辛辣になったりします。 |
* ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。