♪ やまがらが猫毛くわえていそいそとさにわに蝶の翅のきらめき
「高橋久美子」という名前は以前、NHKラジオの「ごごラジ」に出ていて、名前とチャットモンチーというロック・バンドをやっていた人だということは知っていた。でもどんな人なのか大して興味もなかったのでスルーしていたが、こんなインテリの活動的な人だとは、この「折々のことば」を読むまでは知らなかった。
地上に生きるということは、こういう微生物の助けがあってできていること。そういう感覚を持った人は本質的に同類とみなしているので、この小さな文章でもピピっと反応してしまう。「その農地、私が買います」という本のタイトルにも惹かれた。庭に一切土を入れず、草も木も生えない空間に住む人のが当たり前のように思ている人が増えていることに、危機感と恐れさえ感じているのでこういう人の行動が世の中を変えていく種になって、その生物の掛け替えのない本質的なものが広がっていくことを期待せずにはいられない。
「おまえは東京におるんじゃけん関係なかろわい」by 父
農地は負の遺産と考える父親世代、中・小規模農家の経済的な厳しさ、農地を持っている人しか農地を買えない法律、急増する猿や猪の畑荒らし、子孫を残せない「F1種」の種、体調を悪くする農薬散布、足並みを揃えることを最優先する町の雰囲気…etc.
未来に後悔をしないため、まずは知ること、動くこと。
「変わり者」と言われても、高橋さん家の次女はゆく!
「高橋久美子」作家・詩人・作詞家。1982年4月10日、愛媛県生まれ。音楽活動(チャットモンチー ドラムを担当)を経て、詩、小説、エッセイ、絵本の執筆、翻訳、様々なアーティストへの歌詞提供など文筆業を続ける。国語科の教員免許や図書館司書の免許を取得。英検、漢字能力検定の準2級を取得。また、農や食について考える「新春みかんの会」を主催する。著書に小説集『ぐるり』(筑摩書房)、エッセイ集『旅を栖とす』(KADOKAWA)、『いっぴき』(ちくま文庫)、詩画集『今夜 凶暴だから わたし』(ちいさいミシマ社)、絵本『あしたが きらいな うさぎ』(マイクロマガジン社)など。 ブログ「んふふのふ」エッセイ
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* ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。