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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2022.04.30
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カテゴリ:話題・情報

♪ 謙(へりくだ)り遜(へりくだ)りしているうちに減り下りゆく自己の尊厳

 映画「ビリギャル」の主人公として知られ、米コロンビア大の教育大学院に進学する予定の「小林さやか」さん。
 「日本人の自己肯定感の低さ」を痛感しているという。今まで講演や教育活動などを500回以上やってきて、聴衆は25万人を超えていく中で、その課題に直面したらしい。


 毎日いろんな学生や先生や保護者の方と対話するというのを7年やってきて、ビリギャルの話になると、私はもともと頭が良かったから合格できたという反応がすごく多いという。「それがまさに日本の課題だとすごく思っていて、日本人の自己肯定感の低さの現れだと感じている。


 坪田信貴 著「学年ビリのギャルが一年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の主人公ビリギャル本人。
 小学校の頃、内気で友達とうまく付き合えない自分にコンプレックスを持ち「自分のことを誰もしらない所にいきたい」という動機で中学受験をし、中高大学⼀貫の私立中学に入学。
 入学してすぐ勉強することを辞め、友達付き合いや部活に精を出したため、学力がみるみる低下し学年ビリに。素行も悪く学校では問題児扱いを受け、校長先生には「人間のクズ」と呼ばれたことも。中学3年のときに受けた無期停学のときの先生の対応がきっかけで大人に心を閉ざすようになる。

 高校2年の夏、母のすすめで行った塾の面談で恩師坪田信貴先生と出会い、慶應義塾大学現役合格を目指すことに。そのときの偏差値は全国模試で30以下。小学校4年生レベルの勉強からスタート。坪田先生と二人三脚での1年半猛勉強のすえ、慶應義塾大学総合政策学部入学。1年半で偏差値を40あげることに成功した。


 高校3年生の時に坪田先生に言われた言葉を、今でも覚えているという。
「さやかちゃん、このままいくと本当に慶応に受かると思うよ」「だけど、もし慶応に受かったら、周りの人はね、君にこう言うよ。もともと頭が良かったんだね」
「でも、君が同じだけの努力をして、同じだけの実力をつけて、受かるはずだったのに、慶応の試験本番の日に熱を出して集中できなくて、実力を発揮できなくて落ちたとしよう。つまり、プロセスが全く一緒で結果だけが違ったとしよう。そしたら、周りの人は君に必ずこう言うよ。ほら、どうせ無理だって言ったでしょ」と。


 確かに、私は慶応に受かるまでは「もともと頭がいい」と言われたことは一度もなかった。世の中の反応を見て、本当に坪田先生の言った通りになった。人は結局、結果からしか判断しないんだなと思いました。

 なんであのとき私は慶応に受かったのか。
 「あれは絶対に環境のおかげだったと思っている。仮に、もともと才能があったとしても、環境に恵まれなければ発揮できなかった。」
 母・ああちゃんの信じる子育てがあったから。やってみなきゃわかんないっしょ!!と飛び込むことができた。ワクワクさせてくれるオトナに出会えた。それまでする意味がわからなかった勉強に意味を見出すことができた。

 だから「環境=人」だと思っていて、今の日本の社会で、「やろうと思えば何だってできる」と周りが信じてくれることがいかに貴重なことか痛感してきた。「人=環境

「日本人の自己肯定感の低さ」はさまざまなアンケートや自殺者の数にも如実に表れています。


OECDの公表データによる。nippon.com

 国内の年間の自殺者は97年までは長年2万人台で推移したが、98年から14年連続で3万人を超え、03年には最多の3万4427人になった。その後、景気回復や、相談体制の拡充をはじめとする地域の取り組み強化を背景に、12年に3万人を割って以降は10年連続で前年より減少している。
 しかし、世界的に見ると、日本の自殺率は決して低くはなく、98年以降、G7(先進7カ国)のトップを走り続けている

 2021年最新の世界幸福度ランキング(2021年のランキングは、2018年から2020年の3年間の平均値により算出)
「0」~「10」までの11段階のはしごをイメージし、自分自身の生活への満足度が、いまどこにあるのかを判断していく調査手法による。
 1、人口あたりGDP(対数)
 2、社会的支援(ソーシャルサポート、困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
 3、健康寿命
 4、人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
 5、寛容さ・気前の良さ(過去1か月の間にチャリティなどに寄付をしたことがあるか)
 6、腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)

 さらに「各項目が最低値を取ると仮定されるディストピア(架空の国)」と、どれだけ差があるかを加えて、最終的なランキングが決定される仕組み。


 順位  国名          スコア
 1位 フィンランド      7.842
 2位 デンマーク       7.620
 3位 スイス         7.571
 4位 アイスランド      7.554
 5位 オランダ        7.464
 6位 ノルウェー       7.392
 7位 スウェーデン      7.363
 8位 ルクセンブルク     7.324
 9位 ニュージーランド    7.277
 10位 オーストリア       7.268
 11位 オーストラリア      7.183
 12位 イスラエル        7.157
 13位 ドイツ          7.155
 14位 カナダ          7.103
 15位 アイルランド       7.085
 16位 コスタリカ        7.069
 17位 イギリス         7.064
 18位 チェコ          6.965
 19位 アメリカ         6.951
 20位 ベルギー         6.834
        ・
        ・
 56位 日本          5.940

 ランキングの上位を占める国の人々は「普通」の表現に「8」ぐらいを選択する傾向があり、チャリティなどの寄付の習慣もない日本は、点数が低めに出るのは仕方がないとしても、なぜ、日本の幸福度ランキング順位はこれほどまでに低いのか?
 その理由は「人生の自由度」と「他者への寛容さ」の2項目に隠されていて、「自由」と「寛容」を意識出来ない環境が幸福感を阻害しているという。

 しかし、もっと単純な意識調査では「自分に自信がない」「未来が明るいとは思えない」「毎日が明るく楽しいと感じられない」「自分は楽観的ではない」などと自分を否定的にとらえる傾向がはっきりと出る。
 4割がA型の民族である特徴が出ているのかもしれないが、自己を肯定できないまま一生を過ごす日本人が多いのは確かなようです。



 謙譲、謙遜、謙虚が美徳とされてきた国民性。褒められても喜んで舞い上がるようなことはなく、ストイックに感情を抑えて素直に表すことをためらってしまう。生活環境全体に「周りの目を気にするコンセンサスが張り付いていて」、その素振りをしているうちに何時しかその色に染まっていく。
 出る杭を許さず、目立つことを戒めて、知らず知らずのうちに同調圧力の当事者となって、谷底に落ち込んだままそこから出ようともしない。確かに、自由もなければ寛容もない国であることは間違いないようです。

 絶対的な立場にいる親がその基礎を作り、学校の先生が決定的な役割をしている。北欧のような教育が何故できないのか。根本的な考え方の違いがそれを阻害しているんじゃないか。
 先生は何故、「自己肯定感」を持てるような指導ができないのかを考えるべきです。メニューの中身を変えず、名前だけ変えて根本的な素材や味を吟味しない日教組。「箸の上げ下ろし的改革」で子供や親をまごつかせ、惑わせているばかりでは永遠に「自己肯定感」を持てるような人間は育ってはいかない。




 小林さやかさんの夢は、いつか日本が「世界一幸せな子供が育つ国」と言われること。日本の子供たちの低い自己肯定感は、私たち大人の責任です。子供たち自身が「自分はできる!」と信じて、何かに挑戦できるようになるためには、周りが信じてあげることが不可欠と言う。

「子供たちにとって、そんな理想的な環境が日本で広がっていくことに貢献したい」と、教育分野でも認知科学や学習科学の研究が進んでいるアメリカ・コロンビア大の教育大学院に進学を決めた。

 講演会『ビリギャル流、不可能を可能に変えるコツ』の内容を文章化したものがあります。

  * ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。





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最終更新日  2022.04.30 09:35:12
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
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