♪ ゆっくりと坂をころがる石ころのときどき跳ねてアナログを生く
フルートと言えばハービー・マン。メンフィス・アンダーグラウンド。先日、手持ちのレコードの中にハービー・マンとビル・エバンストリオのセッションアルバムがあったのを、ふと思い出し、引っ張り出して聴いてみた。
これは輸入盤で、日本語のライナーノーツが無いので内容についてのことは何も分からない。でもそんなことは音楽を聴く上では関係ない。そう思って映画と同じように予備知識なしで買ったもので、ずいぶん昔のものだが、久し振りに聴き直した。
昔のことなどすっかり忘れていて、「ええ?! ウッソ~!?、こんな演奏だったっけ?」聴いていてなんだか腹が立ってきた。リズムの乗りが悪い上にアドリブがなってない。ハービーマンて、こんなに下手だったか?
「ジャズの偉大な巨匠による録音を行う、ATLANTICの歴史」私たちの時代の最も独創的な音楽のエキサイティングで強力なものと認めた、長い間入手できなかったアルバムのシリーズ。
これによって1984年に復刻・再販されたものらしい。アトランティックのサブレーベルとして、内袋には他16枚が紹介されている。
で、ネットで見るとこちらのジャケットのものしか出てこない。よくよく調べたら自分の持っているものは、アメリカ(ステレオ、モノラル)、カナダ・イタリア(モノラル)でリリースされているちょっとしたレアもの。
もともとのアルバムはこっちのもので、お蔵になっていた音源を1964年にリリースしたものらしい。これしか知らない人がほとんどでしょうか。
スコット・ラファロの死後、チャック・イスラエルを新ベーシストとして迎えたビル・エヴァンス・トリオ。1961年12月8日のセッションのイスラエル加入後としては最初期のスタジオ・レコーディング。あまりいい関係性が出来ていなかったのかもしれない。
ハービー・マンとエヴァンスは、1958年録音のミシェル・ルグランのアルバム『ルグラン・ジャズ』で共演している。あのフランス映画音楽界の大巨匠が当時の実力派「 マイルス・デイヴィス(tp) ジョン・コルトレーン(ts) フィル・ウッズ(as) ビル・エヴァンス(p) ハービー・マン(fl) 他」を集めて作った贅沢な一枚だ。このアルバムは持っていて、ミシェル・ルグランがジャズピアノに精通していることを知らなかったので、これは一聴の価値があると思って手に入れた。
1961年の7月6日にスコット・ラファロが交通事故で死んで、悲嘆にくれていたエバンス。その5か月後の録音が、「涅槃」というタイトルのアルバムになったというのは、なんだか因縁めいている。
アメリカの評論家は「抑制的な"Willow Weep for Me"と、印象派の作曲家エリック・サティの"Gymnopedie"は、トリオのバッキングは極めて控え目だが、マンの演奏のリリシズムが引き出されている」「ハービー・マン、ビル・エヴァンスのいずれのファンも、この楽しめる曲集を入手しておきたいことだろう」と評しているとか(Wikipedia)。
海外のレビューでは「トリオはいつものように輝いています。特にピアノとポールの音質が素晴らしい。残念なことに、マン氏の信じられないほど退屈で疲れたフルート演奏、これを言って申し訳ありません。」というのもあって、やっぱりなぁと・・・。
音質が酷いという意見が多いようだが、この「JAZZLORE」盤(モノラル)はそれほど悪いとは思はなかった。2曲目のサティーの「GYMNOPEDIE」が良いという人がいるようだが、私はちっとも良いとは思えなかった。聴き込みが足りないのかな。
ステレオ盤のCD
2002年にはアメリカで、リマスターされたCDが出ている。
日本でも2017年にリイシューのステレオ盤のCDが出ているし、2019年11月07日に、アナログ重量盤で復刻されている。評価はおしなべて良いということなんだろうねぇ。
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* ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。