♪ 一票で二百五十万党に入るその金よこせとN党が叫ぶ
参院選挙はほぼ予想通りの結果になった。バラバラ野党はお互いの票を奪い合って、結局「1人区」4勝28敗の大敗。与党自民党は、125議席の過半数(63議席)を単独で確保。公明党の議席と合わせ、非改選の70議席を含めて定数の過半数(125議席)を超えた。さらに与党に加え、国会での改憲論議に積極的な日本維新の会、国民民主党の4党で改憲発議に必要な3分の2(166議席)以上を維持。
日本維新の会から比例代表で立候補した元陸上選手松野明美氏(54)が当選。熊本市議を経て2015年、熊本県議に初当選。立憲民主党県連から昨年11月に参院選への出馬を要請されたが、辞退していたなんて経緯があったことなど、全く知らなかった。
日本維新の会は野党第一党となったが、代表の松井一郎は来春の任期満了で引退することになっている。
立憲民主党の看板で舌鋒鋭く質問に立つ姿が印象深い「森裕子氏」が落選。選挙区は違うが小沢一郎氏の側近でもあった。盤石だった岩手でも側近の木戸口英司氏が、自民新人に敗れ落選している。
公示前の23議席を減らすことになったが、党代表の泉健太氏は代表辞任を否定し、ますます影が薄くなっていく。のは必至の様相。
おニャン子クラブの会員番号40番の「生稲晃子」が選挙区・東京(改選6)で当選。2度の乳がん再発と5度の手術を体験した生稲氏を16年に、当時の安倍首相が「働き方改革実現会議」の民間議員に選出したのが、出馬のきっかけだったらしい。がん闘病と子育てを両立させ、経営する鉄板焼き店がコロナ禍の直撃を受けるという実体験を糧に、どこまでやれるかのが問われる。
三波豊和の「日本が元気です」にウッカリ乗って契約し、その取材に来たのが彼女。2005年のその契約は失敗だったが、20年近く前の苦い思い出だ。その後の彼女のことは全く知らず、国政に出て来るとは思っても見なかった。
N党候補、暴露系ユーチューバーの「ガーシー」当選 党首の立花孝志は、「僕は元パチプロなので負けるギャンブルはしない。選挙はお金もうけができます」。候補者の選挙ポスターには「私の当選は無理です。しかし、あなたの1票で約250円、選挙区と比例区の2票で約500円の政党助成金がNHK党に交付されます」などと記される。同党の浜田聡・参院議員(45)は、「あなたの1票は死に票ではない」などという。
こんな党の候補者が当選し、多様化の一途をたどる先の見えない時代。何が起こるか予測もできない社会でもある。政治は感情論ではどうしようもないわけだから、判断はロボットAIに任せる方が確かな気もしてくる。
♪ 横綱と二大関負けし投票日大勝与党に笑顔はなくて
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今後の日本政治は、岸田首相と自民党内の政治に注目せざるを得ない。自民党はハト派、リベラル、護憲路線で知られていたが、現在は宮沢政権までとは違う。安倍元首相が、小選挙区制度や党の公認権もフル活用し、自民党全体を右派的な保守色に染め上げた。最大派閥の宏池会トップの安倍氏が亡き後、トップを狙っての綱引きが激しくなる。それらとどう折り合いをつけていくか。
参院選後に先送りした世論のとりまとめ、国内、国際、問題山積の中で、自民党内での軋轢と駆け引きにも力を注がねばならない。
“病気になって引退” なんてことにならないことを祈るばかりだ。
投票率(選挙区)は、朝日新聞社が集計で52.5%となった。戦後2番目の低さだった前回2019年参院選の48.8%を、約3ポイント上回った。
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* ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。