♪ 智を溜めたコンピューターがジャッジする「人類は悪」皆殺しせよ
一泊した孫とイオンシネマへ「ジュラシックワールド」新たなる支配者。29年にわたって恐竜と人類の闘いと絆という両極を描いてきたシリーズが、遂に完結。
〈ジュラシック・ワールド〉のあった島、イスラ・ヌブラルが火山の大噴火で壊滅、救出された恐竜たちは、世界中へと放たれてしまった。その後、世界各地から恐竜を集めて研究をしているバイオテクノロジー企業の巨人バイオシンが・・・
孫は、ADHD(注意欠陥多動性障害)とまでは行かないが体が動いて落ち着きがない時がある。映画の面白くないシーンでは、椅子にじっと座っておれず腰を浮かしたり座面を立てて座って見たり、やたら動いて声まで出そうになっているので気になってしょうがなかった。
でもそれも一時の事。アクションシーンが多く画面に釘付けになっていることが多いので、気にするほどのことも無かったようだ。いやはやどのシーンを見てもびっくりだ。
CGの完成度は言うまでもなく構成も良くできている。過去の作品のオマージュもあり、ユーモアもあるところがまた良い。
ただ、雪と氷のシーンと苔むしシダ類の繫茂する場所がまるで隣接しているかのようで、老人はついていけない。時空を超えたような展開が随所に有って???。
アメリカ映画は必ず男女の愛がセットになっているものだが、この映画は恐竜と人類の共存を謳っているところが肝だ。過去と未来が繋がっているだけではなく、同列の同等の価値をもつ存在という見地。人類と恐竜は共存できるというロマン。
恐竜がそうである以上、地球上の生物はすべて同等の価値をもった存在で、掛け替えのないものだということ。そのあたりに共感する人々は多いでしょう。
この映画の陰の主役、ジュラシック・パーク共同創設者の亡き娘の遺伝子から生まれたクローン、メイジ-・ロックウッド演じるイザベラ・サーモン。初出演作でいきなり人気シリーズの仲間入りを果たした前作に引き続き、その存在感を際立たせている。
大女優になる要素を持っている弱冠14歳の新人が、将来、どう成長していくのかが楽しみだ。
人類は相変わらず馬鹿馬鹿しい排他的な思想のもとで、殺し合いをしている。進歩どころか退化し、劣化してゆくばかりの人間。CGで理想社会を描き、コンピュータに仕事を委ね、思考することさえ放棄すれば、いずれリアルという言葉さえ消失してゆく。
今後、利便性を最優先に考えてゆけば、コンピュータが支配する社会になることは目に見えている。「人間がコンピュータを制御する。都合が悪ければ電源コードを抜けばいい。」と科学者らしき人が言っていたが、彼は人間というものがまったく解っていない。
量子コンピュータが完成し当たり前に使えるようになれば、人間はもう完全に蚊帳の外に追いやられる。
1000年前の人間と今の人間と比べてみればわかる。進歩しているのはテクノロジーだけで、人間の質は全く変わっていない。今のままでは人類に未来はない。そんな馬鹿な!と、あなたは思うでしょうか?!
杞憂で終わる映画のようには進まない。近いか遠いか分からない未来に、何が起ころうとも人類は、蝉の亡骸が舗装道路に転がっているように、ただ黙って蝗のように消えていくだけ・・・
| |
* ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。