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2022.09.22
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カテゴリ:話題・情報

♪ ふかぶかと根を張らんとてぬばたまの夜を惜しむなく夢食らうべし

 今、耕さない農業が注目されている。それどころかアメリカでは大規模農場でも行われていて、ノースダコタ州にあるゲイブ・ブラウンさんの農場ではもう25年も前から耕さない農業を営んでいる。
                      朝日新聞「GLOBE」より抜粋


ブラウンさんの農場(牧場)の入り口に立つ看板
「リジェネラティブ(環境再生型)農業」
 農薬や化学肥料も使わず穀物や野菜を栽培。商品作物の合間に、土壌を健康に保つためにヒマワリやササゲなど12種の被覆作物を市立てている。マメ科植物で被覆すると、肥料無しでも生育に必要な窒素が十分に得られ、発芽抑制物質によって雑草も抑えられるんだとか。そして、害虫の発生や水分の蒸発も防いでくれるという。

 多品種の被覆作物を植えることで、土の中の微生物や動物が元気になり、生物多様性が豊かになって土地も健康になる。
 作物が育つと、狭い区画に100頭以上の牛を集めて放牧し、1日ごとに移動させる。「牛の排泄物が肥料になって行き渡るので何もする必要がない。より多くの二酸化炭素を(CO2)を取り込み、炭素として長く地中にとどめるので気候変動対策にもなる」

 このブラウンの農場の土には、収穫後の作物の残りが絨毯のように敷き詰められ、スコップがスッと入る。土はチョコレートケーキの様に黒く、団子状になっていて柔らかい。「これは炭素の色。隣の畑の土には2%しか有機物が含まれていないが、ブラウンの畑には7~8%も含まれている」
 耕している畑は、直射日光に照らされた厚さ5㎝ほどの薄茶色の表土は乾燥し、コンクリートのように固い。化学肥料や農薬の使い過ぎで、生命がいないからだ。


自分の農場の土を示すゲイブ・ブラウン

 ノースダコタ州は、小麦やライ麦、豆類の生産で全米トップクラス。ゲイブ・ブラウンさん(61)は、2400ヘクタールの農場を営む世界が注目する耕さない農業の中心的な存在。
 彼は、環境にやさしい農業を実践するうえで、六つの原則を守ることが重要だと説いています。

*第1の原則は「土をかき乱さない」
 放っておけば土の中で微生物をはじめとした生物が良い環境をつくってくれる。耕すと土壌の構造が崩れてしまう。化学肥料や除草剤、農薬、殺菌剤なども、土壌の生態系に悪影響を及ぼします。
*第2は「土を覆う」
 自然界に土がむき出しになっている場所はなく、むき出しの状態は普通ではない。畑を植物で覆うことで、土は風や水による流失から守られます。被覆する植物は土壌生物の栄養になり、水分の蒸発や雑草の発芽も抑えられる。
*第3の原則「多様性を高める」
 自然の中で単一の品種が生えているところはない。数十種類の穀物や野菜、草花が育っていると、花粉を運ぶ虫や鳥、ミミズを始め土壌生物も極めて多様になる。それらは、お互いに良い作用をもたらす。
*第4は「生きた根を保つ」
 霜の降りない日が年間120日しかないが、冬の間も何かしらの作物を育てている。生きた根は土壌生物にエサとなる炭素を供給し、土壌生物は土を豊かにしてくれる。
*第5は「動物を組み込む」
 約750頭の牛と約250頭の豚、約150頭の羊、約1千羽のニワトリを飼っている。自然は動物なしには成り立たない。
*第6は「背景」
 気候や環境、経済状態などは人によって違う。自分の事情や条件に合わせて仕事をしなければならない。


 ゲイブ・ブラウン氏による初のノンフィクション「土を育てる」。

 たび重なる凶作の苦難を乗り越え、著者が自然から学んだ「土の健康の5原則」。そこには、生態系の回復や「カーボン・ファーミング」のエッセンスが凝縮されています。地中の生態系のはたらきを阻害しなければ、どんな土でも“真に生きた土”に変わり、さらにやせた土地の回復は、食料危機、気候変動問題などさまざまな課題の対策にもつながるのです。
有効な温暖化対策としていま脚光を浴びるリジェネラティブ(環境再生型)農業。
「すべての命は土あってこそ」―この認識はいま、私のなかに深く根を張っている。日々の仕事のなかでも、「土を育て、守り続ける」という目標のもと、ほぼすべての意思決定を行っている。よりどころにしているのは5つの原則。数十億年の時を経て、自然がつくり出してきた原則だ。太陽が照り、植物が育つかぎり、地球上どんな場所でも変わらない。(本文より抜粋)

 日本のような小規模農業にも可能か。
 栽培する作物や家畜の種類、被覆の仕方などは異なるかもしれませんが、原則によってどこでも生態系を豊かにできるのです。大きなトラクターなどの農機具を使おうが、小さな面積を手でやろうが原則は同じです。

 現在の米農務省(USDA )は土壌が侵食されるのを抑えて健全になるとして、畑を耕さないことを推奨している。2018年段階で、不耕起農地の占める割合は、小麦45%、大豆40%、綿花18%トウモロコシ28%。耕すのを最小限にとどめた場合を含めると、四つの作物合わせて半分以上にもなるという。

 小麦に変わる(パンやビールの材料に使われる)「Kernza(カーンザ)」の根は、なんと3mにもなるという。




 米・ランド研究所で、土を耕さずに生きた根を残す多年生穀物の研究が進んでいる。開発した小麦に変わる「Kernza(カーンザ)」は長年にわたって根を地中深く伸ばしてゆく。そのボリュームには圧倒される。
 写真右上は、単年生の小麦で、毎年畑を耕して植えるため、土壌生物が棲みづらくなり土が固い。植物はCO2を取り込み有機化合物を生成する。その多くは成長に使われるが、かなりの量が根から地中に漏れ出し、炭素や窒素を地中にとどめ、微生物の栄養となって土を健康にする。



 カンボジアでは稲作に不耕起栽培が導入・研究されていて、その効果が認められつつあるようだ。コメの収穫後に被覆作物を植え、種まき期にトラクターに付けた専用の農機具で被覆作物を倒しながらイネの種を蒔く。同時に肥料も施す。じかまきの場合と違って、列になり施肥も均等になるため収穫量も増えている。

 まだ米国のようにはいかずを化学肥料を使っている。被覆植物をうまく使うことで除草剤や肥料の量を抑えるられるようになってきている。



 左側の伝統農法では栄養不足の黄色いイネが混じるが、右側の不耕起栽培は緑のイネが均一に広がっている。
 カンボジアではフランス、米国、スイス、スウェーデン、日本など、各国の様々な機関が環境保全型農業をめぐる共同プロジェクトに携わっている。

  * ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。





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最終更新日  2022.09.22 10:52:18
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