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2022.12.27

〇　円環と和音と色の関係やよし

(2)

テーマ：日記を短歌で綴ろう(3520)

カテゴリ：発見

♪　音楽と色と数理の美しき要素にふれおる窓辺のこたつ

　JSEC（Japan Science ＆ Engineering Challenge）「第20階高校生・高専生科学技術チャレンジ」というものの受賞者が発表された。
　その中で「心地良い『音楽』を『数学』で奏でる」というもので「日本ガイシ賞」を受賞した２年の女子高校生は、ピアノの鍵盤すべての１オクターブ分を12の円環に当てはめて三つの音を選んで和音を作るというもの。

大妻多摩高等学校 2年　小笠原優海

　数学者の秋山仁先生が、音同士の距離の比が（3：４：５）の和音が人々は心地良く感じるという話をYouTubeで聞いて、そこから発想したのだという。三つの和音の法則が閃いたというわけだ。３０通りの和音を作って、友人や先生、親戚あわせて１０人に聞いてもらいと、この組み合わせの比の時に全員が心地よいと回答した。

　絶対音感を持っていて独学でピアノを弾いたりしているので、面白いと思い検証してみたという。その方法が円環を12等分して鍵盤の音すべてを当てはめ、線で結んで和音を作るというもの。

　この音階を12等分の円環に置き換えるろいうのは、私も昔やったことがあって、2011年6月23日のブログに詳しく書いてある。
　発想は虹の色からだった。色は光の電磁波で、目に見えるものがいわゆる可視光線。分光すれば七色の虹となり、波長の一番長い赤と波長の一番短い紫の周波数は、不思議な事に「１オクターブ」となっていることに着目。この七色の帯を正確な色の諧調にすると12の円環になって循環する。それを色彩理論で使う12色環に当てはめてみたのだ。

　　　　　　　　波長　　　　　　　　　　　　　周波数
　赤　　　　　８００－６５０ｍμ　　　　　　４００－４７０ミリオンミリオン　　　
　橙　　　　　６４０－５９０ｍμ　　　　　　４７０－５２０ミリオンミリオン
　黄　　　　　５８０－５５０ｍμ　　　　　　５２０－５９０ミリオンミリオン
　緑　　　　　５３０－４９０ｍμ　　　　　　５９０－６５０ミリオンミリオン
　青　　　　　４８０－４６０ｍμ　　　　　　６５０－７００ミリオンミリオン
　藍　　　　　４５０－４４０ｍμ　　　　　　７００－７６０ミリオンミリオン
　紫　　　　　４３０－３９０ｍμ　　　　　　７６０－８００ミリオンミリオン

色彩学の12色環

　これを3：4：5の比に合わせて線で結ぶ。全部で12なのでどこをどう結んでも余ることなくピッタリ当てはまる。12色環を使って配色に生かす方法は色彩学で使われる手法で、それを音符でやってみたというところがミソかな。

　当てはめてみると “メジャーとマイナーの違い” などがよくわかる。

　色彩で言えば３色調和のうち二等辺三角形調和からひとつずらした形になっている。音楽理論を知っている人なら音符の積み重ねを見ればいいわけだが、理論も何も分からない人にとっては、視覚的な方向から簡単に理解できるところがいいのかも知れない。
　変形の等辺三角形の紙を用意して、12の円環の上に置いてみれば “すぐさま心地い和音が作れる” というわけだ。

　この受賞した学生は、三つの音を選択すると音の距離を導き出すプログラム・アプリを作ったという。音楽と数学を結び付けたというところが評価されたらしい。“音楽とはそういうものじゃない” なんてケチをつけるのは止めておこう。「音楽は言葉の壁を越えるコミュニケーションツール」として「世界の人と作曲を通して音楽を楽しめるようにしたい」と張り切っているのだから。

「自由過ぎる研究グランプリ」というのに応募していて「エンターテインメント大賞」を取っている。その審査員の評価には、

＊テーマの着眼点が面白く、結果がどうなるのか興味を惹かれました。和音の心地よさをアンケートで証明した上で、音楽を知らない人でもどの音の組み合わせが心地よく感じられるかを数学的に可視化できるアウトプットまで作った点はすばらしいと思いました。

＊多分、ご自身の内面においては違和感なくつながっているであろうと思われる「音楽」と「数学」の融合に関する考察をさりげなく展開されていますが、ある種の特殊な才能をベースとした研究であることは間違いなく、更にそれをより一般化する為のアプリケーションの開発に着手している点も含め、独特かつ高い評価に値すると言わざるを得ません。などがあった。

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最終更新日 2023.01.15 18:15:01
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◆２０１４年１０月２３日から「一日一首」と改題しました。
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