♪ 足元に忍ぶ「戦前」細菌が意志のないまま溶かし始める
あのクイズの帝王・カズレーザーがブレークしている。あの真っ赤ないでたちでいろんな番組に出るようになった。NHK高校講座の一環で高校生の問題を5問、アナウンサーと対面で答える番組がある。「カズレーザーvsNKH高校講座」Eテレ土曜日の午後9:30~10:00
今週は1月14日(土)で、今回は【物理】【国語】【地理】などからのクイズ。カズレーザーはなぜクイズが好きなのかを語る場面もあるらしい。
その博識と読み解く力はさすがで、5問のほとんどの問題を正解に導いてしまう。前回は最初の「地理総合」からの国連の旗についての問題で、「平和を象徴するものとしてオリーブが描かれていいますが、その他に平和を象徴するものが表されています。それは何でしょう?」
この問題はほぼ推理が当たっていたものの、惜しくも不正解。しかし、その後の4問はバッチリ正解した。前回の放送でも確か全問正解したんじゃなかったかな。
「NHK+」の画面はスクリーンショットが出来ないので、スマホで撮った。
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NHKは独自の優れた番組が多く、NHKならではの幅広い密度の濃いものへの評価は高い。それが妖しくなってきた。24日に退任する前田会長が大ナタを振り下ろして、人事制度や営業方針を抜本的に変え、コストを削って受信料値下げまでやってしまった。
10月から受信料が約1割安くなる。その一方で、事業規模を現在の年7千億円弱を、17年度をめどに6千億円弱に縮小する。総務省の要求に応えたもの。銀行出身ゆえの合理主義なのか、外部のコンサルタント会社に大胆に業務委託し、事業支出を大幅に削減している。
訪問営業を止めたため、契約件数は今年度上半期で約19万8千件減となち、想定の4倍のペースで急減している。ある幹部は、年40万件減どころか100万件くらい減るんじゃないかと危惧しているとか。
寺田総務大臣
人事制度を変え、記者やディレクター、技術といった職種別の採用を廃止し、2年間は各職種を経験する研修制度にした。NHK関係者は「メガバンクみたいな採用と新人教育。優秀な人材がNHKにやって来なくなる」と。37%いた管理職を25%まで減らす方針。管理職試験を導入し、能力評価制度で若手や中堅が登用される一方で、取材現場しか経験してこなかったベテランたちは置いてきぼりになる恐れがある。
受信料収入が減る中で事業規模も減らすという。どう考えたって今より良い番組が出来るようになるとは思えない。そうでなくてもNHKは給料が民放よりも少ないと言われ、出演者のギャラだってかなり少ない。NHKという、矜持と技術力をもった優良な番組を制作する放送局だからこそ、人材が集まるし質の高い番組制作が続けてこられた。
政府の圧力に負け、本来の独立した企業理念を無くしつつある中で、異を唱えても受け入れられるどころか不満分子としてオミットされるのがオチだろう。そう思えば、優秀な人材ほどそんなところは避けるはずだ。
CMのないテレビはそれだけでも価値がある。NHKしか観ないという知人もいるぐらいで、今後ますますTVを見る人が減っていくだろう。受信料を下げたぐらいでは追い付かない。そうなると坂を転げ落ちるように、急速に没落していかざるを得ない。次期会長の稲葉氏は日銀理事で同じ体質と価値観を持った人だけに心配になる。文化なんて言う数字に出ないものへの理解と愛着などなく、コスパを重要視した経営をするだろうと、嫌な予感がしてしょうがない。
NHKの作業部会は現在は「補完業務」扱いのネット配信をNHKの「本来業務」に位置づけたうえで、受信料の対象をネット視聴にも広げる可能性を検討するという。
NHKは無料アプリなどで放送用以外の文字情報やデータの表示などをなし崩し的に始めている。年間7千億円という巨額の受信料収入を採算を気にせずに使えるNHKが事業範囲を広げれば、民間のメディアやネット企業との公正な競争が成り立たない。それでは情報の多元性が崩れかねない。
作業部会は、国民が納得できる必要十分なNHKの業務範囲と費用負担のあり方を、正面から議論してもらいたい。(日本経済新聞)
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