♪ 愛娘を独り立ちさせ安堵するアオスジアゲハの羽化見とどけて
2匹目のアオスジアゲハの羽化の瞬間をまたしても観そこなった。
蛹の変化が1匹目とは違う時間に始まっていて、羽化のタイミングが未明になるようだった。
13日の夕方4時前にはすでに色が変わり始めていた。こりゃあまずいぞと思っていた通りになった。
夜行性ではないので夜に羽化することはないという記述があって、夜中に観察する必要はないという判断は間違っていなかった。
朝5時前、この日もあいにく雨模様。早めに起きて観に行くと、やっぱり。明るくなり始めた中にアオスジアゲハの姿があった。明るくなり始めた4時半ごろに羽化が始まったのだろうか。すでに蝶の姿になっていた。
ジッとして微動だにしない。3時間以上かかってエネルギーを充足させる。当分はこのまま動かずにいるはずだ。
10時過ぎてもまだその気配がない。ちゃんとした成虫になれないでいるのだろうか。ちょっと心配になって、羽に触れてみた。
そうしたらビックリしたように羽根をばたつかせ、そのまま下に落ちる感じになった。
おやおやまだ上手く飛べないのか、どうしちゃった? 大丈夫か?
羽根を開いたままだったが、1分ほどしてゆっくり羽根を閉じた。飛べそうな気がしているんじゃなかろうか。
そのままじっと見守っていればいいものを、ちょっと離れたすきに飛んで行ったようだ。30分ほど経っていた。羽化してから5時間半。やれやれ。
我が家の庭で育って、ようやく一人前になったアゲハ蝶。個体差があるとはいえ、軟弱な娘をようやく世間に送り出したような心持ちだ。
最近、ちびネズミの糞を見ないのでもういなくなったのか思っていた。ところが、11日の昼前だったか、染色場にある石鹸が齧られているのに気が付いた。
小さな鼠なのでこの齧られようはかなりの期間か、あるいは何匹かが齧っていたに違いない。まったく気づかなかった。一体いつからのことなのか。
それで、今でもいるのかどうか確かめるために、石鹸を裏返しにしておいた。翌日見てみると、数カ所に齧った跡があった。やっぱりこの家の中にいるのだ。棲みついているか、あるいは猫用の入り口から出入りしているのか。
アランが時どきこの部屋に入りたがる理由はやはり鼠だったのだ。しきりに鳴くので入れてやるものの、何の手掛かりもなく出てくる。猫がいるなら隅っこに隠れていれば安全なことぐらい、相手もよく知っている。
家の中には、猫など入りこめない狭い空間がいくらでもある。
石鹸以外に被害はなく、せいぜいアランの食べ残しの餌が食われるくらいだ。
昔みたいに青大将が入ってきて捕食してくれれば一番いいんだが。アランと蛇が鉢合わせしたらどうなるか? 気弱なアランがどう出るか知らない。が、それはそれで面白そうだ。
ゴキブリを筆頭に蠅や蚊などの害虫には非常な嫌悪を表すカミさんだが、蛇や他の小動物には愛着さえ示す。この小鼠も糞さえしなければいても構わないと思っている。
私も生きものはみんな可愛い。そう思うからこそ、アオスジアゲハが寄生バチにやられないように保護したりしている。人間よりも弱いものを保護してやるのは、万物の霊長とか言っている罪深い人間の、最低限の義務だと思う。
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