♪ 使わずに錆びて動かぬ自転車が名残の月に照らされている
公募ガイドの秋号(月刊から季刊になった)を買って来たら、巻頭からいきなり生成AIの記事が16ページに渡って掲載されているのには驚いた。もう絶対に無視はできないし、如何に使いこなすかという段階に入っている。
AIと人間で手塚治虫の新作を創り出す「TEZUKAプロジェクト」というのがあってその現場を取材している。2019年に始まっているもので、手塚作品を元にした新作漫画「ぱいどん」のシナリオ原案をAIが作るというのが最初の構想だったらしい。あまり出来がよくなかったらしく、2023年は「ブラック・ジャック」の新作に挑戦している。
その様子をかいつまんで引用してみよう。なかなか大変な作業であることが分かる。
AIと人間の役割分担 前半は生成AIの作業量が多いが、後半の仕上げ作業になるにつけ、クリエエイターの
作業が増えていく。また、人間の感情に寄り添うセリフや、全体感を調整する
コマ割りの演出など、精密な作業はクリエイターに委ねられている。
細かいことは省くが、如何に人間が必要な情報を提供し、必要な要求を的確に出せるかが鍵になる。
オリジナル・キャラクター制作
実在しない人の顔画像を読み込ませたり、AIが生成した顔を読み込ませることで、
個性あるオリジナルなキャラクターを生み出すことに成功した。
シナリオやプロットも共同作業で作り上げていく。
AIが当たり前になる日は近いだろう。しかし、作る側に独創的なアイデアがなければ所詮は類型的なものしか作れない。個性的なオリジナルを作り上げるのは至難の業で、今後も「AIが人間の創作的作業をサポートする」という位置づけは変わらない。
小説などの「文学の世界」でも同じことで、結局は人間とどう向き合っていくかに掛かって来る。AIに人間観察は出来ないし、思考も想像も出来ないのだから頼ったところで直ぐに底が割れてしまうだろう。
しかし画像の世界では、AIがもてはやされる時代がもうすでに来ていて、Amazonのグラビア写真集ランキングの上位をAIグラビアが占めていたりするらしい。生身の人間は、柔軟というか曖昧というか、節操がないくらい世につれて生きているのがよく分かる。
ここで紹介されている生成AI
まだ間増えるだろうし、自然淘汰もされていく。
こういうものを使い始めたら、パソコンと同じでもう無しではいられなくなるだろう。便利には弱いのが人間の常だが、リテラシーの差が問題になっていくのだろう。
SDGSの観点からも使わないわけにはいかなくなる。いくつものパンドラの箱を開けてしまった人類は、自分で自分の首を絞めるようなことになって行きはしないか。楽することにただ満足していると、どんどん機能が錆びついて劣化していくばかりだ。
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