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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2023.12.17
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カテゴリ:問題、意見
 万物の霊長と言ってふんぞり返って来た人間が、“見えない・知らない・分からない” を良いことに、人間以外の生きものを蔑ろにして来た。今、ようやく動物や昆虫、ひいては植物たちが営々と行っている神秘的で驚愕するような生体の仕組みと戦略に気づき始めている。

 NHKの「人体シリーズ」やNHKスペシャル「国際共同制作 グリーンプラネット」を観ていると、人間が他の生物と同じような一種の存在でしかないことを思う。そして、いかに不遜な存在であるかを思い知らされる。


 利便性を求め、楽をすることが素晴らしいことではあるけれども、そのための対価を払わなければならない。昔は確かに不便だったし娯楽も少なかった。そのため、お金はあまりかからずに済んでいた。
 それが今は、所得が少なくても、それらの経費のために出ていくお金が多く、働いても働いても追いつかない。なんのために働いているのかさえ分からなくなる。

 リーマンショック以降、企業も個人も四苦八苦している。企業は人件費を削減するために “政府と結託” し労働改革と称して、終身雇用や年功序列の慣例を廃止し、非正規雇用やアルバイトを常用するようになった。設備投資も人材育成もままならず、景気は下がる一方で、庶民の生活も困窮するばかり。経済発展のためには購買意欲と行動がなければ、景気も上がらない。
 
 コロナ禍を経験し、価値観の見直しが進んだのかと思うものの、手に入れた利便性は手放せるわけもなく、相変わらずその浪費を維持し続けている。 

 出る杭は打たれる社会において、個々人の鬱憤は溜まるばかり。不満の矛先を向ける相手もなく、自分自身さえコントロールできない。生活が困窮すれば子育てもままならない。子どもの貧困は、親が貧困であることが問題なのであって、子どもだけを独立して考えることはできない

 大企業優遇の施策ばかりが先に立って、庶民の生活のことなど眼中にないかのような統治者は、末端の子どもにまで目が向かない。人気取りの目先の発想しか浮かばない政府(岸田総理)が、少子化対策を打ち出しているが、その関りのある範囲は多岐にわたっていて、簡単に改革できるものではないでしょう。“お金をばらまけば事足りる” というようなものでは決してない。
 
 じゃあどうすれば子供を貧困から救えるのか。家族制度が崩壊しかけている中で、孤立する母子が多い状況をどう改善するのか。

 ヒトは本来、共同生活をする生き物だったはず。それが、豊かになって個人の尊重とか自由主義とかが叫ばれるようになり、好き勝手に生きることがうらやましく思えるようになった。共同生活や家族制度が古く感じ、人権を蔑ろにしているという風に意識そのものが変わってしまった。

 それは豊かだったから出来たことで、消費は美徳とばかりに政府が尻を叩き、新しい夢の世界が拓かれるとばかりに有頂天になっていた時代のことだ。

 目先の変革でごまかし、社会福祉や教育政策を蔑ろにしてきた政府の責任でもある。協力して子育てできる社会インフラを、総意を持って真剣に考える時が来ている。そのためのには多方面の理解と協力がなければできない。縦割り行政のままで、それが出来るはずもないし、1年や2年で出来るものでもない。予算だってかかる。


 優先順位を上げて、各省庁が国民とよく話し合い、損得以外のところで折り合いをつける。実際に具体的な形で動き出すには、今の日本では10年は必要でしょう。
 でも、そんな猶予はありません。少子化対策に、子どもが3人以上いれば大学生の学費を免除するとか、所得の低い家庭に金を配るなど、金を使った割りに効果は期待できない。他に流用するのを避け使い道を限定するには、現金ではない方が良い。

 大学を無償化するとの動きもあるが、卒業するまでの間、学問に集中しなくてもいい今の大学に入る意義はどこまであるのか。学歴偏重の悪弊を無くすこと。誰でも入れるが、卒業するのはかなり難しいものへ転換。それがなければ、結局はムダ金になる。
 或いは、大学は半分に減らしてもいいと思う。本当に勉強したいものだけが進学するという原点に還るべきだろう。

 国民の声を広く拾い集めてデーターベース化し、AIを利用して最善の方法を探ればかなり民意を反映したものが打ち出せるでしょう。

 今の政府は(何度も言いますが)、スカスカで中身が空っぽの「骨粗しょう症」みたいな組織です。安倍長期政権がそういう生活習慣病のような政府を作り上げてしまった。
 この病気は簡単には治りません。今、岸田内閣に出ている動脈硬化や糖尿病、あるいは機能不全のような症状が、これからもつぎつぎと発覚するでしょう。

 親方日の丸意識、右倣え症、個を隠して外面を意識する、物言わぬ国民も悪い。野党がどんどん弱小化していてどうしようもない現状を、打破するには、はて? どうするべきなのか。


 ヒトは社会生活を営む動物であり、子育てには血縁・非血縁を問わず多くの他者の協力が必要です。「子供は授かりものではなく、天からの預かりもの。」その大きな脳をもっているため育てるのに時間のかかる子供を、地域が共同で育てる必要がある。
 人類・民族の存続のために、その意識を再認識する方向へ舵を切るべきではないでしょうか。

 少子高齢化で市町村が消滅していくのは必至のこと。
 そう遠くない将来、学校が閉鎖・統合するように、市町村もそうならざるを得ない。それを前提にして、共同で子育てする「環境と理念」を今から暫時作り上げていくことが必要ではないでしょうか。


 地方が過疎になり、不便だからと大都市に移住する人が増え、ますます中央が肥大する。その前に手を打たなければならない。中央集権を否定しているのに、実行が伴わないところへ人口流入しては、都会が動脈硬化を起こし、成人病が悪化する一方です。

 目先のことを考えるのは生活者の宿命ですが、その感覚に政府が引っ張られ、迎合している。それではいつになっても良くならないし、病気が進み国は蝕まれて行く一方だ。ポピュリズムと極右の台頭は、進んで自閉症になる道を選んでいるようなもの
 いっそのこと、政治はAIにやらせた方が良いとさえ思う。よほど公平な判断を下してくれるでしょう。

 純血主義のごとく移民の受け入れを嫌い、労働力としか見ておらず、いい気になって使い捨てていた。日本の経済力の低下で、そのわがままも通用しなくなり、もっと賃金のいい国に流れようとしている。経済大国は、かつての歴史の中の1ページにしか過ぎない。中東やアジア諸国からも置いてけぼりになりそうな今の日本。

 終戦間もないころを知っている団塊世代の私は、皆が貧乏だったが生き生きしていたあの頃が懐かしい。横並びでみんなが貧乏だったので、平等意識をもてて生きやすかった。

「選択の科学」という本の中に、革命で自由を勝ち取ったはずの国民が、おしなべて「統治されて自由じゃなかったときの方が、平等で豊かだった」と言っている話が出てくる。

 また、“禁止されればされるほど、よけい欲しくなる” という人間の本質をうまく利用して、禁煙を上手に導いた例がある。禁煙をしたいと思っている人が対象の調査で、ある国は「煙草を厳禁、吸えば厳罰」とした国は、密輸入品を買う人が増え、禁煙した人はごく少数だった。それに対してある国は煙草の料金を上げた上で、「なるべく吸わないようにしましょう」と緩めに規制した。その結果、禁煙した人が大幅に増え、返って税収も増えたという。

 生成AIを活用してこういう手法が、ますます使われるようになるでしょう。巧妙に人心操作されるわけですが、“いい方向に利用さえすれば、良い社会になる” ということ。
 民族のために、ひいては人類のために、子どもを共同で育てたくなるような秘策を立てる。是非、AIに託してみてはどうだろうか。

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最終更新日  2023.12.23 22:08:49
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
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