♪ 余寒さえ死語になりゆく梅の花星の惑えど咲くを忘るな
市役所の向かい側の緑地帯にある白梅が満開だ。天気も安定してきていよいよ春がすぐ隣で待ち構えているのが実感できる。
これで吹きっ曝しの佐布里池の梅も、蕾を縛っていた緊張を一斉に解いて、土曜日からの梅まつりには全身で春を謳歌することでしょう。風もなく穏やかな日は、梅林に梅の香がそこはかとなく漂って、脳奥をくすぐってくれる。
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人が多いことで安心する人間という生き物は、平日の方がゆっくりできるのにどうしても人ごみを選んで行動する習性がある。土日にしか動けない人はしょうがないが、平日の方がいい。
桜と違って、人にまみれた梅の花は情緒も無ければ雅やかさもない。「探梅」という言葉があるように、人知れずひっそりと咲いている梅にこそその真髄がる。
全国対象に「高温に関する早期天候情報」が発表され、2月14日頃~「かなりの高温」に。3月に入っても気温が高いことから、桜の開花が早まるだろうとのこと。
春を待ちわびるという、遠足の前の晩のように一番ウキウキする季節が、失われていくのは何だか大きな損をしているような気がする。
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梅は、万葉集では萩に次いで多く、119首に詠まれているとか。
◆「久方乃 月夜乎清美 梅花 心開而 吾念有公」
紀小鹿女郎(きのをしかのいらつめ)
書き下し文
久方の月夜を清み梅の花心開けて我が思へる君
釈義
月がきれいなので梅の花が開くように、心を開いてあなた様のことをお慕いします。
◆「余能奈可波 古飛斯宜志恵夜 加久之阿良婆 烏梅能波奈尓母 奈良麻之勿能怨」 豊後守大伴大夫(ぶんごのかみおおとものたいふ)
書き下し文
世の中は恋繁しゑやかくしあらば梅の花にもならましものを
釈義
世の中では恋の悩みが絶えないようです。そんなに苦しむのなら、梅の花にでもなれればいいのに。 |
今朝の富士山。
晴れたり曇ったりで、上空はまだまだ冬の呪縛から逃れられない。まだ2月の上旬なのだから、それでいい。この節操のない地球において、でんと構えて馬耳東風の面構えで威厳をもって鎮座していてほしい。
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