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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2024.02.18
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カテゴリ:音楽

♪ ほとばしる打弦の響ききらめきて有無を言わさぬ大西順子(じゅんこ)のピアノ


 東海市の芸術劇場であった、大西順子のソロピアノのコンサートに行って来た。いつもなら歩いて行くところだが昨日は往復電車で。

 前回(22年11月12日)はカルテットだった(当日の模様)が、今回はソロ。果たしてどれだけのお客が入っているのか。彼女も危惧していたようだが、ほぼ満席の盛況ぶりに喜んでいた。

 チケットは「ユウナルフレンドメンバーズ プラチナ(有料)会員」先行販売のため、良い席はすぐに塞がってしまう。私は一般会員なので、その販売日の初日に買いに行った。
 何とラッキーなことに、13列22番という絶好の席が1つだけ残っていた。正面よりやや右で顔も見えるし手元も見える。



理想は7~8列辺りがいいがしょうがない。

 1,500円という手ごろな値段ということもあって、二階席の両サイドにも入っている盛況ぶり。
 のっけから目くるめく交差する、パラフレーズ的ピアノ音とリズム。ピアノの音がとにかく綺麗。息もつかせぬ迸りに、聴衆は呆気に取られている。壇上にきらめき駆けまわる跫音に比して、身動きもせず聴き入っている会場の静かなこと。

 数曲を演奏して自身のMCが入る。曲の紹介があるものの聞いたことのない作者や曲名ばかり。とにかく本人が楽しんでいることは分かる。聴衆を意識することよりも “自分がやりたいことを聴いてもらう” ことに徹しているのが良くわかる。ついて来れようが来れまいが、それでいいのだと。

 演奏が突然終わり舞台の奥に消えた、と思ったら「20分の休憩です」とのアナウンス。



 ロビーに出てみると例のごとく、CDを売っている場所に人だかり。前回のカルテットの時に、「アナログも作ったが、直ぐに売り切れてしまった」と言っていたのを思い出した。何と今回はナログのレコードも置いてある。手に取ってみると「オーケストラ」?となっている。

 ?? 何だこれ。よく分からないので元へ戻して、ちょっと間をおいて考えた。大西順子がプロジュースした小編成のビッグバンドのようだ。本人が演奏しているものではないらしい。しかし、最近のLPレコードがどんなものかまったく知らないので買ってみることに。



 そして後半。1曲弾き終わってから「自分が弾きたかった曲を演奏しました」、「自分の家でやればいいのにね」と笑わせる。それで、申し訳ないと思ったのか誰でも知っている曲をやりますと・・。「ラウンド・ミッドナイト」「スターダスト」「ラバース・カムバック・ト・ミー」「イッツ・ア・ワンダフル・ワールド」などをたてつづけに弾いてくれる。そのどれもがテクニックに裏打ちされた聞きごたえのある演奏。皆さん納得して聴き入っていたんじゃないかな。
 途中、お世話になった小澤征爾氏の逝去に触れて、しんみりする場面も。
 最後に敬愛する「デューク・エリントン」ナンバーを何曲かやって2時間の演奏が終わった。

 休憩はあったものの、かなりのハードな演奏を独りで弾きっぱなし。「上原ひろみ」とは演奏スタイルが違うものの、日本女性のジャズピアニストとしては異色の存在だ。

 誰が書いているのか知らないが(多分女性)、ネットに「メジャー女性ピアニストおすすめランキング」なるページがあり、ベスト5の4位・上原ひろみ、5位・大西順子となっている。この二人の演奏は一般女性にはイマイチ重たいのだろう。因に、1位・木住野佳子、2位・西山瞳、3位・山中千尋を挙げていて、「女性らしい繊細さがあって、かつ音がきれいでよく通るしっかりした弾き方のプレイヤーが好きな私の好みに基づくランキングです。」とある。

 会場には女性も多かったが、果たしてこのハイレベルな音の洪水のようなジャズを楽しめたのかどうか。大西順子自身も「どうなのかなぁ」と思っていたようだが・・・。
 
♪ ♪ ♪

 買ったLPをさっそく聴いてみた。大西順子のプロジュースで、日本の若手のジャズマンを集めて作ったアルバムという割には、ちょっと物足りない。


ジャケットは日野皓正の手によるもの

 4,620円もした。CDでも3,000円することを思えば、ロットが少ない分高くつくのは仕方がない。ただ、音がクリアすぎるし演奏もピュア過ぎて、蒸留水を飲んでいるような味気なさ。音にも演奏にも、もっと(雑味とまではいわないまでも)複雑な奥行きが欲しい。何もかもが薄っぺらになっている時代性が、こんなところにも表れている気がするなぁ。





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最終更新日  2024.02.24 11:26:02
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
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