♪ 可愛さにやり過ぎている弊害を身をもって知る甘える猫に
アランがすり寄ってきて盛んに鳴く。エサが欲しい時もあるがそうじゃない。ころんと横になるので背中を撫でてやると、前脚をぐーぱーぐーぱーしながら目を細め、「あれ」をやってとおねだりをする。最近は病みつきになったか、毎日のように言ってくる。
「変な癖がついちまったなぁ」と言いながら、こっちも面白がってやってやる。
それは、「横になっているところを、“首の辺りと脚の辺り” を押さえて、体をグルグルっと回転させてやる。フローリングの上なので良く滑る。目が回るといけないと思い、右回り、左回りを交互に。鳴き声は立てず、前脚をぐーぱーぐーぱーやって喜んでいる。様子を見て、場合によってはさらに2~3回繰り返してやる。」
こんなこと普通では絶対に体験できない。猫ブームであっても、そんなことやってもらっている猫は、世界広しといえどもどこにも居ないんじゃないだろうか。
アランは、紐やボールなどで遊ばせてもあまり興味を示さず、遊ばせ方が分からない。それで、面白半分にやり始めたこと。それがえらい気に入ったようだ。自分からは何もしない、まったくの受け身。まるでなんとかサロンでスペシャル施術を受けているようなものだ。
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そんな事をしてくれる爺だからか、甚く気に入ってくれていて何かとそばにいたがる。それはそれで可愛いのだが、暖かくなった最近は毎晩、私の布団の上に乗って寝るようになった。それがちょっと・・。
ベッドに入る時間が遅いと、待てずに箪笥の上で寝ていたりするが、私が行くとタンスから下りてベッドに移動してくる。
夜の様子を始めて撮った。
本を読んでいる足元に、ごろんと体を凭れかけて喉を鳴らしている。この日は11時前だった。こっちはまだ本を読んでいるので、ヤツは先に寝ることになる。
私が寝るころには完全に眠りに入っているアラン。起こさないように体をそーっと下に潜り込ませる。腰から脇のあたりにアランが居ることになる。寒い時期ほどには密着してこないので少しはましだが、重いので寝返りが打ちにくい。来てくれるのは可愛いが、居ないならその方が良いと思ったりもする。
朝になってもアランはまだ寝ていることが多い。私が抜けた後の状態ばかりだが、証拠写真が撮ってある。
目を開けたので、間もなく起きるだろう。
未だ夢の中。
爺様は起きたか、まだ早いのになぁ・・。
この夜は下の方へ移動して寝ていた。
やけに暑い夜だった。
こうして写真が撮ってあるのを見ると、夜中は邪魔でウンザリしているのに、私はやっぱりアランガ可愛いと思っているんだねぇ。
欲といったら食べることと寝ることくらい。ただ無心で慕ってくる猫が可愛くないわけがない。
朝飯を食べた後、いつも決まってPCのところにやって来て膝の上に乗る。ずっと夜一緒に寝ていたのに、まだ一緒に居たいらしい。嬉しいけど迷惑だ。しばらくすると居心地が悪いと見えて、どこかに行ってしまう。
4月5月はこんなことの繰り返しの毎日。これから暑くなるにつれて様子は変化していく。
今年の夏は、猫にとっては居場所のない厳しいものになりそうだ。地獄の釜ゆでのような、逃れようのない状況ではクーラーが嫌いなんて言ってられない。
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